問題社員への対応を段階的に整理し、紛争化を防いだ事例
相談前の状況
地方のサービス業を営む会社から、勤務態度や協調性に問題があり、業務指示にも従わない従業員への対応についてご相談を受けました。
現場では以前から不満が出ていたものの、その都度口頭で注意するにとどまり、正式な指導記録や面談記録はほとんど残っていませんでした。
会社としては、現場の混乱を早く収めたいという思いがありましたが、十分な記録がないままいきなり厳しい処分に進むと、後に解雇や退職強要などを争われるリスクがあります。
解決への流れ
まず、就業規則、雇用契約書、職務内容、過去の注意経過を確認し、どのような問題行動があり、それに対して会社がどのように対応してきたのかを整理しました。
その上で、対応方針を感覚的なものにせず、注意、指導、改善機会の付与、面談、文書化という段階を踏んで進めることにしました。
具体的には、業務上の問題点を明確にした指導書面、改善を求める通知、面談記録などを整備し、本人にも会社が何を問題としているのかが分かるようにしました。
あわせて、会社側の担当者にも、感情的な対応を避け、記録に残る形で進めるよう助言しました。
結果、段階的な対応を重ねた結果、本人にも職場での立場や今後の見通しが具体的に伝わり、最終的には合意による退職という形で整理することができました。
拙速な処分に進まず、改善機会を確保しながら手順を踏んだことで、後日の紛争リスクを抑えた解決となりました。
舛本 行広 弁護士からのコメント
問題社員対応では、「会社が困っている」という事情だけで直ちに強い措置が正当化されるわけではありません。
重要なのは、何が問題だったのか、どのような指導をしたのか、改善の機会を与えたのかが後から見ても分かることです。
地方の中小企業では、日常的な人間関係の延長で対応してしまいがちですが、記録と手順を整えるだけでも、解決の質は大きく変わります。
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