請負代金の未払トラブルを、訴訟前の交渉で整理できた事例
相談前の状況
地方で建設業を営む会社から、工事を完了したにもかかわらず、元請会社から請負代金の一部が支払われていないとのご相談を受けました。
当初の契約金額部分だけでなく、工事の途中で依頼された追加工事分についても未払となっており、相手方からは「その部分は正式に合意していない」との反論が出ていました。
地方の企業間取引では、長年の付き合いから、詳細な変更契約書を作らないまま工事が進むことも少なくありません。しかし、いざ代金トラブルになると、「何が合意されていたのか」が争点になりやすく、口頭のやり取りだけでは不利になることがあります。
解決への流れ
まず、契約書、見積書、請求書、工事写真、メール、メッセージ履歴などを確認し、当初契約と追加工事の経緯を時系列で整理しました。
その上で、追加工事について、相手方の依頼内容、現場でのやり取り、施工内容、請求金額の根拠が分かるよう証拠関係を組み立てました。
次に、単に請求額を伝えるだけでなく、どの部分について、どの資料に基づき支払義務があるのかを明示した通知書を作成し、支払期限を区切って交渉に入りました。あわせて、将来的に訴訟へ移行した場合の主張立証も見据え、主張の軸を事前に整理しました。
交渉の結果、相手方は追加工事分を含む請求の相当部分を認め、訴訟提起前の段階で支払に応じました。
当事者間の感情的対立が深刻化する前に、証拠と論点を整理して交渉に臨んだことで、回収可能性を高めながら、事業への影響も抑えることができました。
舛本 行広 弁護士からのコメント
代金回収では、「払ってもらえない」という結果だけでなく、どの資料が残っているかが極めて重要です。
地方の中小企業では、契約変更や追加発注が口頭で進みやすい一方、その後の紛争では見積書、請求書、写真、LINEやメールなども重要な証拠になります。
訴訟になる前の段階でも、資料を整理して請求することで、解決に至るケースは少なくありません。
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