給料

弁護士監修記事 2019年03月29日

【弁護士Q&A】ミスや降格、転籍に伴う減給に従う必要はある?

仕事上のミスや降格などによって、会社から減給を言い渡された場合、従う必要はあるのでしょうか。十分な指導もなくいきなり減給したり、大幅に減給したりといった処分は、法的に有効なのでしょうか。 また、転籍に伴って給与が減ってしまう場合、転籍先に、転籍元と同じ給与水準で働かせてほしいと求めることはできるのでしょうか。 みんなの法律相談」に寄せられた実際の相談事例と弁護士の回答を元に解説します。

目次

  1. ミスによる減給は有効か
  2. 降格に伴う減給は有効か
  3. 転籍に伴って給与が減ったら

ミスによる減給は有効か

仕事上のミスを理由に、減給すると会社に言われた場合、従う必要はあるのでしょうか。

ミスによる減給処分について


相談者の疑問
私はとある店舗の所長として働いているのですが、本社に提出した「在庫表」の記載方法が悪いということで、単月ですが減給処分にすると言われ12000円を給与から引かれました。

以前も在庫報告が遅いという指摘で減給されました。

1.注意も是正勧告も無しにいきなり減給するのは違法ではないのでしょうか?
2.給与というのはこんなことで簡単に操作していいのでしょうか?


内山 宙弁護士
就業規則を確認していただいて、懲戒処分の項目でどのようになっているのかご確認ください。

懲戒処分できる理由の中に、今回のようなことが含まれているのかどうか確認し、含まれていないのであれば、そのような減給処分はできないと考えられます。

一方、抽象的にでも、何かしら勤務成績が悪いときには減給できそうなことが書いてあるとしても、懲戒処分の手続きをとって減給がされたのかどうかが問題になります。

そのような手続きがなければ違法な減給処分ということになってくるかもしれません。

また、懲戒処分として減給する場合には、過去の類似事例とのバランスも問題となります。これまで指摘されたことがないということであれば、いきなり減給ではなくて、普通に指導すればよいだけのことです。

何度指導しても従わないときに、戒告やけん責の処分をし、それでも改善しないときに減給、停職、解雇というようにだんだんと処分を重くしていくのが通常です。

いきなり減給というのは、不合理な処分ということで取り消されるべきもののようにも思われます。

仕事のミスによる減給は、就業規則の懲戒処分の内容に当てはまる場合に、所定の手続きを経て行う必要があるようです。 上記事例のように、指導もなくいきなり減給することは無効になる可能性が高いでしょう。

降格に伴う減給は有効か

役職が降格することによる減給は有効なのでしょうか。

説明なしの給与減額について


相談者の疑問
現在、会社の1つの部門を1人で担当しています。数か月前、仕事の悩みから鬱になり、1日ほど会社を休みました。

受診し、休養が必要との診断書も会社に提出しましたが、代わりのスタッフもおらず、1日休んだあとは出勤しておりました。最低限の業務は行なっておりました。

内服薬の効果もあり、2週間ほどで、以前と同じような仕事もできるようになり、少しづつ業績も上向き傾向でありました。

それから数か月経過し、人事異動を告げられ、何の説明もなく、降格と給与の減額を言い渡されました。割合にして20%の減額です。

もちろん、会社側は、鬱だけが理由ではないと思いますが、他に業務で失敗したわけでもありません。このまま受け入れるしかないのでしょうか?


佐久間 大輔弁護士
就業規則には降格に伴う給与について規定されていないのであれば、降格と賃金減額が連動していないのですから、労働者の個別同意がない限り当然に賃金減額をすることは許されません。

仮に降格と賃金減額が連動していたとしても、減額割合が20%というのは労働者にとって不利益が大きいですから、賃金減額も権利濫用として無効になる可能性があります。

就業規則に、降格に伴う減給の規定がない場合、労働者の同意なく会社が一方的に減給することは認められないでしょう。 就業規則に規定があったとしても、上記のケースのように20%もの大幅な減給は、労働者の負担が大きいため、無効になる可能性があるでしょう。

転籍に伴って給与が減ったら

会社の合併などで転籍になる場合、転籍先での給与が現状よりも減ってしまうことがあります。転籍先に対して、転籍元と同じ給与水準で働かせてほしいと要求できるのでしょうか。

会社合併に伴う、社員の転籍とその条件について。


相談者の疑問
会社のグループ内で、子会社同士(A/B社とする)が合併し新会社(D社)設立となります。業務内容の関連性から、私の所属する部署のみ別のグループ会社(C社)へ移譲し、在籍する社員はC社への転籍を求められています。

・賞与が減る→4か月から2か月
・月収が減る→月数千円

上記2点から年収50万円ほどの減額となります。

現在の給与水準の維持を、法的な論拠に基づいて転籍先に交渉できますでしょうか。


佐久間 大輔弁護士
転籍は、転籍元との労働契約の合意解除と転籍先との新たな労働契約の締結です。ですから、労働者は解除と締結の2点について承諾しなければ、転籍の効力は生じません。

交渉はできますが、転籍先は新たな労働契約を締結するのですから、転籍元の給与水準に応じる義務はありません。転籍元は労働契約の合意解除をすればよく、転籍先での減収分の補填をする義務はありません。

転籍によって給与額が低くなるとしても、基本的には転籍先の給与水準に従う必要があるようです。

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