離婚時に財産分与をしないことは可能?
離婚時に財産分与をしないことは、夫婦で合意できれば可能です。合意できた場合には、離婚協議書にその旨を記載しておきましょう。こうした離婚後に財産分与を請求しない約束を「清算条項」といいます。次のような文言です。
甲と乙は、以上をもってすべて解決したものとし、今後、上記の各条項のほか、名義の如何を問わず金銭その他の請求を相互にしないことを約束する
財産分与について合意できなかった場合は、離婚した時点から2年経過するまでは財産分与を請求される可能性があります。 財産分与を逃れるために財産隠しをするケースがありますが、弁護士照会という手続きにより銀行口座を特定されたり、裁判所の保全手続きにより財産が差し押さえられたりして結局財産が明らかになる可能性があります。 財産分与をしないことについて合意できず財産分与を相手から請求された場合に、財産分与をなしにしたり、大幅に減額したりするには、次のような方法があります。
- 特有財産を主張する
- 配偶者の財産を調査する
- 慰謝料と相殺する
- 財産への寄与度を争う
- 会社経営者や自営業の場合の対応
以下では、実際にあったケースと弁護士の解説を紹介します。
財産分与しない方法①特有財産を主張する
特有財産とは、独身時代の貯金や相続で得た財産など、結婚中に夫婦で築いた財産に当てはまらない財産のことです。 特有財産は、財産分与の対象になりません。特有財産を主張することで、財産分与の対象となる財産を減らすことができ、財産分与額を減額できるケースがあります。
独身時代の貯金を財産分与の対象から外すことで財産分与額を減額した事例
- 豊村 聖子弁護士
- 依頼者:女性
相談前依頼者が未成熟子(成人年齢に達しているかではなく、まだ経済的に自立できていない子のこと)を連れて別居を開始し、離婚請求訴訟を提起した事案で、財産分与において基礎となる共有財産(預貯金や不動産・車など)の範囲が争点となり、依頼者が婚姻前に貯蓄していた財産(特有財産)の範囲が問題となりました。
相談後婚姻前に有していた口座の残高が一時減少していたものの、基本的には増額し続けていた点を集中的に主張し、裁判官が婚姻時点での依頼者の貯蓄額保持を認める旨の発言をしたため、最終的にこちらの主張(婚姻前の貯蓄額は分与せず)が認められる形で和解にて終結しました。
豊村 聖子弁護士からのコメント離婚時の財産分与について、婚姻前の財産が「特有財産(夫婦の共有財産ではなく独自の財産)」にあたるのかが問題となることがあります。親から相続した財産が特有財産の典型例であり、婚姻前の貯蓄などについては、婚姻後に夫婦が扶助協力しながら財産を形成していく過程で費消したり、混入するなどして共有財産と区別がなくなることも多く、結局「基準時の残高を半分に分ける」という結論になりがちです。
そこで、婚姻時から別居時までの取引履歴をすべて開示したり、その他の根拠資料を提出するなどして、婚姻時点での依頼者の貯蓄を保持することに成功しました。
裁判官が納得するに足る証拠を提出することが大切だと実感した事件です。
相続で得た財産を財産分与の対象から外すことで財産分与額を4分の1に減額した事例
- 青木 芙美子弁護士
- 依頼者:男性(40代)
相談前依頼者は40代の勤務医でした。婚姻期間10年以上の妻とは二人の間に子供が1人います。現在、妻とは、現在5年以上別居中で、妻から「いい加減そろそろ離婚したい」という連絡があり、代理人をつけて、弁護士から依頼者に連絡が来ました。
当初はネットで検索してみて弁護士を雇わず、自分だけで解決できると考えていました。
そのため妻側の弁護士とやり取りをして、弁護士とは子供の親権や最低限の共有財産に関して支払うところまでは合意できました。
しかし、弁護士とは別に妻から突然電話がかかってきて、男性側の資産である5000万円の半分を共有財産として要求してきたため、状況は急変。この5000万円はそのほとんどが相続として家族から引き継いだ財産なので、妻には絶対渡したくありませんでした。素人だけでは解決できないと考え、こちらも職場近くで、親身になって相談に乗っていただいた弁護士に相談にいくことを決心しました。
相談後今回の焦点は、妻側が主張した5000万円が「共有財産」として認められるかどうかが争われました。判断基準として、相続した財産かどうかの証拠を全て提出しなければいけません。
依頼者は自身も働いていたため、まとまった時間を取ることができなかったので、弁護士は依頼者の状況も踏まえて、依頼者の代わりに全ての資産である、自宅/預貯金(複数)/金融資産(複数)/その他、色々なところに分散細かい財産(相続)の全てをこと細かく調べ、その資産の元を辿った結果、そのほとんどを相続財産であることを立証することができました。
結果、依頼者は当初2500万円と言われていた財産分与を400万円と年金分割で解決することができました。
青木 芙美子弁護士からのコメント熟年離婚の場合、親の相続までを対象として訴えてくるケースが最近後を絶ちません。この場合、その財産の出所がわからないと全て財産分与として認められてしまいます。そのため、早期で弁護士への相談をすることをお勧めします。
インターネットが普及して、誰でも情報にアクセスできる世の中になったとしても、やはり、法律問題は法律の専門家である弁護士に相談することで早期解決につながります。
財産分与しない方法②配偶者の財産を調査する
財産隠しはおすすめしないと先ほど説明しましたが、配偶者が財産隠しをしているケースは存在します。 配偶者が財産隠しをしていると疑われる場合には、配偶者に財産の開示を求めたり、弁護士に調査を依頼することができます。配偶者の隠し財産が財産分与の対象になれば、財産分与額を減額できる可能性があります。
妻の隠し財産を追求することで、夫が支払う財産分与額をゼロにできたケース
- 小沢 一仁弁護士
- 依頼者:男性(50代)
相談前不貞行為をした妻に対して離婚を求めましたが、妻は離婚に応じない態度を示しました。しかし、不貞行為をした以上、妻は離婚を争っても離婚訴訟で離婚が認められる可能性が高い状況でした。そこで妻は夫である依頼者に対し、仮に離婚するときは別居時点の夫婦共有財産を分割することを求めました。別居時を基準にすると、依頼者は妻に対し約1500万円を支払う義務があると主張しました。
依頼者は、自分は被害者なのに、なぜそのように高額な金銭を支払わなければならないのかと憤りました。また、依頼者は同居していた時期に、妻に家計の管理を任せていたところ、月々の家計の予算に照らし、貯金の額が少なすぎるなどと疑問を呈しました。
なお、主な夫婦共有財産は、預貯金、マンション、積立式の保険(返戻金が財産分与の対象になります)、車でした。
相談後結局協議では離婚は成立しませんでした。その後私は、どれだけ妻が悪くても、財産分与の計算では考慮できない。最悪財産分与の減額は、慰謝料で調整(相殺的な処理)をするくらいしかできない旨説明し、納得してもらったうえで離婚調停を申立てました。
離婚調停においても財産分与の額が中心的な問題となり、当事者双方が資料を提出しました。このうち、マンションについては複数の業者から中立的な内容の見積もりを取得し、平均した額から住宅ローンの残額と、依頼者が購入時に支払った頭金の額を合計した額を引き、残った金額を2分の1ずつ取得することとしたため、当初妻が見積もっていた金額よりも大幅に減額することができました(当初妻は、自身に都合のよいように高く見積もった見積書を根拠にマンションの評価額を算定し、かつ、依頼者が支払った頭金を考慮せずに計算をしていました。)。
また、保険については、依頼者が結婚前から加入していたことから、結婚時の返戻金の額(①)と、別居時の返戻金の額(②)をそれぞれ保険会社に計算してもらい、②から①を引いた金額を2分の1ずつ取得するとしたことで、一定程度減額することができました(当初妻は、離婚時を基準に保険を解約した場合の返戻金を2分の1を各自取得するものとして計算していました)。
車については複数の業者から見積もりを取り、平均額の2分の1ずつを取得することとしました。
残る問題は預貯金でした。依頼者は、妻がへそくりを貯めている、このへそくりも共有財産と評価すべきだと主張しました。確かに妻に預けていた依頼者の通帳の履歴を見ると、毎月まとまった金額を引き出している様子がうかがわれました。調停において私は妻側に対し、依頼者の通帳の履歴を全部開示するから、妻側の通帳の履歴も全部開示してほしいと求めました。しかし、妻側は別居日の預金通帳の残高証明書を提出するのみで、プライバシーを理由に履歴の開示はかたくなに拒みました。
そこで私は、依頼者の通帳から引き出されている金額を見せる前に、毎月の家計のやりくりを説明するよう妻側に求めました。妻側はこれも拒否しましたが、調停委員が説得したのか、結果としてこれに応じました。すると、依頼者の通帳の履歴とは明らかに矛盾する内容の回答がされました。そこで私はこの矛盾点を指摘して、再度通帳の履歴の提出を妻側に求めました。これにも妻側は応じないため、妻が口座を開設している銀行に、取引履歴の開示を求める調査嘱託の申し立てを裁判所に対して行いました。調停では嘱託をするかは裁判所の裁量により判断され、実際に裁判所が嘱託をする例は少ないと思いますが、裁判所は嘱託をしてくれました。
その結果開示された情報から、妻が隠し口座を開設していることが判明しました。その隠し口座の残高の開示を受けた結果、依頼者が妻に支払うべき財産分与はほぼなくなりました。結果として、依頼者は財産分与を支払うことなく、反対に妻側が依頼者に財産分与をすることで慰謝料の精算をすることになりました。
小沢 一仁弁護士からのコメント本件のように成功する例はまれです。また、妻の家計管理等に疑問があっても、追求すべき場合とそうでない場合もあります(金額の小さい細かな出金等の内訳を全部説明しろ、そうでなければ隠しているのだと主張する人はそれなりにいますが、そのような主張は裏の取りようがないうえ、交渉を紛糾させ問題解決を遅らせるだけなので、方針として得策とは思いません)。
しかし、本件では妻側の態度があまりに不自然であり、何か隠している可能性が高いと疑ってしかるべきものでした。事案に応じてメリハリのある判断をすることが重要だと思います。
財産分与しない方法③慰謝料と相殺する
配偶者が不倫(不貞行為)やDVをしている場合には、配偶者に対して慰謝料を請求することができます。 配偶者に慰謝料を請求できる場合、こちらが慰謝料を請求しない代わりに財産分与をなしにしたり、減額したりすることができます。相殺といいます。
不倫した妻への慰謝料と相殺することで財産分与をなしにしたケース
- 青木 芙美子弁護士
- 依頼者:男性(40代)
相談前相談者は中小企業にお勤めの男性からでした。夫婦共働きで息子が3人の5人家族です。結婚して二人の間には子供が3人おり、依頼者も家族のために頑張って夜通し働く仕事一筋の人でした。
それまで特に夫婦仲は悪く無かったのですが、妻が某社会人サークルに入ってからというもの、仕事だ出張だと言って帰宅が遅くなり、度々外泊するようになりました。また、自分や子どもたちに対する態度もどこかよそよそしく、不審に感じました。
ひょっとして浮気しているのではないかと思い、妻の携帯電話をこっそり調べてみると、LINE上で見知らぬ男と不倫をしているようなやりとりと不倫相手と思われる人物との写真などを見つけました。
一瞬、気が動転して、何が何だかわからなくなってしまいましたが、時間が経つにつれて、自分と子どもたちを傷つけ家庭を壊した妻と不倫相手に対する怒りがこみ上げてきました。悩んだ末、妻と離婚することを決意し、子供3人の親権を取って、妻と不倫相手に責任を取らせるために、知り合いに相談したところ、良い法律事務所があると言われ、弁護士を紹介されて相談に行きました。
相談後受任後、弁護士はすぐに妻に対して、離婚調停の申立てを行いました。依頼者から頂戴した証拠をもとに、短期間で不倫相手との不貞行為を認めさせることができました。
さらに、調停での交渉の結果、慰謝料請求を行わない代わりに、夫名義の共有財産(総額約500万円)の分割を行わないことを認めさせて妻への財産分与を免れ、子供3人の親権と養育費の支払いを認めさせて決着し、納得のいく条件で離婚することができました。
並行して不貞行為相手の調査を行ったところ、不貞行為の相手が2名いることが判明しました。弁護士は各人に対して、慰謝料請求を訴外で行い、各150万円の支払いで示談をすることに成功しました。
青木 芙美子弁護士からのコメント以前、「昼顔」というドラマが流行ったように、最近サラリーマン男性から受ける相談は、妻の不貞行為を含む不倫相談が年々増えています。
このような相談で、弁護士として依頼者にお伝えしていることは証拠!
証拠が重要なので、弁護士のアドバイスを参考に証拠の獲得を行うか、事前に証拠を抑えてから弁護士に相談するか。後者の相談であればスムーズな解決につながります。
調停でも不貞行為の存在を固められれば、他の離婚条件に関しても有利に進められるので、パートナーが怪しいと思ったら、経験豊富な弁護士への相談をお勧めいたします。不貞行為の証拠の収集に関してもアドバイスさせていただきます。
財産分与しない方法④財産への寄与度を争う
財産分与の割合は、通常は1:1と考えられています。専業主婦家庭の場合など、片方の収入が多い場合でも、その収入を得ることができたのは他方の支えがあったからだと考えられているからです。 ただし、片方の収入の多さが、他方の支え以外の要因による場合には、財産分与の割合を修正することができます。
収入が夫の数倍あり、家事育児も自身でこなしてきた妻が、財産分与の割合を修正することで財産分与額を減額したケース
- 清水 俊弁護士
- 依頼者:女性
相談前夫が突然家を出て10年近く経ってから離婚や財産分与を請求された奥様からの依頼です。別居期間が長く離婚を争うことは法的に難しい事案でした。
ただ、医者であった奥様は夫よりも数倍の収入があり、さらに家事・育児も自身がやってきたことから、築き上げた財産を原則通り半分ずつ分与されることにどうしても納得がいかないということでした。
そのため、夫が申し立てた調停において、あくまで財産の50%の分与を要求する夫と合意に至らず、離婚裁判となりました。
相談後離婚訴訟においては、奥様が医者としてどれだけ夫婦の共有財産の構築に貢献したか、どれだけ家事・育児をきちんとやってきたかを主張立証しました。
第1審判決では、財産分与について奥様のご主張を一部認め、分与の割合に多少の差をつけましたが、納得のいくものではありませんでした。
すぐに控訴し、第1審判決の不合理さを訴え、高等裁判所の理解を得た結果、財産分与について夫に第1審判決から大幅に譲歩させる内容の和解を得ることができました。
清水 俊弁護士からのコメント控訴審で和解した事案であるため、解決まで数年を要した事案です。スピード解決とは言えませんが、ご依頼者様が納得できるまで手続きを尽くしました。最終的な結果としてもご依頼者様の思いが一定反映された和解となりました。
妻の実家の経済的援助を考慮して財産分与の割合を夫1:妻2とする判決を得たケース
- 江頭 節子弁護士
- 依頼者:女性
相談前新婚当時、夫は仕事の見習い中で収入が少なく、妻の実家が経済的援助を惜しみませんでした。
ところが夫は出世して高収入になるや、妻をうとんじて離婚を求めてきました。その陰には女性関係もありました。
相談後妻の実家は、夫名義の口座に送金したりしていたため、夫婦2人への贈与だとされ、財産分与では夫婦2分の1ずつの分与だという原則論が法廷を支配していました。
妻は、実家の思いを踏みにじるような分与は納得できないとして、徹底的に争いました。その結果、夫:妻の分与割合を1:2とする異例の判決を勝ち取りました。
江頭 節子弁護士からのコメント親御さんが夫婦2人に贈与したからと言って、離婚のときに半々にするのは形式的に過ぎます。
財産分与の割合は1:1とするのが原則ですが、実は民法にそう書いてあるわけではありません。民法の条文では、財産分与は「一切の事情を考慮して」定めるとあります。そこで、最後まで諦めずに主張と立証を尽くしたことが裁判所を動かしました。
財産分与しない方法⑤会社財産と家庭の財産を区別する(会社経営者や自営業の場合)
会社経営者や自営業の場合には、会社財産と家庭の財産が混在しているケースや、収入の多さが夫婦の支え合いというよりは自身の特殊な能力によるケースが存在します。 会社財産と家庭の財産をきちんと区別したり、財産分与の割合変更を主張したりすることで、財産分与をなしにしたり、減額したりすることができる可能性があります。
夫が経営する会社の営業上の付き合いで購入した絵画を特有財産と主張することで財産分与額を2000万円減額したケース
- 來住 崇右弁護士
- 依頼者:男性
相談前夫名義の財産が約1億円(預貯金など6000万円、絵画4000万円)あったため、夫は、妻に、約5000万円を分与しなければならないと覚悟されていました。
相談後財産の内容を1つ1つ丁寧にヒアリングしたところ、約4000万円の絵画は、特有財産(財産分与の対象にならず、相手に分与しなくてよいとされる財産)ではないかと考えました。
「結婚前からもっている財産」や「結婚中に相続した財産」といった典型的な特有財産ではなく、「夫が経営している会社の営業上の付き合いで、やむなく購入した絵画」でした。
訴訟になった場合に、そう判断してもらえるかは不明ですが、①夫が経営している会社の営業上の理由で、やむを得ず買った絵画であること、②そのおかげで、購入先企業と継続的に取引が出来て、利益をあげていること等を理由に、「個人名義ではあるが、実質的には会社の財産なので、財産分与の対象にはならない。」と主張し、分与をせずにすみました。
夫が覚悟していた財産分与額より、約2000万円減額できました。
來住 崇右弁護士からのコメント本件は、「調停」であって「訴訟」ではありませんので、判例にはなりません。
ただ、常に、「法律や判例からすると無理だと思われるような案件でも、これは何とかしてあげるべきだと思う場合は、あきらめずにとことん知恵を絞る。」と考えていることが成功につながった例だと思います。
「この事件に、法律や判例をそのまま当てはめて結論を出すと、何か変だな、理不尽な結果になるな。」と思う場合は、必ず、何か新しい理論を考えて、相談者にベストな結果が出るよう努めています。
法律や判例は、「従うもの」ではなく「創るもの」です。
夫が自営業者であることから財産分与の割合を夫7.5:妻2.5とすることで分与額を減額したケース
- 佐藤 良弁護士
- 依頼者:男性(40代)
相談前相談者は不貞行為を行った妻との離婚を希望していました。相談者は自営業者でいわゆる高額所得者であったため、財産分与の額が最大の争点でした。
相談後妻側は、寄与度5割を前提にした財産分与を求めてきましたが、最終的には、寄与度2割5分を前提とした金額での合意に至りました。
合意に至る前提として、子の親権は妻に譲る形となりましたが、別途妻から慰謝料の支払いを受けることも合意でき(財産分与と相殺)、金銭面では納得感の大きい解決となりました。
佐藤 良弁護士からのコメント財産分与の算定に関しては、特段の事情のない限り、夫婦の寄与度は1:1(それぞれ5割)とするのが一般的な考えです。これは、たとえ妻が専業主婦であったとしても、夫の収入は妻の支えがあってこそのものであり、収入に対する寄与度は同等と考えられているためです。
もっとも、この理屈はすべての家庭にあてはまるものではありません。本件のような高額所得者の場合、その収入は本人の才能や努力によるところが大きく、妻の貢献度を原則どおり5割と考えるとかえって不公平になってしまうためです。
本件は、夫側の主張がほぼ全面的に受け入れられた事例ですが、貢献度をどの程度と考えるべきかは収入の多寡や職種、妻の関与の程度などから個別具体的に検討しなければなりませんので、まずは一度ご相談ください。
まとめ
財産分与は夫婦で1:1に分けることが原則ですが、夫婦の合意によって財産分与なしにしたり、割合を変更したりすることができます。 配偶者が1:1の財産分与を望む場合に、財産分与なしにしたり、財産分与額を減額したりするためには、弁護士の専門的な知識が必要です。まずは弁護士に相談して、財産分与をなしにしたり減額したりできる可能性がどの程度あるのか、アドバイスをもらうことをおすすめします。
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財産分与で家を分ける場合の方法について、住宅ローンがある場合も含めて、こちらの記事で詳しく解説しています。