離婚した場合の親権について父親と母親の立場別に解説!親権がいらない場合や専業主婦、子供の意思は影響するのは何歳から?

離婚するとき、子供の親権はどちらがもつのかーー。未成年の子をもつ夫婦が離婚する際、親権者が誰になるのかは、離婚に関する様々な条件の中でとくに重要なポイントです。そもそも親権はどのように決めるのか、父親に親権が認められるのはどんなケースなのか、子供の意思は影響するのか、専業主婦は不利なのか、など様々ん問題について詳しく解説します。

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目次

  1. 離婚したとき親権はどのように決まる?
    1. そもそも親権とは?
    2. 親権者はどのように決まる?
    3. 親権者を決めるときに重視されるポイント
  2. 父親が親権をとれるのはどんな場合?
    1. 子供の意思は尊重される?
  3. 母親が専業主婦でも親権をとれる?
  4. 親権が不要な場合は?
  5. まとめ
  6. 次はこの記事をチェックしましょう

離婚したとき親権はどのように決まる?

そもそも親権とは?

親権とは、未成年の子供を監護・教育する権利です。 権利という名がついていますが、「子供の利益を守る」ために行使される権利であるので、義務の側面があります。親権はあくまで「子供の利益になるのかどうか」という観点から行使される権利なのです。 結婚している間は父母の双方が親権をもちますが、離婚する場合には、父母のどちらかを親権者として決める必要があります(単独親権)。 親権は、「身上監護権(しんじょうかんごけん)」と「財産管理権」という2つの権利から成り立っています。 身上監護権とは、子供の養育や身の回りの世話をしたり、社会人としての社会性を身につけさせるためにしつけ・教育をしたりする権利です。 財産管理権とは、子供のお金を管理したり、子供に代わって法的な手続を行ったりする権利です。

親権者はどのように決まる?

協議離婚の場合には、夫婦の話し合いで親権者を決めます。離婚届には親権者を記載する欄があり、記入がないと受理されません。 話し合いがまとまらない場合には、家庭裁判所に調停を申し立てます。調停でもまとまらなければ審判、裁判で決めることになります。 離婚調停とともに、親権者を決める調停を申し立てることもできますし、親権者を決める調停だけを申し立てることもできます。 調停での話し合いでも決まらないときは、審判や裁判で、裁判所に親権者としてふさわしい人を決めてもらうことになります。裁判離婚の場合は、裁判所が離婚を認める時に同時に親権も指定します。

親権者を決めるときに重視されるポイント

夫婦の話し合いで親権者をどちらにするか決まらない場合、調停や裁判で決めることになります。 一般的に、調停や裁判では、主に次のような事情を重視して、父母どちらを親権者にすべきか判断されることになります。離婚の有責性(不倫など)については、あまり考慮されません。

  • 親側の事情: 監護能力、精神的・経済的家庭環境、居住・教育環境、子に対する愛情の度合、従来の監護状況、実家の資産、親族の援助の可能性など

  • 子側の事情: 年齢、性別、兄弟姉妹関係、心身の発育状況、従来の環境への適応状況、環境の変化への適応性、子の意向、父母及び親族との結び付きなど

これまでの監護状況

親権者を決めるときには、子供のこれまでの生活環境が変わらないかどうかが重視されます(継続性の原則)。 親権を決める時点で同居している親や、これまで主に育児を担当してきた親の方が、親権者となる可能性が高いといえるでしょう。 親権者には、必ずしも母親が選ばれるとは限りません。父親が子供と一緒に暮らし、子育てに母親より深く関わっているといった場合は、父親が親権者とされることもあります。

子供の年齢、意向

子供がまだ幼く、自分で身の回りのことを十分にできない場合、親権者を決めるときには、育児により多く関わってきた親はどちらか、ということも重視されます。 「食事を作って食べさせていたのはどちらか」「保育園の送り迎えを担当していたのはどちらか」などの具体的な事実が、親権者を決めるときの判断材料となります。 子供の年齢がある程度高く、物事を判断したり、自分の意思を伝えたりすることができる場合は、子供の意思を尊重して親権者を決定します。 子供が15歳以上の場合は、法律(家事事件手続法・人事訴訟法)上、親権者を決める審判や裁判では子供の意向を聞き、これを考慮しなければなりません。 ただし、必ずしも子供の希望通りに親権者が決まるとは限りません。

父親が親権をとれるのはどんな場合?

離婚の際に子供の親権をめぐって紛争になった場合、日本では母親が親権者となるケースが少なくありません。 父親が親権を取れるのは、どのようなケースなのでしょうか。調停や裁判ではどのようなことが重視されるのでしょうか。

父親 親権 確実に取れる

相談者の疑問 父親が確実に親権を取れるのはどのような場合ですか?5歳の子供が1人います。

林 高弘の写真 弁護士の回答林 高弘弁護士 確実に父が親権を取れると断言することは難しいです。

可能性が高まることとしては、既に、別居中で、父が子を育てており、近くに子育てを支援してくれる両親がいること、別居期間がある程度あり、その間、父が何の問題もなく子育てをしていることなどが考えられます。

また、過去に母が子を虐待していたことなどがあると、母を親権者とすることは不適当だと判断され、父が親権者になる可能性は高いと思います。

父親が自分のもとで子供を育ててきた実績や、母親の虐待といった事情があるような場合、父親が親権をとれる可能性があるようです。

子供の意思は尊重される?

子供自身が父親との生活を望んでいる場合もあるでしょう。 調停や裁判で親権者を決める場合に、子供の意思はどの程度重視されるのでしょうか。

親権争い、高校生長女は私と住みたい気持ちがあります。

相談者の質問 妻の浮気で離婚します。親権で裁判中です。高校2年(17歳)と小学6年(12歳)の女の子がいる父親です。長女は私と暮らしたいと思っているようです。

母親の方が親権者として有利な場合が多いようですが、長女が私と暮らしたいという意思をはっきり示せば、父親でも親権者になれますか?これまで、家事や育児はしっかり分担してきました。

ただ、二女はまだ小学生なので、どちらと一緒に暮らすか決められないかもしれません。このような場合、親権者はどうなるのでしょうか?

中井 陽一の写真 弁護士の回答中井 陽一弁護士 長女さんは17歳とのことですので、家庭裁判所で親権争いとなった場合、長女さんの意思というのはかなり重要な要素の一つとなります。

長女さんが、家庭裁判所調査官からの事情聴取に対しても、はっきりと自分の意思で父親といたいと述べれば、父親が親権者になる可能性は高くなると思います。

二女さんについては、個別具体的な事情によりますし、何とも言えませんが、まだ小学生であることからすれば、母親側になってしまう可能性はあります。ただ、裁判官によっても判断は異なるところだと思います。

親権者を決めるにあたって、今現在どちらが育てているかという現状は重要です。

仮に、現在は双方が育てているけれども、今後裁判係争中に、何らかの事情で母親と子どもらだけが一緒に生活するような状態となった場合には、その生活状況に問題がなければ、裁判所は現状維持=母親を親権者とする可能性があります。

また、「きょうだい不分離の原則」と言って、絶対ではないものの、できる限りきょうだいは一緒に生活すべきという原則があります。たとえば、二女さんが母親との生活を望んだ場合、裁判所がきょうだい不分離の原則を重視して、長女さんの親権者も母親にする、という可能性はゼロではありません。

子供の年齢がある程度高く、裁判所の聴取などに対して、父親と暮らしたいという意思をはっきり示している場合は、その意思が尊重される傾向があるようです。

母親が専業主婦でも親権をとれる?

母親が専業主婦やパート勤務で、収入がない・少ないことは、親権者を決める上でどのくらい影響するのでしょうか。

子供の親権について。専業主婦が親権者になれますか。

相談者の疑問 夫と離婚を考えているのですが、親権者になれるかどうかが不安で踏み切れません。

私は現在パートをしていますが、収入はそんなに高くありません。パートをしながら子供を育ててきましたが、収入は旦那の方が高く、子供にとっては良い父親なので、私が親権者になれるか不安です。

現在は旦那とは別居しており、2人の子供は私と一緒にいます。旦那が休みの日は旦那のところに泊まりに行かせたりしています。子供はまだ小学校低学年です。

このような状況で私が親権をとることは難しいでしょうか?

吉田 大輔の写真 弁護士の回答吉田 大輔弁護士 どちらの親を親権者とするかという点で争いになった場合、家庭裁判所は、別居前の養育監護の状況や別居後の養育監護の状況など、様々な事情を総合的に考慮して、どちらの親を親権者とするか判断します。

ご記載の事情からすると、別居前は主に貴殿が子どもたちの養育監護を担っておられたようですし、別居後も貴殿が養育監護を担っておられますので、現在の養育監護の状況に特段の問題がなければ、貴殿が親権者と指定される可能性は十分にあるかと思います。

なお、収入が十分にあるかどうかは親権者の指定にあたっては、大きな問題にはなりません。収入が不十分であれば、養育費等でまかなえばいいからです。

また、父親と面会交流をさせている点も、親権者の指定にあたっては、プラスに働くといえるでしょう(貴殿が親権者となった場合でも、父親ときちんと面会交流をさせることが見込まれるからです)。

母親に収入がない・少ない場合でも、それまで育児を担ってきた実績などが考慮されれば、親権を取れる可能性があるようです。

親権が不要な場合は?

悲しいことですが、父親も母親も親権を放棄するケースがあるようです。そうした場合、親権者はどうなるのでしょうか。

両親ともに親権を放棄したらどうなりますか

相談者の疑問 不倫をしている夫から離婚を迫られています。

私は離婚になるなら、子供は夫側に引き渡すつもりですが、夫も仕事を理由に子供は引き取れないといいます。

今後、調停や裁判になったとき、親権の件で、夫は私が子供を育てるべきだと主張してくると思うのですが、私が拒否したらどうなりますか?

川崎 政宏の写真 弁護士の回答川崎 政宏弁護士 離婚にあたっては、両親のいずれかを親権者に指定する必要はありますから、離婚訴訟の中で裁判官が判決で指定します。

ただ実際はどちらも監護養育を放棄しているわけですから、子の福祉の観点から家庭裁判所と児童相談所が連携して、児童養護施設等への措置を検討することになります。

両親とも親権は不要という意思を示している場合、裁判所によって、児童養護施設などへの入所が検討されるようです。

まとめ

自分も配偶者も親権をとることを希望している場合、話合いが難航し、なかなか親権者が決まらないこともあるでしょう。 夫婦間で話し合っても折り合いがつかない場合、弁護士などの第三者を間に入れて、専門的なアドバイスを受けながら話合いを進めることで、解決の糸口が見つかる可能性があります。 また、子供の親権をめぐって調停や裁判へと発展した場合、申立ての手続きや書類の収集・作成などを弁護士が代行してくれるので、手間が省けます。調停などでの対応方法についてアドバイスを受けられることもメリットの1つです。

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