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協議離婚

2018年10月01日

離婚協議書を作成するときにおさえるべきポイントと公正証書にするメリット

夫婦間で離婚することに合意できたら、養育費の支払いや親権をどちらがもつかなど、話し合いで決めた離婚の条件を書面の形で残しておきましょう。

  • 離婚協議書の作成方法
  • 協議内容を公正証書にする手順と流れ

後になって約束が守られなかったときなどは、書面の形にしておくことで、適切に対処することができます。

目次

  1. 離婚の条件は離婚協議書の形で書面にしておく
  2. 離婚協議書は「公正証書」にしておく
  3. 離婚協議書を公正証書にするための手順と流れ
  4. 公正証書ができたら離婚届を提出しよう

離婚の条件は離婚協議書の形で書面にしておく

子どもの親権者や養育費の支払いや財産分与など、離婚の条件を話し合って決めた場合は、書面の形でまとめておくことが大切です(離婚協議書)。 協議離婚では、夫婦の話し合いで合意すれば離婚できますが、後になって約束が守られなかったときなどに、書面の形にしておくことで、適切に対処することができます。 離婚協議書に決められた書式はありません。用紙のサイズも自由ですし、箇条書きでもかまいません。 離婚協議書には、たとえば以下のようなことを記載します。これ以外にも夫婦で取り決めた内容があれば細かいことでも記載しておきましょう。

  • 離婚に合意した日および夫婦のどちらが離婚届を提出するか
  • 親権者および監護権者の指定(未成年の子がいる場合)
  • 養育費の取決め
  • 面会交流の取決め
  • 慰謝料の取決め
  • 財産分与の取決め
  • 年金分割に合意した場合の取決め
  • 清算条項
  • 通知義務(住所、連絡先、勤務先などが変わったときはすぐに連絡すること)
  • 公正証書作成への協力(執行認諾文言を入れる合意を記載する)

離婚協議書は同じものを2通作成し、最後に夫婦2人の自筆署名と押印をして、それぞれ1通ずつ保管しておくことが一般的です。離婚協議書の最後に以下のように記載します。

上記の通り合意したので、本書2通を作成し、甲と乙は各自署名押印のうえ、1通ずつ所有する。

◯◯年◯月◯日
(甲)住所 氏名 印
(乙)住所 氏名 印

離婚後、妻が旧姓に戻る場合であっても、婚姻中に離婚協議書を作成する場合には、婚姻中の姓で記載し、署名押印します。 離婚協議書が2枚以上になる場合は、各ページの間に契印(割印)をします。

離婚協議書は「公正証書」にしておく

離婚して時間がたつと、離婚で決めた条件を、相手が守らなくなることがあります。 特に、養育費や財産分与などを分割払いにした場合には、途中で支払ってくれなくなり、トラブルになるケースが少なくありません。 平成28年度に、厚生労働省が、離婚して母子家庭になった1817世帯を調査したところ、現実に養育費の支払いを受けているのは442世帯(24.3%)にとどまっていました。 離婚協議書を作成しただけでは、相手が取決めを守らない場合に、給与を差し押さえるなど、強制的に取決めを守らせることができません。裁判を起こして判決を得る必要があります。 こうした手間をかけないために、離婚協議書の内容を「強制執行認諾文言(きょうせいしっこうにんだくもんごん)」付きの公正証書の形にしておくことをおすすめします。 「公正証書」とは、取決めた合意の内容を、公証人が書面化した公的な文書です。公証人は、裁判官や検事の経験者など法律の専門家がなります。 公正証書は、書かれた内容が法的に有効であることを公的に証明してくれる文書といえます。証拠としての信用性が高いです。 公正証書を作成するときに、「強制執行認諾文言」を入れておくと、裁判所の判決がなくても、給与の差押えなどの強制執行をすることができます。 強制執行認諾文言とは、「この書面に書かれた取決め内容を守らなかったら、強制執行を受けても文句は言いません」と約束する一文です。 具体的には、「甲は、本証書記載の金銭債務を履行しないときは、直ちに強制執行に服する旨を陳述した。」というような一文を入れておきます。

公正証書を作成するために準備をしっかりとしておこう

公正証書は、公証人が、夫婦が合意した離婚条件に法的な問題がないかどうか確認して作成します。 公証人が離婚の条件を決めてくれるわけではないので、事前にしっかりと離婚協議書を作っておいて、それを持っていきましょう。 不安がある場合には、離婚協議書を作成する際に弁護士などの専門家にチェックしてもらいましょう。

離婚協議書を公正証書にするための手順と流れ

ステップ1 公証役場に公正証書の作成を依頼する

いきなり公証役場に訪ねても、公正証書を当日作成することはできません。 まず、離婚協議書や本人確認書類などの必要書類を準備して、最寄りの公証役場に行き、公証人に「強制執行認諾文言付き離婚公正証書」の作成を依頼します。 公証役場に行けない場合は、メールやFAXで必要書類を送って依頼することも可能です。 公正証書の作成を依頼すると、公証人が離婚協議書の内容に法的な問題がないかどうかチェックします。

ステップ2 公証人が公正証書の原案を作成する

離婚協議書の内容に問題がなければ、書かれている離婚条件の内容に基づいて、公証人が公正証書の原案を作成します。

ステップ3 公証役場から公正証書の原案が送られてくる

公証人が公正証書の原案を作成したら、公証役場からその原案がメールまたはFAXで送られてきます。

ステップ4 公正証書の原案の内容を確認する

原案の内容に問題がないか確認しましょう。原案は転送するなどして、相手方にも確認してもらいましょう。 相手方が弁護士に依頼している場合は、その弁護士に送付します。 このようにして、原案の内容で公正証書を作成することを夫婦の間で確認します。

ステップ5 公正証書作成の日時を決める

公正証書の原案を確認したら、公正証書を作成するための日時を調整します。 公正証書の作成には、原則として夫婦ふたりが立ち会うことが求められているので、夫婦ふたりが公証役場に行くことができる日時を調整しましょう。 相手に会いたくない場合には、弁護士などの代理人に依頼することもできます。 公証役場が空いているのは平日の9時から17時までです。公証役場に電話やメールで連絡して予約を入れましょう。 候補日がひとつだけけどその時間で予約がとれないことがあるので、複数候補日を用意しておくことをおすすめします。 このタイミングで、公正証書の作成にかかる費用がいくらになるか、公証役場が計算して教えてくれます。

ステップ6 公証役場で公正証書を作成する

予約した日に公証役場に行くと、公正証書の本文ができています。2人で内容の読み合わせをして、内容に問題がないか最終確認をします。 最後に夫婦双方が署名押印(代理人の場合は代理人の署名押印)すると、公正証書が完成します。 公正証書は、原本と正本、謄本の合計3通が作成されます。原本は公証役場が保管します。正本は養育費などお金を受け取る側が、謄本は支払う側が保管します。

ステップ7 離婚公正証書作成の手数料を支払う

公正証書を作成するには手数料がかかります。手数料には、税金はかかりません。 公正証書の手数料は、原則として、公正証書の正本・謄本と引き換えに現金で支払います。

手数料を支払うだけの経済力がないことが市区町村長などの証明書により明らかな場合は、手数料の全部または一部の支払いを猶予してもらうことができます。

基本手数料

基本手数料は、受け取る慰謝料や財産の額によって変わってきます。 預金や慰謝料など金額な場合は、その金額が目安になります。不動産などの場合は、その価値を金銭に計算し直す必要があります。 受け取る金銭の合計額に応じた手数料が法令で定められています。財産の費目ごとに、財産の価値(「目的の価額」といいます)の計算の仕方が決まっています。

慰謝料 支払い総額
財産分与 支払い総額
養育費 支払い総額(ただし、支払い期間が10年を超える場合には、10年分が上限)
年金分割 一律500万円

目的の価額の合計額と比例して、手数料も高くなっていきます。次のように定められています。

目的の価額 手数料
100万円まで 5000円
200万円まで 7000円
500万円まで 1万1000円
1000万円まで 1万7000円
3000万円まで 2万3000円
5000万円まで 2万9000円
1億円まで 4万3000円

1億円を超えるときは、5,000万円ごとに手数料が加算されます。3億円までは13,000円ずつ、10億円までは11,000円ずつ、10億円を超えると8,000円ずつ加算されます。 この金額が基本手数料で、これ以外に書類作成のために、次のような費用がかかります。

正本・謄本の作成にかかる費用

正本・謄本の作成にかかる費用は、1通の1ページあたり250円かかります。つまり、6ページで1通の正本と謄本を作成する費用は、250円×6ページ×2通=3000円となります。

原本の作成にかかる費用

公正証書の原本は公証役場に保存されます。原本1通の作成にかかる費用は、A4横書きの場合、4ページまで無料です。つまり、6ページで1通の原本作成するときに必要な費用は、250円×(6 ー 4ページ)=500円です。

必要書類について

公正証書を作成するためには、本人確認書類などの書類が必要になります。必要書類は、公正証書作成日に「誰が公証役場に行くのか」によって異なります。

本人が公証役場に行く場合

本人が公証役場に行く場合は、印鑑以外の書類を事前に公証役場に持参するか、メールやFAXで送付しておきます。 ①離婚協議書 ②本人確認書類(どちらか1つでよい) 印鑑登録証明書(発行後3か月以内のもの)および実印 顔写真のある公的機関発行の身分証明書(パスポート、運転免許証、マイナンバーカード)および認印 ③婚姻関係・親子関係を確認するための戸籍謄本または住民票 ④財産分与する財産に不動産が含まれている場合は、その不動産の登記簿謄本、固定資産評価証明書もしくは納税通知書 ⑤年金分割の合意をした場合は、年金分割情報通知書・基礎年金番号のわかる年金手帳 その他、取決めの内容によって以下のような書類が必要になります。 住宅ローンに関する取決めをする場合:住宅ローンの契約書、返済計画書 自動車を財産分与する場合:自動車車検証、査定資料 学資保険や生命保険に関する取決めをする場合:保険契約書、保険証券

代理人に公証役場に行ってもらう場合

代理人が公証役場に行く場合には、印鑑と委任状以外の書類を事前に公証役場に持参するか、メールまたはFAXで送付しておきます。本人が行く場合に加えて、以下の書類が必要になります。 ①委任状(本人の実印を押したもの) 委任状に決まった書式はありませんが、委任する内容が明確に記載しましょう。 公正証書にする内容(公正証書原案や離婚協議書の写しなど)を委任状に記載します。 または、公正証書にする内容を記載した書面(公証役場から送付された公正証書原案あるいは離婚協議書の写し)の1番上に委任状を合わせてとじるという方法もあります。 この場合は、本人が各ページの間に実印で契印(割印)を押します。文書の内容の改ざんや差替えを防ぐためです。具体的な方法はこちらを参照してください。 ②本人の印鑑登録証明書(発行後3か月以内のもの) ③代理人の本人確認資料(どちらか1つ) 代理人の印鑑登録証明書(発行後3か月以内のもの)および実印 代理人の顔写真のある公的機関発行の身分証明書(パスポート、運転免許証、マイナンバーカード)および認印 代理人が公証役場に行く場合は、代理人が自分の名で、自筆署名と押印をします。

公正証書ができたら離婚届を提出しよう

協議離婚の場合は、離婚届を役所に提出することで離婚が成立します。離婚協議書を公正証書にしたら、役所に離婚届を提出し、離婚を成立させましょう。 離婚届の書き方と提出方法については、以下の記事で詳しく解説しています。

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