不倫・浮気の慰謝料相場はいくら?ケース別の目安と請求手順・注意点

配偶者の不倫・浮気が発覚し、「裏切られた分、きちんと慰謝料を請求したい」「できるだけ高い金額を受け取りたい」と考えている方もいるでしょう。

この記事では、不倫慰謝料の相場をケース別に紹介し、増額される条件や必要な証拠、請求の流れ、注意点までわかりやすく解説します。

目次

  1. 不倫・浮気の慰謝料相場はいくら?ケース別の目安
  2. 不倫・浮気の慰謝料が高くなる(増額される)6つの条件
  3. 不倫相手に慰謝料を請求するための有効な証拠
  4. 不倫・浮気の慰謝料を請求する手順・流れ
  5. 自力での交渉の注意点と将来のトラブルを防ぐポイント
  6. 不倫・浮気慰謝料の請求を弁護士に依頼する費用と注意点
  7. 不倫・浮気の慰謝料請求に関するよくある質問

不倫・浮気の慰謝料相場はいくら?ケース別の目安

不倫・浮気の慰謝料相場を示した図 慰謝料の目安は、離婚に至ったかどうかで金額帯が変わります。まずはご自身のケースがどちらかを確認しましょう。 おおまかな相場の目安は次のとおりです。

離婚の有無 慰謝料の目安(総額)
離婚する場合 100万〜300万円程度
離婚せず夫婦関係を続ける場合 数十万〜100万円程度

※この金額は、配偶者と不倫相手の二人を合わせた総額です。「二人が連帯して支払う合計額」となるため、二人それぞれから満額(例:300万円ずつ)を受け取れるわけではありません。 ※金額はあくまで目安です。婚姻期間や不貞の期間、子どもの有無などの事情によって判断は分かれるため、必ずこの額を受け取れるとは限りません。

また、示談や和解など相手方との合意で慰謝料額を決める場合は、相手方の資力の影響を受けるため、上記の目安とは大きく異なる金額で合意せざるを得ないこともあります。

離婚する場合の慰謝料相場|100万〜300万円程度

不倫が原因で離婚に至った場合は、100万〜300万円程度が一つの目安です。 金額が高めになるのは、不貞行為(配偶者以外の者との性的関係)によって夫婦関係が壊れ、離婚という結果に至ったことが、精神的な苦痛をより大きくしたと評価されやすいためです。 なお、配偶者に対しては離婚したこと自体への慰謝料もあわせて請求できますが、不倫相手に対して離婚自体の慰謝料を別に上乗せして請求することは、原則としてできないとされています。 ただし、相場の上限に近い額が認められるのは、婚姻期間が長い、不貞期間が長いなど、悪質性が高いと判断される事案が中心です。一律に「離婚する場合は必ず300万円」になるわけではありません。

どこからが慰謝料を請求できる浮気・不倫にあたるのか、行為ごとの境界線は以下で解説しています。

関連記事浮気・不倫の慰謝料はどこから請求できる?法律上の境界線と相場・証拠 →

離婚せず夫婦関係を継続する場合の相場|数十万〜100万円程度

離婚せずに夫婦関係を続ける場合、相場は数十万〜100万円程度になるのが一般的です。 離婚に至っていない分、離婚した場合と比べると精神的な損害が小さいと評価されるためです。また、もともと夫婦関係に問題があった(不仲であったなど)事案では、さらに低い水準になることもあります。 なお、内容証明などで実際に相手へ請求する額は、その後の減額交渉を見込んで相場より高めに設定することもあります。そのため、ご自身が慰謝料を請求する際も、必ずしもこの相場そのままの金額で提示しなければならないわけではありません。

夫の浮気を許して関係を続けるか迷っている場合の判断基準は、以下で解説しています。

関連記事夫の浮気を許すべき?関係を続ける判断基準と再構築の条件 →
みんなの法律相談に寄せられた相談

浮気慰謝料について

相談者の疑問 先日は、離婚せずに浮気相手に慰謝料請求する場合についてだったのですが、
離婚をする場合は、浮気相手と旦那からいくらぐらい取れるのでしょうか?>>> 質問の続きを見る

原田 和幸の写真 弁護士の回答原田 和幸弁護士 一概にはいえないのですが,離婚をする場合,双方合わせて,150万円~300万円位ではないでしょうか。>>> 回答の続きを見る

不倫・浮気の慰謝料が高くなる(増額される)6つの条件

不倫・浮気の慰謝料が高くなる条件を示した図 相場はあくまで目安であり、裁判などでは、婚姻期間の長さや不倫の悪質性など、複数の要素を総合して判断されます。 なお、もっとも金額を左右するのは、不倫が原因で離婚や別居に至ったかどうかです。あわせて、不倫が始まる前の夫婦関係が円満だったかどうかも、判断の出発点になります。 そのうえで、慰謝料が高くなりやすいのは、主に次の6つの条件に当てはまるケースです。

  • 婚姻期間が長い
  • 未成年の子どもがいる
  • 不倫の期間が長く、回数が多い
  • 同棲や複数人との交際など、不倫の状況が悪質である
  • 不倫相手が妊娠した
  • 配偶者が精神的な不調をきたした


当てはまる項目が多いほど金額は上がりやすくなりますが、一つ当てはまるだけで無条件に跳ね上がるわけではありません。

婚姻期間が長い・子どもがいる

婚姻期間の長さは、金額を左右する代表的な要素です。原則として、婚姻期間が長いほど夫婦関係が壊れたことで受ける影響が大きいと判断されやすく、慰謝料が高めになる傾向があります。逆に婚姻期間が短ければ、金額は下がりやすくなります。 また、未成年の子どもの存在も考慮されます。家庭が壊れることで子どもが受ける影響や、生活への影響が大きいと評価されやすいためです。

不倫の期間が長い・悪質性が高い

不倫がどれくらいの期間続き、何度繰り返されたかも重要な判断材料です。 行為の悪質さも影響します。たとえば、相手の家で半ば同棲していたり、複数の相手と同時に関係を持っていたりする事情は、増額の要素になりやすいといえます。 ただし、増額を主張すれば必ず認められるわけではありません。あくまで総合的な判断のひとつとして考慮されます。

不倫相手が妊娠した・精神的な苦痛が大きい

不倫の事実自体が精神的なストレスの大きいものですが、なかでも不倫相手が妊娠したケースなどは、夫婦関係への打撃が著しく大きい事情として考慮され、増額の要素になりやすいといえます。 さらに、配偶者(不倫をされた側)が受けた精神的な苦痛の大きさも重要な判断材料です。 たとえば、ショックで精神的な不調をきたし、精神科や心療内科への通院に至ったような場合などが該当するため、通院の記録や診断書は、苦痛の大きさを示す客観的な資料として、しっかり保管しておきましょう。

みんなの法律相談に寄せられた相談

不倫相手に請求する慰謝料の妥当な金額はどのくらいですか?

相談者の疑問 夫が不倫していることがわかりました
相手は職場の同僚
不貞期間は2024.9〜2025.8
前半はラブホテル泊や車中泊
>>> 質問の続きを見る

高橋 亮の写真 弁護士の回答高橋 亮弁護士 妥当な金額については、婚姻歴等や不貞の長さ、行為態様等を考えれば150万から200万程度かと思いますが、>>> 回答の続きを見る

不倫相手に慰謝料を請求するための有効な証拠

不倫相手に慰謝料を請求するための有効な証拠を示した図 慰謝料を請求するには、原則として法律上の「不貞行為(肉体関係)」があったと客観的に推認できる証拠が必要です。単に親密なだけのやりとりでは、請求が認められにくくなります。

認められやすい証拠の例

  • ラブホテルへ出入りする写真・動画
  • 性的な関係が明確にわかるLINE・メール
  • 本人が肉体関係を認めた書面など

補強になる証拠の例

  • 宿泊を伴う旅行の記録
  • ホテル利用がわかる領収書など

補強になる証拠は、それらを複数を組み合わせることで不貞行為が推認されることがあります。

どのような記録が有力な証拠と評価されやすいかは、以下の一覧で確認できます。

関連記事不倫・浮気の証拠になるもの一覧!慰謝料請求で有効な具体例と集め方 →

【注意点】証拠確保の前に問い詰めない

証拠が不十分な段階で相手を問い詰めると、警戒してやりとりなどを削除されてしまい、その後の立証が難しくなるおそれがあります。 また、配偶者のスマホを勝手に見る行為(パスワードの無断入力など)は、不正アクセス禁止法やプライバシー侵害などの法的リスクがあるため注意が必要です。

不倫・浮気の慰謝料を請求する手順・流れ

不倫・浮気の慰謝料を請求する手順を示した図 慰謝料の請求は、いきなり裁判から始まるわけではありません。証拠を集めて相手を特定し、書面で請求して話し合いで折り合いをつけるという順に進むのが一般的です。 全体像としては、以下のような流れになります。

1.証拠を集めて請求相手を特定する

請求には相手の氏名や住所の特定が必要です。電話番号しかわからないケースでも、弁護士に依頼すれば「弁護士会照会」という制度を利用して開示を受けられる可能性があります。

スマホの確認やGPSの利用など、自分で調べるときに避けたい行動は以下で解説しています。

関連記事浮気を自分で調べる方法とは?避けたい違法行動と自力調査の限界 →

2.内容証明郵便で慰謝料を請求する

不貞の事実や請求額、支払期限などを記載した内容証明郵便を送ります。いつ・誰が・どんな文書を送ったかが公的に証明されるため、請求の事実を確実な記録として残せます。

内容証明郵便には時効の完成を一時的に止める効果もあります。時効の数え方は以下で解説しています。

関連記事不倫慰謝料の時効はいつから?3年・20年の起算点と止める方法 →

3.直接または弁護士を介して示談交渉を行う

書面が届いたら、金額や支払方法をめぐる話し合いに移ります。合意できた内容は、後でトラブルにならないよう必ず示談書などの書面に残します。

4.示談が成立しない場合は調停・裁判へ

話し合いがまとまらない場合や、不貞の事実について折り合いがつかない場合は、調停や訴訟(裁判)などの法的な手続きへ移行します。

自力での交渉の注意点と将来のトラブルを防ぐポイント

不倫相手への慰謝料請求や示談交渉は、弁護士に依頼せずご自身(自力)で進めることも可能です。しかし、法律の専門知識がないまま当事者同士で話し合いを進めると、金額で合意できたとしても、後になってから思わぬトラブルに発展することがあります。 ご自身で交渉を進める際に注意すべきポイントやケースと、将来のトラブルを防ぐための対応策は次のとおりです。

合意内容を「口約束」だけで終わらせる

口約束だけでは、後になって「そんな約束はしていない」と逃げられたり、支払いが途絶えたりするおそれがあります。

対応のポイント

合意内容は必ず「示談書」などの書面に残しましょう。分割払いの場合は、未払い時に相手の給与や財産を差し押さえられる「強制執行認諾文言付き公正証書」にしておくと安心です。

合意内容を書面に残す際の示談書・誓約書の書き方は、以下で解説しています。

関連記事不倫誓約書の効力と書き方|浮気防止に使えるテンプレート・無効になるNG例 →

不倫相手も既婚者の「ダブル不倫」の場合

ダブル不倫の場合、不倫相手の配偶者からご自身の配偶者へ、逆に慰謝料を請求される可能性もあります。 そのため、それぞれの家計全体で見ると、結局お金が行ったり来たりするだけであり、手元にお金が残らないことも少なくありません。それどころか、弁護士費用などがかかった分、マイナスになってしまうこともあります。

対応のポイント

相手の家庭の状況も確認したうえで、互いに請求しない(相殺する)ことや、「求償権の放棄」を事前に検討するなど、慎重に請求の方針を判断します。

「求償権(きゅうしょうけん)」とは、慰謝料を支払った側が、責任の割合に応じてもう一方(共同で不倫をした配偶者など)に負担額の一部を求めることをいいます。

不倫相手と配偶者の二人から、それぞれ満額を受け取ろうとする

慰謝料には「二人で連帯して支払う総額」の限度があるため、配偶者と不倫相手の双方から相場の満額を二重に受け取ることはできません。

対応のポイント

まずはご自身のケースにおける慰謝料「総額」の目安を把握し、どちらに・いくら請求するかという順番や金額の振り分けを先に設計しておきましょう。

配偶者と不倫相手の負担割合や、支払った側が求める「求償権」の仕組みは以下で解説しています。

関連記事不倫慰謝料の求償権とは?負担割合や放棄のメリット・注意点 →
みんなの法律相談に寄せられた相談

不倫相手から…

相談者の疑問 夫の不倫相手へ慰謝料請求しました。相手に払う意志もあるようです。
夫婦間の話し合いで、離婚せずに修復へ向けてというふうになりました。>>> 質問の続きを見る

森田 英樹の写真 弁護士の回答森田 英樹弁護士 不倫相手から主人に対して「半分払いなさいよ」みたいに請求してきた場合、主人は払わなければいけないのでしょうか?

・・・あなたとの合意で夫への求償権を放棄することを条件としておけば求償されないでしょう。>>> 回答の続きを見る

不倫・浮気慰謝料の請求を弁護士に依頼する費用と注意点

不倫の慰謝料請求を弁護士に依頼した場合、相談料や実費(郵便代など)のほかに、大きく分けて依頼時に支払う「着手金」と、実際に慰謝料を回収できた際に支払う「報酬金(成功報酬)」がかかります。 特に着手金は成果(結果)にかかわらず発生するため、慰謝料を回収できる見込み額が少ないケースでは、経済的な利益よりも弁護士費用が上回ってしまう「費用倒れ」のリスクに注意が必要です。

【費用倒れを防ぐためのチェックポイント】

  • 相場や証拠の状況に照らして、実際に見込める金額はいくらか
  • 不倫相手に支払能力(資力や安定した収入)があるか
  • 自分の配偶者からすでに慰謝料を受け取っていないか(※)


※すでに配偶者から受け取っている場合は、その分、不倫相手から回収できる額が減ることになります。
依頼を検討する際は、事前に弁護士へ「回収見込みの金額」と「発生する費用」の試算を提示してもらい、手元にいくら残るかを確認しておくことが大切です。

費用の詳しい内訳や、どのようなケースで弁護士に依頼すべきかについては、以下の記事で詳しく解説しています。

関連記事不倫・浮気の悩みは誰に相談する?窓口の違いと無料相談の事前準備

離婚事件も含めた弁護士費用の相場や、費用が払えない時の対処法は以下で解説しています。

関連記事離婚の弁護士費用はいくら?相場と内訳・払えない時の対処法 →

不倫・浮気の慰謝料請求に関するよくある質問

∨ Q1. 慰謝料請求に時効はありますか?

原則として時効があります。不倫の事実と不倫相手が誰かを知った時から3年、または不倫行為があった時から20年が経過すると、時効により請求できなくなるのが原則です。

なお、配偶者に対する慰謝料請求は、離婚から6か月間は時効の完成が猶予されます。ただし、これは夫婦間にのみ適用され、不倫相手への請求には及びません。「離婚してから請求すればよい」と考えていると、不倫相手に対する時効期間を過ぎてしまう可能性があるため注意が必要です。

∨ Q2. 不倫慰謝料を受け取ると税金はかかりますか?

原則としてかかりません。慰謝料は精神的な苦痛に対する損害賠償であり、非課税とされる損害賠償金にあたるためです。

ただし、金額が社会通念上あまりに高額な場合や、金銭以外の財産で受け取る場合は、別の扱いになることがあります。判断に迷う場合は、税務署や税理士に確認してください。

∨ Q3. 不倫相手から「すでに夫婦関係は破綻していた」と反論されたらどうすべきですか?

裁判実務などにおいて、この反論が認められるハードルは高いとされています。破綻が認められるのは、長期間の別居など客観的な事実があるケースが多く、同居している状態の単なる不仲などでは認められにくい傾向があります。

とはいえ個別の事情によって判断が異なるため、自己判断せず、弁護士に見解を求めることをおすすめします。

∨ Q4. 相手の職場に不倫をバラしてもいいですか?

避けてください。職場や親族に不倫を伝える行為は、名誉毀損やプライバシー侵害にあたるとして、逆に相手から損害賠償を請求されるおそれがあります。

無用なトラブルを防ぐためにも、慰謝料請求という法的な手段に集中することをおすすめします。

∨ Q5. 相手が「お金がない」と支払いを拒否してきた場合はどうなりますか?

支払いを拒否されても、内容証明郵便での請求や調停、訴訟といった法的手続きをとる手段があります。判決などを得れば、相手の給与や預貯金を差し押さえる(強制執行)ことも可能です。

ただし、給与の差押えは相手の生活を保障するため、原則として手取り額の4分の1までに制限されています(預貯金は原則として全額が対象です)。また、差し押さえられる資産が全くない場合は、現実の回収が難しくなることもあります。

そのため、分割払いを認める代わりに総額を調整するなど、状況に応じた交渉も検討されます。相手のペースに巻き込まれないためにも、代理人を立てて交渉を任せることも選択肢の一つです。

この記事の監修者
栗田 圭司弁護士のプロフィール画像
F&J法律事務所
栗田 圭司 弁護士
(大阪弁護士会)
監修者のプロフィールを見る

この記事は、公開日時点(2026年10月01日)の情報や法律に基づいています。

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