婚姻費用

弁護士監修記事 2019年12月23日

【婚姻費用】離婚に向けて別居するとき配偶者に生活費を請求する方法と支払いを拒否されたときの対処法

離婚に向けて配偶者と別居したいけれど、収入が少なく、別居後の生活について不安に思う人もいるでしょう。 別居中の生活費は、配偶者に請求することができます。夫婦には結婚生活を送るうえで必要な費用(婚姻費用)を分担する義務があり、別居中もその義務は続くからです。 この記事では、婚姻費用の相場や、配偶者が支払いを拒否した場合の対処法について、詳しく解説します。

目次

  1. 婚姻費用とは
    1. 別居中でも生活費を支払ってもらえる
    2. 婚姻費用の計算方法と算定表の見方
    3. 合意した内容を公正証書にまとめる
  2. 話合いがまとまらないときは調停を利用しよう

婚姻費用とは

alt 婚姻費用とは、結婚生活を営む上で必要な費用のことです。夫婦には、それぞれが同じくらいの水準で生活を続けるために必要な費用を分担する法律上の義務があります。 この費用には、衣食住にかかるお金のほか、医療費、交際費、子どもがいる場合はその養育費なども含まれます。

別居中でも生活費を支払ってもらえる

一般的に、婚姻費用は、収入が多い配偶者(義務者)が収入の少ないもう一方の配偶者(権利者)に対して支払うという形で分担します。 別居中であっても、婚姻関係は続いています。そのため、自分に収入がない(少ない)場合や、配偶者より収入が多くても子どもを引き取って育てているなどの場合は、婚姻費用を支払ってもらえる可能性があります。

不貞行為(配偶者以外の人と自由な意思で性的関係を持つこと)など離婚原因を作った側からの婚姻費用請求は、認められない(あるいは減額される)可能性があります。

婚姻費用の計算方法と算定表の見方

婚姻費用の金額は、家庭裁判所が参考にしている算定表を目安にするとよいでしょう(2019年12月23日、改訂版が公表されました)。算定表はこの記事の末尾のリンクから確認できます。 算定表に書かれた金額を目安に、支払い金額や支払い方法について夫婦で話し合います。 子どもの人数と年齢によって、見るべき表が違うので、まずは自分のケースに当てはまる表を探しましょう。 表では、たて軸が婚姻費用を支払う側の年収、よこ軸が受け取る側の年収となっていて、その交差するゾーンに書かれた金額が1か月の婚姻費用の目安を表しています。 子どもの年齢、人数、お互いの年収、会社員か自営業かなどで額が変わります。 夫婦で話し合って合意すれば、算定表の目安以上の金額を設定することもできますし、逆に少ない金額を設定することもできます。

合意した内容を公正証書にまとめる

話合いがまとまったら、婚姻費用に関する内容を、公正証書の形で文書にしておきましょう。 公正証書とは、公証役場で 、元裁判官などの法律の専門家がなる公証人に作成してもらう文書です。公正証書には高い信用性があるため、のちに裁判などに発展した場合、強力な証拠になります。 また、「強制執行認諾文言」という文言を記載しておけば、婚姻費用が約束通りに支払われなくなった場合に、裁判などの手続きを経なくても、公正証書を根拠として強制執行により預金や給料を差し押さえることができます。 強制執行認諾文言とは、簡単に言えば、「ここに書かれた取り決めを破ったら、強制執行を受けても文句は言いません」と約束させる一文です。

話合いがまとまらないときは調停を利用しよう

alt 婚姻費用について夫婦間での話合いで決めることができない場合には、家庭裁判所に対して「婚姻費用分担請求調停」を申し立てることができます。 この調停は、話合いがまとまらない場合だけではなく、配偶者が話合いに応じない場合にも申し立てることができます。 離婚をするかどうかまだ決まっていない段階でも申し立てることができます。離婚調停を利用することが決まっていれば、同時に申し立てることもできます。 婚姻費用は「今日明日の生活費」の問題なので、「離婚よりも早く解決したい」と望むことが一般的でしょう。そのため、同時に申し立てた場合でも、婚姻費用の話合いが先行することが通常です。 婚姻費用分担請求調停を申し立てる方法や流れなどは、以下の記事で詳しく解説しています。

婚姻費用の支払い義務は、請求した時点から発生すると考えられています。調停を起こすならなるべく早い方がよいでしょう。

【婚姻費用の算定表】

次に読みたい記事 0 件 / あわせて読みたい関連記事 1

あわせて読みたい関連記事

別居するときの面会交流のルールの決め方

夫婦が別居すると、配偶者の一方は、子どもと離れて生活することになります。離れて生活する配偶者にも、子どもと会って一緒に過ごしたり、連絡を取り合った...

解決までの流れ

解決までの全記事

次に読みたい記事 0 件 / あわせて読みたい関連記事 1

あわせて読みたい関連記事

別居するときの面会交流のルールの決め方

夫婦が別居すると、配偶者の一方は、子どもと離れて生活することになります。離れて生活する配偶者にも、子どもと会って一緒に過ごしたり、連絡を取り合った...

解決までの流れ

解決までの全記事

離婚・男女問題の「トラブル体験談」

Aさん(30代女性)

DVを繰り返す夫から自由に - 2人の子どもの親権と養育費を勝ち取ったAさんの体験談

  • DV
  • 親権
  • 養育費
  • 面会交流

結婚11年目のAさんは、パートで働きながら8歳と10歳の子どもを育てる母親でした。会社勤めをしている夫は、家事や育児に協力しないだけでなく...

Bさん(20代女性)

性格の不一致から夫との生活が苦痛に - うつ病を患いながら離婚を成立させたBさんの体験談

  • 性格の不一致による離婚
  • うつ病
  • 新居の処分

結婚1年目のBさんは、夫と共働きの二人暮らし。当時仕事に追われていたBさんは、家庭内での夫の態度に違和感を覚えるようになっていました。B...

Cさん(40代女性)

育児・家事に無関心な夫と離婚 - 3人の子どもの親権・養育費を争ったCさんの体験談

  • 親権
  • 養育費
  • 財産分与
  • 年金分割

Cさんは、3人の子どもを育てる専業主婦でした。公務員の夫は、結婚当初から家庭内のことに無関心でした。「子どもが生まれたら変わるかな」と...

弁護士に見積り依頼をする

複数の弁護士にまとめて見積り依頼
費用対処方針比べて選ぶことができます。

  • 弁護士費用がいくらかかるか知りたい
  • 弁護士の選び方がわからない
  • 弁護士が何をしてくれるか知りたい
一括見積りをはじめる無料

依頼前に知っておきたい弁護士知識

離婚・男女問題を扱う弁護士を探す

婚姻費用に関する法律相談

  • 家庭内別居中の居住費について(住宅ローン有)

    夫と家庭内別居中です。子ども(14歳以下)が3人います。 夫の年収が1010万、わたしが扶養内パートで年収100万程度です。 完全別居していれば婚姻費用が24万程度だと思うのですが、 夫名義...

    1弁護士回答
  • 婚姻関係の破綻を認めてもらうには

    結婚生活の半分を別居で過ごしており 離婚に向け別居期間を伸ばして言っております が、相手方はお金のため意地でも離婚しないでいるつもりです。 ここで質問です 婚姻費用をはらわずにい...

    3弁護士回答
  • 言ってる内容とやっている事が違う弁護士

    現在、妻との離婚を進めてまして、昨年は妻に背負わされた借金を返済しつつも、別居中の妻に婚姻費用を毎月渡してましたが、離婚調停が長引いた事でこちらも資金が厳しくなり、事前に妻には...

    2弁護士回答
  • 家裁、調停の審判前の弁護士依頼について

    こんにちは、よろしくお願いします。 婚姻費用請求の調停を申し込み、来月には審判がでます。 相手方は行方不明なので来庁していません。 今は公示の段階だと思います。 審判が出る前に審...

    1弁護士回答
  • 連帯債務の住宅ローン 婚姻費用との兼ね合い

    夫の不貞で別居、連帯債務、持分1/2の住居に私と子どもで住んでいます。 当面別居する予定です。 婚姻費用分担調停中ですが、審判になると思われます。 住居ローンの支払いがどのように考慮...

    1弁護士回答
1 2 3 4 5 ... 30 ... 50

相談を絞り込む

婚姻費用の法律ガイド

関連カテゴリから解決方法を探す

弁護士に相談しようと思ったら…

弁護士に見積り依頼をする

複数の弁護士にまとめて見積り依頼

  • 最短3分で依頼完了
  • 依頼内容は非公開
  • 分野に詳しい弁護士から見積り依頼が届く
一括見積りをはじめる無料

依頼前に知っておきたい弁護士知識