養育費を減らしたいときの対処法
離婚をするときに養育費について取り決めたとしても、離婚後に事情が変わり「金額を減らしてほしい」と思っている人もいるでしょう。 一度決めた養育費の額は、後から変更することができ、養育費を受け取っている元配偶者に対して、減額を求めることができる場合があります。 この記事では、離婚後に養育費を減額してもらうための方法について詳しく解説します。
養育費の金額は変更することができる
養育費の額を離婚するときに決めていても、離婚後に事情が変わった場合、養育費を受け取っている元配偶者に対して、減額を求めることができる場合があります。
話合いで合意できたら公正証書にまとめる
減額について、養育費を受け取っている元配偶者と話し合い、合意できた場合は、減額分など新たに決まったことを公正証書の形で文書にしておきましょう。 公正証書とは、公証役場で 、裁判官などの法律の専門家から選ばれた公証人に作成してもらう文書です。公正証書には高い信用性があるため、将来、養育費について裁判で争うことになった場合に、強力な証拠になります。
話合いで合意できない場合は調停を利用する
話合いで合意できない場合には、家庭裁判所の「養育費請求調停」を利用して、解決を目指すことができます。 調停でも合意できなければ、調停は不成立となり、自動的に審判の手続きに移行します。審判では、裁判官が一切の事情を考慮して、減額を認めるかどうか、いくらの減額を認めるかの判断を下します。
調停の流れ
養育費請求調停の申立て先は、原則として養育費を受け取っている元配偶者の住所地を管轄(担当)する家庭裁判所です。管轄裁判所はこちらから確認できます。
たとえば、自分は東京に住んでいるけれど、元配偶者は福岡に住んでいるという場合は、原則として、福岡の家庭裁判所に申立てを行う必要があります。ただし、双方が東京で調停をすることに合意できれば、東京の家庭裁判所に申立てを行うこともできます。
調停の申立てには、以下のような書類が必要です。
- 申立書とそのコピー1通(裁判所のホームページからダウンロード可能)
- あなたの収入に関する資料のコピー(源泉徴収票、給与明細書、確定申告書、非課税証明書など)
- 未成年者の戸籍謄本(全部事項証明書)
これらの書類以外にも、ケースに応じて、別の書類が必要になる場合もあります。 また、申立ての費用として、収入印紙1200円分(子ども1人につき)と連絡用の郵便切手(申立てをする裁判所によって金額が異なります)が必要です。 調停では、弁護士や医師など豊富な経験や専門知識を持つ「調停委員」が当事者の間に入り、「どのような事情変更があったのか」「どのくらい減額するべきか」といったことを中心に話し合いながら、お互いが納得できる着地点を探っていきます。 調停での話合いがまとまらず不成立となった場合には、自動的に審判に移り、裁判官が一切の事情を考慮して判断を下します。
減額は「予想しなかった事情変更」があった場合に認められる
減額が認められるのは、「養育費の金額を決めたときには予想しなかった事情変更」があった場合です。
たとえば、次のようなケースです。
- あなたがリストラにあったり、会社が倒産したりして、収入が途絶えた
- あなたが再婚して扶養すべき子どもが増えた
- 元配偶者が、就職したことで収入が増えた
このほか、元配偶者が再婚して、再婚相手と子どもが養子縁組をした場合も、養育費の減額が認められる可能性があります。 養子縁組をすると、再婚相手と子どもとの間には法的な親子関係が成立し、第一次的には、養親となった再婚相手が子どもを養い育てる義務を負うと考えられるからです。 一方、再婚相手と子どもが養子縁組をしない場合は、依然として、あなたが第一次的に子どもを養い育てる義務を負うと考えられています。その場合、再婚を理由とした減額は認められないでしょう。 ただし、再婚相手の収入が、あなたの収入よりも多い場合には、そのことを理由に減額が認められる可能性があります。
この記事は、公開日時点(2026年02月18日)の情報や法律に基づいています。