不倫した夫から離婚裁判を提起された…専業主婦の妻はどう戦った?
- 関谷 恵美弁護士
- 依頼者のプロフィール:女性・50代
相談前離婚訴訟を提起されてしまった奥様からのご相談でした。依頼者様は、10年ほど別居していた夫から離婚訴訟を提起されました。夫は、不貞をして別居したのにそのことには触れず、妻が浪費をしていたり、家事をしっかりしなかったり、親戚づきあいに問題があったから婚姻関係が破綻したなどと言われている、財産は全くないという主張でした。
依頼者様は、離婚訴訟提起された時点においても、夫の名義の土地に夫の名義で建てた家で暮らし、夫からの婚姻費用で専業主婦をしていました(子どもたちは全員成人に達している)。依頼者様は、すぐに離婚になってしまって、生活費がもらえないと大変なので、どうすればいいのか困っているので、助けてほしいと相談に来られました。
相談後夫が不貞をしていた決定的証拠はありませんでしたが、不貞相手との二人の仲睦まじい写真を証拠に出し、夫が12年ほど前に不貞を認めたときのエピソード等を細かく主張し、夫側に不貞の事実を認めさせました。
また、夫側は、依頼者様である妻の浪費によりほとんど財産分与対象財産はないとの主張でしたが、いろいろな預金口座を見つけたり、退職金、財形貯蓄、3階建て部分の企業年金、積立型保険金などを探し出し、財産分与対象財産と主張しました。このような財産発掘作業の主張とその応酬が続き、2年ほど離婚訴訟を行い、その間、妻は婚姻費用をもらい続けることもできました。
夫側は、当初は、出せたとしても600万円の解決金(財産分与や慰謝料含めて)のみ、家は即刻出ていってほしいとの主張でした。裁判官からも、和解の席でも財産分与でもらえる金額も法律上は800万円ほどと言われました。
しかし、最終的には、1680万円の解決金と家に無償で済み続ける権利を離婚後も3年間与えるという条件で和解で離婚が成立しました。依頼者様は、離婚訴訟中の2年間で500万円ほどの婚姻費用ももらい続けることができ、その間に自立についてもじっくり考えることができ、とても助かったとのことでした。
関谷 恵美弁護士からのコメント裁判中、私は、こちらから突然依頼者を切り捨てるようなことはしないでほしい、依頼者様の生活保障を考えた形での離婚をさせてほしいと何度か相手方代理人にお話ししました。
しかし、当初は、相手方は、離婚後もしばらく家に住まわせてほしい、高額な解決金がほしいなど、全て全く飲めない条件ですと冷淡な対応でした。そのとき、私は、どれだけ時間と根気がかかったとしても、こちらの主張に沿った解決を図ろうと決意し、時間をかけていろいろな事実を掘り起こし、高額の解決金と家にしばらく住む権利がもらえなければ、どこまででも戦い続けるという姿勢を強く打ち出しました。
そうやって、2年もの間、何度も主張を繰り返し、和解が成立したので、終わった時は感無量でした。依頼者様が離婚後も安心して生活できるだけのお金と住む場所を確保できたのが何よりの喜びです。
妻「稼がない夫に存在価値ない」…別居後に離婚裁判を提起した夫の体験談
- 鈴木 祥平弁護士
- 依頼者のプロフィール:男性・40代
相談前依頼者Aさんは、妻のBさんと性格の不一致が原因で毎日のように喧嘩をするような状況でした。Aさんは、会社でリストラに会ってしまい、精神的に参ってしまっている状況の下、妻BさんはAさんに対して「あなたはお金稼いでこなかったら何の存在価値もないじゃない」などと暴言を吐かれました。
Aさんは、Bさんと夫婦関係を続けることはもはやできないと考え、Bさんと別居をすることにしました。別居している最中にAさんは別の仕事を見つけましたが、以前の会社の給料の7割くらいしかもらえませんでした。妻に対しては、離婚を要求しましたが、「離婚をするなら毎月の生活を保障するくらいのお金を支払ってくれなければ別れない。」と頑なに離婚を拒否し、気付いたときには別居をしてから2年もたっていました。
どうにかして、妻Bとの夫婦関係を解消したいということで当職のところに相談に来られました。
相談後当職としては、相手方と離婚をしたいのであれば、家庭裁判所を間にはさんでお互いに冷静に離婚に向けて協議を重ねた方がいいと考えて、離婚調停を申し立てることをアドバイスしました。おそらく、相手方としてはAさんと夫婦関係を続けている理由は、経済的理由があるからであろうと考えていたので、任意の交渉では容易に応じないだろうと考えたからです。
当職が代理人となって家庭裁判所に離婚調停の申し立てをしましたが、相手方は代理人を入れることもなく、「毎月の生活費相当額を支払ってくれるならば離婚をしてあげてもいい」と言う主張を捻じ曲げずに調停は6か月ほど継続しましたが、調停はまとまらずに不調に終わりました。AさんとBさんには法律上の離婚事由がなかったため、判決になった場合に、離婚判決が出る可能性は少なかったのですが、別居が2年6か月ほど続いていることから、このまま別居が続けば婚姻関係が破綻していると判断をされかねないくらいの期間でした。
そこで、当職としては、離婚訴訟を提起して、「裁判官を巻き込んだ形で離婚をするが条件について双方協議の上で整える」と言う方法で離婚に向けた話合いができるようにしようと考えました。
訴訟において、相手方は当初は離婚を拒否していましたが、「この訴訟で離婚請求を棄却したとしても別居状態は続く、そうして別居期間が稼がれてしまったら結局は婚姻関係破綻ということになり、次訴訟を起こされたら離婚判決が出るということになる。だったら、そんな面倒くさいことするよりは、この裁判で決着をつけたらどうか」と言う当職から裁判所を通じた説得もあり、離婚をすることについては最終的に双方の意見は一致しました。しかし、離婚の条件について、なかなか折り合いがつかず和解交渉だけで5か月ほどかかりましたが、最終的には財産分与に少し色を付けてあげることで和解離婚をすることができました。
鈴木 祥平弁護士からのコメント当事者の一方に明らかな婚姻破綻の原因(不貞行為やDVなど)がない場合には、話し合いで相手方が離婚することに納得してくれなければ、訴訟をしても、裁判所は離婚を認める判決を出してはくれません。当事者間の婚姻関係が破綻しているかについて、裁判所から見て明らかであるとは言えないからです。
「性格の不一致」という言葉がよくつかわれますが、夫婦は別々の人格なのですから「性格の不一致」があって当然なわけです。「性格の不一致」があるからと言って離婚を認めてくれるということにはならないわけです。夫婦というのは、お互いに同じではない性格を前提に、お互いに折り合いをつけて共同生活をするものなわけですから。
しかし、夫婦の別居期間がかなり長期化しているという事情がある場合には、婚姻関係が破綻していることを認定する大きな材料となるため、訴訟での離婚が認められやすくなります。ですから、仮に相手方が離婚に応じず、離婚原因に該当するような事情もない場合であったとしても、別居後の生活の見通しがつく場合には、速やかに別居を開始することをお勧めします。
「お父さん怖い」DV夫から子供を守るため離婚を決意し裁判を提起した妻の体験談
- 鈴木 祥平弁護士
- 依頼者のプロフィール:女性・40代
相談前相談者の方は、(Aさん40代女性)です。Aさんの夫Bは、普段は温厚な方なのですが、お酒が入ると、暴力をふるういわゆるDV夫でした。小学生の子供が2人(6歳、8歳)おられることから、子供のために離婚をすることは避けようと考えていましたが、子供も「お父さん怖い」という話をされるのを聞いて、別居をした上で、離婚の手続きを進めたいということで相談にお越しになられました。
離婚を進めるにしても、何をどのように進めていいのかわからず、途方に暮れていたという様子でした。
相談後DVを振るうような夫は、妻が弁護士に相談をしているなどということをしったら、激昂をして何をするのかわかりませんので、Aさんの身の安全を考慮しながら相談を進めることになりました。別居を開始するにしても、別居後、直接、家にでも夫Bが乗り込んでくるようなことがあれば、危険ですから、Bさんが知らないAさんの親戚の家にまずは身を隠すことにしました。別居するタイミングで当職から、受任通知を送って直接、Aさんに連絡をしないように手配をしました。すぐに、東京家庭裁判所に離婚調停を申し立てて、裁判所を通じた協議のチャンネルを作って、BさんがAさんに対して変な行動に出ることがないように戦略を立てて、話を進めました。
調停の中では、夫のBさんは、離婚に応じるつもりはないということを執拗に言い続けておりました。Aさんが家事をまともにしないとか、子供の教育がなっていないなど、Aさんを非難することを続けておりました。第3回目の調停期日には、Bさんも弁護士を立てて、離婚をしない旨争う姿勢を見せておりましたが、Bさんは、監護者の指定、子の引き渡し、面会交流の主張をしておりましたが、審判においては、いずれもAさんの主張が反映されるような結果を得ることができました。離婚に関しては、最後まで応じる姿勢を見せなかったことから、調停は不成立に終わり、離婚訴訟を東京家庭裁判所に提起することになりました。
離婚訴訟では、離婚事由の有無(DVの有無)、慰謝料請求、財産分与等が中心的な争点になりました。DVの有無については、Aさんがスマートフォンを用いて、DVの状況の音声や映像などを取っていたことから、それを証拠として裁判所に提出しました。Bさんとしては、離婚については、避けられないと思ったのか、訴訟の審理の中間地点においては、主要な争点は、離婚をするにしても財産分与等の離婚給付をどうするのかが争点になりました。夫Bさんは、当初、「離婚には応じるから、預貯金の1000万円を渡すからマンション(3500万円時価)については分与をしないという話をしておりましたが、最終的には、裁判所からの強い説得を受けて、財産分与として総額2500万円、慰謝料として200万円を支払うということで訴訟上の和解をすることができました。
鈴木 祥平弁護士からのコメント本件では、DV夫は執拗に離婚を回避する主張をし、また、妻であるAさんの妻としての姿勢を非難することを続けておりました。身体的な暴力だけではなくて精神的な攻撃を執拗にする夫であったことから、Aさんも大変な生活を送られていたのだと思います。調停においても、話し合いの余地がないと判断をして、調停は不成立にして裁判手続きで対応をすることにしました。
離婚調停と離婚訴訟と最終的に解決までには、2年ほどかかりましたが、ほぼすべてご依頼者様の希望に沿った結果となることができました。とても、良かったと思います。結婚は、夫婦と子供とが「幸せな生活」を送るための制度です。結婚生活を続けていくことが、あなたにとって「幸せ」とは感じられないのであれば、どこかを見直さなければならないはずです。
自分と子供の将来の生活を考えたときに経済的な基盤や生活の基盤が重要です。ですから、簡単に離婚を進めることは致しませんが、離婚があなたにとって最善の選択肢であると考えた場合には、是非弁護士に一度相談をしてみてください。
里帰り出産後に夫から離婚を突きつけられて…絶対に離婚したくない妻の離婚訴訟体験談
- 清水 理聖弁護士
- 依頼者のプロフィール:女性・20代
相談前Kさんは出産のため里帰りしており、そこから帰ってくると生まれたばかりの赤ちゃんがいるにもかかわらず、夫が家を出てどこかに行ってしまっていることが発覚。夫からは根も葉もない言い分が繰り返され、相手から離婚の調停が申し立てられました。Kさんは絶対に別れたくないと強い意志をもっており、調停は不調になりました。その後夫から離婚の訴訟が起こされました。
相談後第一審では離婚の請求が棄却されました。相手は控訴しましたが、控訴審でも離婚の請求が棄却されました。解決期間は約2年でした。
清水 理聖弁護士からのコメント本件はいわゆる法律上の離婚事由がなく、別居も開始したばかりであったため、現時点で離婚訴訟を棄却させること自体は可能な事案でした。
もっとも、明白な有責配偶者といえない本件では、今回離婚を棄却させたとしても、数年後に再度訴えを起こされれば離婚自体は実現できてしまいます。そのような事情もあるため、このようなケースでは裁判所も強く和解離婚を進めてきます。もちろん離婚しなければ婚姻費用が貰えるため(離婚した場合に貰える養育費よりも金額は大きい)、その意味でメリットはありますが、再婚できない、相手がその気になればいずれ離婚は実現できてしまう等デメリットもあります。
Kさんにはこれらのメリット、デメリットを考慮頂いたうえで、どうするかじっくりと考えてもらいました。Kさんとしては、やはりとにかく今離婚はしたくない。ひとまず婚姻費用を貰いながら資格を取りたい。今の夫の行動は一時の気の迷いであり、いつか戻ってきてくれると強く信じており、離婚を棄却する方向で話を進めたいと判断されました。
離婚請求を棄却するためにはとにかく本人の強い意志が必要となります。相手は離婚を求めているので当然Kさんに対して、様々な婚姻生活破綻の主張を繰り返してきます。これを受けながらも、それでもなお、今は一時の気の迷いなのだと意思を強く保ち、最後までKさんは戦い抜き、離婚を無事棄却させることが出来ました。離婚訴訟の棄却を求める場合には、そのメリットデメリットをしっかりと把握し、そのうえで強い意志をもって裁判を最後まで戦い抜くことが必要となります。
まとめ
離婚裁判の形は人によって様々です。離婚をしたいのかどうか、本人尋問はあるのか、裁判の途中で和解をするのか、最終的に判決まで進めるのか…迷ったときや不安になったときには、他の人の体験も参考になりますし、弁護士の専門的なアドバイスを聞きながら自分の気持ちを整理することも有効です。 弁護士ドットコムには、このように「解決事例」を掲載している弁護士が掲載されています。ぜひ弁護士選びの参考にしてください。
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離婚裁判の期間や流れについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
