父の背中に憧れ弁護士を志す「立場が弱い人の味方でありたい」
ルールに反発していた学生時代
――弁護士を目指したきっかけはなんですか?
父が弁護士をしていたことがきっかけです。小学生のときから、父が所属していた弁護団の活動に参加したり、生き生きと仕事をする姿を見たりして、漠然とした憧れを抱くようになりました。弁護士になろうをと具体的に決意したのは中学生のときです。そのころ、校則に反発して、茶髪にしていました。ルールを守れないのに弁護士を目指していいのかなと葛藤もありましたが、父からは「かえって弁護士に向いている」と言われました。そのときは意味がわかりませんでしたが、今は、ルールの目的や本質を問う姿勢が弁護士にとって大事であることがわかり、「向いている」と言ってくれた意味を知りました。
――学生時代はどんな生活を送っていましたか?
一時期バスケをしていましたが、基本的に中学・高校とも帰宅部でした。運動不足解消のためテニススクールに通ったりしていましたが、基本的にゲームしたり漫画読んだりの生活でした。高校に入ってからは、大手ファーストフード店でアルバイト。校則ではアルバイトが禁止されていたのですが、こっそり働いていました(笑)。ルールだから守れというのが納得いかなかったんですね。
――現在の注力分野を教えてください。
基本的には個人が巻き込まれるトラブル一般を扱っていますが、緊急を要することが多い刑事事件については 刑事事件に特化した個人のホームページを作りました。
ご相談が一番多いのは離婚です。不動産の事件や労働事件も扱っています。
不動産の事件は、建築物の欠陥をめぐるトラブルや境界の問題など、難しいケースが多いです。難航しそうな事案は他の弁護士と共同で受任して、方針について話し合いながら進める場合もあります。
――弁護士ドットコムのプロフィールページに「衣・食・住その土台となるべき労働を守る」と書かれていました。どのような想いが込められているのでしょうか。
生活の中で法律トラブルに見舞われた人を助けたい、立場が弱い人の見方でありたいという想いを込めています。
こうした考えを持つようになったのは、父の影響が大きいです。弁護士資格という武器は弱い人のために使うべきだと父から聞いていたので、弁護士とはそういうものだと今でも考えています。
記憶に残るセクハラ事件
――弁護士として活動してきた中で印象的だったエピソードを教えていただけますか?
セクハラの事案です。一審では、一部のセクハラ行為は事実として認められましたが、認定されなかった行為もありました。その後、相手方が控訴してきたので、それならこちらも争おうということで控訴審でも戦いました。控訴審では全面的に被害者の主張が認められ、セクハラ行為が全て認定されました。賠償金の金額も上がり、いい解決につながりました。被害者としてされたことが裁判上はなかったことになる、そうしたプレッシャーも大きい事案でしたが、やりがいもあり、最後までやりきることができてよかったと思った事案です。
――セクハラは泣き寝入りすることも多いんですか?
はい。証拠がないことや、働きながら訴えることは時間的に厳しいと思う人が多いことから、事件化しないケースも少なくありません。
――セクハラの証拠はどうやって準備すればいいのでしょうか。
できれば録音を残しておくといいです。日記も、書き方によっては証拠になります。先ほどお話しした事案では、被害者がつけていた日記が1つの証拠になりました。鉛筆ではなく消えないボールペンで書いた方が証拠として認められやすいです。ルーズリーフなど後から紙を挟めるものより、本のように綴ってあるものがいいですね。
先ほどの事案では、セクハラを受けた後、被害者が精神的に不安定になり、不眠や胸の痛みの症状が出たので病院に通っていました。そのときに主治医が書いていたカルテの記録も証拠になりました。
他には、セクハラについて友人などに相談したメールやLINEも証拠になる場合があるので、残しておくといいと思います。
「少しでも悩んだら早めに相談を」
――休日はどんなことをしていますか?
5歳の子どもがいるので、休日は一緒に遊んでいます。
フットサルが趣味で、毎月1回くらい弁護士仲間とやっていました。コロナ禍になってからはもう1年以上やっていないですね。
――今後の展望を聞かせてください。
小さなことで言えば、建物の明け渡しに関する案件のホームページを作りたいと考えています。相談を受けている中で、大家や管理会社から出て行ってくれと言われて、すぐに出ていかなければならないと考えてしまう人が一定数います。ホームページを作ることで借主の権利というものをきちんと理解した上で正しい選択をするきっかけになってくれればと考えています。
すでに作った刑事事件のホームページはブログも掲載できるようになっているので、アウトプットの場にもなっています。SNSをやっていない分、ブログで情報発信できるのはいいですね。そういう意味でも作ってよかったと思っています。
――法律トラブルを抱えている方にメッセージをお願いします。
役所や事務所で無料相談を実施していますので、少しでも悩んだら早めに相談してほしいと思います。相談することで、悩みを1人で抱え込まなくてよくなるので精神的に楽になります。法的なアドバイスも、受ける時期が早ければ早いほど、迅速な解決につながると思います。