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協議離婚

2017年07月24日

「協議離婚」の手続き…話し合っておくべきこと、離婚協議書のつくりかた

協議離婚は、夫婦の話し合いで離婚することです。その際、子どもの親権、養育費、財産の分け方など、離婚後の生活に向けたさまざまな条件も話し合うことになります。

  • 協議離婚の手続きの進め方
  • 協議しておくべきポイント
  • 離婚協議書のつくりかた
  • 協議で定めたことを相手に守ってもらうための方法

この記事ではこうしたポイントについて詳しく紹介します。協議離婚を検討している方はぜひ参考にしてみてください。

目次

  1. 協議離婚とは
  2. 協議離婚の際、夫婦で話し合うべきこと
    1. お金に関すること
    2. 子どもに関すること
    3. 養育費
    4. 面会交流
  3. 協議したことを「離婚協議書」にまとめよう
    1. 離婚協議書の書き方
    2. 離婚協議書の書き方の例

協議離婚とは

alt 夫婦が離婚をする方法には、協議離婚、調停離婚、審判離婚、裁判離婚があります。 協議離婚とは、夫婦が離婚をすることについて話し合い、市役所に離婚届を出すことによって成立する離婚をいいます。 裁判所を利用する他の手続きと異なり、夫婦の話し合いで完結できるので、手間や費用をかけずに手軽に利用できることがメリットです。 離婚する夫婦の約90%は、協議離婚で離婚しています。

協議離婚の際、夫婦で話し合うべきこと

alt 協議離婚の話し合いでは、単に離婚するかどうかについてだけ話し合うわけではありません。財産の分け方や子どもの養育費など、離婚後のお互いの生活をみすえたさまざまな事柄について話し合うことになります。 話し合う内容は、大きく「お金」の問題と、(未成年の子どもがいる夫婦は)「子ども」の問題に分かれます。

お金に関すること

夫婦であっても、「夫の財産は夫のもの、妻の財産は妻のもの」という考えが原則です(夫婦別産制)。 しかし、不動産や車、預貯金など、結婚した後に夫婦が共同で築いた財産は、夫婦の共有財産になるため、離婚する際、どのように分けるのかということを決める必要があります。 このように、夫婦が共に築いてきた財産を分けることを、「財産分与」といいます。 たとえどちらか一方の名義だったとしても、夫婦が協力して築いた財産であれば、財産分与の対象になります。たとえば次のような財産です。

  • 自宅不動産
  • 自動車
  • 銀行預金
  • 株式

財産分与以外にも、お金の問題で決めておくべきことがらはあります。たとえば、以下のようなものがあります。

  • 慰謝料...浮気やDVなどを理由に請求することができます。
  • 年金分割…婚姻期間中の厚生年金について、夫婦が納めた保険料の総額を分割します。

まずは、対象となる財産がいくらになるのか、きちんと調べるところから始めましょう。

子どもに関すること

未成年の子がいる場合、離婚するときに、夫婦のどちらが親権者になるのか必ず決める必要があります(協議離婚届には親権者をいずれにするか記載する欄があります)。 そのため、親権について話し合わなければ協議離婚はできません。 親権とは、未成年の子どもを監護・養育する権利をいいます。結婚している間は、双方が親権をもち、共同して行いますが、離婚する際には、原則として父母のどちらかを親権者として決める必要があります。 親権は、親の権利であるように考えられがちですが、子どもの利益を守るために認められる権利です。 親権者となった親は、子どもの養育や身の回りの世話をし、しつけ・教育をしたりする他、子どもに財産があれば、子どもの代わりに財産を管理します。

養育費

子どもを養い育てるためには、衣食住の費用はもちろん、教育費や医療費、最低限の娯楽費や交通費など、様々な費用がかかります。 このように、子どもが社会的自立を果たすまでに必要な費用のことを「養育費」といいます。 離婚によって、法的な夫婦の関係は解消されますが、親子の関係は続きます。離婚して子どもと離れて生活するようになった親にも、子どもを扶養する義務があります。 そのため、子どもと生活を共にしている親(監護親)は、子どもと生活を共にしていない親(非監護親)に対して、養育費を請求することができます。 養育費の額は、養育費を負担することになった夫婦の一方(養育費負担義務者)の生活水準と同じ程度の生活を子どもが送ることができるかどうかという観点から算定されます。 養育費は、離れて暮らす子どもの健全な成長を支えるために支払われるものであり、支払いは、親としての義務だということを認識しましょう。

将来的に養育費負担義務者の収入が減った場合、負担金額は減額される可能性があります。養育費の減額について話し合いで決まらない場合は、「養育費増減請求調停」という手続きを経て、養育費の額が改めて決まることになります。

面会交流

離婚により子どもと離れて暮らすことになった一方の親にも、子どもと会って交流する権利が認められています。これを「面会交流権」または「面接交渉権」といいます。 そのため、同居している親が「別れた相手と会わせたくない」と考えていても、正当な理由がない限り拒否することはできません。 面会交流には次のような行為も含まれます。

  • 直接会ってともに過ごす
  • 電話・メール・手紙のやり取りをする
  • プレゼントを贈る
  • 授業参観や学校行事などに参加したり、見学したりする
  • 子どもの写真などを定期的に送ってもらう

一方で、面会交流は子どもの権利でもあります。面会交流を希望する親であっても、「子の福祉」という観点から、子どもの意思を十分に尊重して権利を行使する必要があるといえるでしょう。

協議したことを「離婚協議書」にまとめよう

alt こうした事柄について、協議離婚の話し合いで取り決めたとしても、口約束のままでは、後になって、「別れた相手が決められたことを守ってくれない」といったトラブルになる可能性があります。 このような離婚後のトラブルを避けるために、取り決めた内容を離婚協議書にまとめて、公正証書の形にしておきましょう。 離婚協議書には決められた書式はありませんし、記載する内容も自由です。後のトラブルを避けるためにも、親権者、養育費、面会交流、財産分与、慰謝料などについて決めた事項を、なるべく具体的に記載していきます。 公正証書とは、公証役場で 、裁判官などの法律の専門家から選ばれた公証人に作成してもらう文書です。公正証書には高い信用性があるため、のちに裁判などに発展した場合、強力な証拠になります。 また、離婚協議書で、「強制執行認諾文言」という文言を記載しておけば、慰謝料や養育費などについて約束通りに支払われなくなった場合に、裁判手続き等を経なくても、強制執行により預金や給料を差し押さえることができます。 強制執行認諾文言とは「ここに書かれた取り決めを破ったら、強制執行を受けても文句は言いません」と約束させる一文です。

離婚協議書の書き方

離婚協議書に記載する内容・離婚が合意したこと
・親権者と監護権について
・養育費
・面会交流
・財産分与
・慰謝料
・公正証書作成への協力について

離婚を合意したこと

冒頭には、二人が離婚について合意したことを記載します。そして「離婚届が提出されない」というトラブルを防ぐために「離婚届を提出する日付」も記載します。

親権者と監護権について

子どもの親権者・監護権者がどちらになるか記載します。子どもが複数いる場合は、それぞれについて記載します。

養育費について

養育費については、支払う人の名前、受け取る人の名前、毎月の支払金額、支払期間、支払い方法などを具体的に記載します。手続き費用をどちらが負担するかも忘れずに記載しましょう。

面会交流について

日時、場所、方法、送り迎えの場所と時間、学校行事への参加や、長期休暇の際の過ごし方など、細かく条件を記載します。

財産分与について

財産分与を支払うこと、そして金額を明記し、一括支払いとするか分割払いとするか、どの口座に支払うのか、振込み手数料はどちらが負担するかまで細かく記載します。 さらに、不動産や自動車の登記名義の変更手続きをどうするか、株式や保険等の手続きについても詳細に記載されることになります。

慰謝料について

慰謝料を支払うことと金額を明記し、一括支払いとするか分割払いとするか、どの口座に支払うのか、振込み手数料はどちらが負担するかまで細かく記載します。 支払わなくなった場合には、強制執行などの方法で、残金を確保する旨も記載しておきましょう。慰謝料がない場合には、慰謝料の支払いが存在しないことを記載しましょう。 慰謝料を支払う側が「慰謝料」という文言を嫌がることもあるので、「解決金」という文言が使われることもあります。 ただし、その場合は、その後のトラブルを避けるために「財産分与」とは別に支払われる性質の金銭であることを明記しておきましょう。

公正証書作成への協力について

公正証書とすることに双方が合意したことについても触れておきます。

離婚協議書の書き方の例

離婚協議書の書き方記載例離婚協議書の書き方
離婚協議書

1. 離婚の合意
夫・見本丸男と妻・見本花子は、協議離婚することに合意し、下記の通り離婚協議書を取り交わした。

2. 離婚届
妻・見本花子は、各自署名捺印した離婚届を◯年◯月◯日までに◯市役所に提出する。

3. 子どもの親権と監護権について
夫・見本丸男と妻・見本花子の間に生まれた未成年の子である長男・見本太郎(◯年◯月◯日生)の親権者を見本花子と定める。
妻・見本花子は、長長男・見本節也の監護権者となり、成年に達するまで引き取り養育する。

4. 養育費について
・夫・見本丸男は、妻・見本花子に対し、長男・見本太郎の養育費として◯年◯月◯日から長男・見本太郎が成年に達する日の月まで、毎月末日に金○○万円を妻・見本花子の指定する口座へ、振込送金の方法で支払う。
・振込手数料は、夫・見本丸男が負担する
・長男・見本太郎が成年に達した以降も、大学などに在籍していた場合には、夫・見本丸男と妻・見本花子で協議し、養育費の支払いを終える期日について話し合う。
夫・見本丸男上記養育費は、物価の変動その他の事情の変更に応じて、夫・見本丸男と妻・見本花子で協議をして増減できる。

5. 面会交流について
・夫・見本丸男は、毎月2回第1および第3日曜日の午前11時から午後3時まで長男・見本太郎と面会交流することができる。
・面会交流の場所、方法については長男・見本太郎の福祉を最優先として、事前に協議し決定する。
・送り迎えは○○の方法で行う。
・長期休暇の場合については、長男・見本太郎の福祉を最優先として3日から1週間とする。
・遠出についてはその都度話し合う。
・祖父母との面会についてはその都度話し合う。
・プレゼント・小遣いはその都度話し合う。
・行事への参加・見学の可否はその都度話し合う。
・手紙や電話、メールなどのやり取りは妻・見本花子の承諾を得てから行う。
・子どもの写真の交換は不定期に行うこととする。

6. 慰謝料について
・夫・見本丸男は妻・見本花子に対して、慰謝料として金○○万円の支払義務があることを認める。
・慰謝料の支払いは、◯◯回に分割して支払う。
・慰謝料の支払い期間は、◯年◯月◯日から◯年◯月◯日までとし、毎月末日金◯万円を、妻・見本花子の指定する口座へ、振込送金の方法で支払う。
・振込手数料は、夫・見本丸男が負担する
・夫・見本丸男に下記の事由が生じた場合は、妻・見本花子に対して残金を直ちに支払う
・ 分割金の支払いを2回怠ったとき
・ 他の債務について、強制執行、競売、執行保全処分に受け、あるいは税金の滞納処分を受けたとき。
・ 破産、民事再生手続開始の申立てがあったとき。
・ 妻・見本花子の責めに帰することができない事由によって、所在が不明となったとき。

7. 財産分与について
・夫・見本丸男は妻・見本花子に対して、財産分与として金○○万円を支払う。
・財産分与の支払いは一括で行う。
・財産分与の支払期日は◯年◯月◯日とし、妻・見本花子の指定する口座へ、振込送金の方法で支払う。
・振込手数料は、夫・見本丸男が負担する

8. 通知
夫・見本丸男と妻・見本花子は、住所、居所、連絡先を変更したときは、遅滞なく書面により相手方にこれを通知する。

9. 裁判管轄
本契約から発生する一切の紛争の第一審の管轄裁判所を妻・見本花子の住所地を管轄する裁判所をもって合意管轄とする。

10. 清算条項
夫・見本丸男と妻・見本花子は、上記の各条項の外、名義の如何を問わず金銭その他の請求を相互にしないこと、及び夫・見本丸男と妻・見本花子以外の者が本件合意内容には一切干渉しないことを相互に確認する。

11. 公正証書作成への協力について
・夫・見本丸男と妻・見本花子は、◯年◯月◯日までに本協議書を内容とする公正証書を作成することに合意して、相互に公正証書手続きに協力するものとする。

12. 夫・見本丸男は、本契約上の金銭債務を履行しないときは、直ちに強制執行に服する旨認諾した。

上記のように合意したので、本書2通を作成し、夫・見本丸男と妻・見本花子は各自署名押印のうえ、1通ずつ所有する


◯年◯月◯日

住所
見本 丸男

住所
見本 花子

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