経歴詐称

弁護士監修記事 2019年03月01日

【弁護士Q&A】転職の面接で病歴を伝えないことは経歴詐称になるのか

持病などの病歴がある場合、転職時の面接で正直に伝えなければならないのでしょうか。病歴を伝えずに採用され、後から病歴が発覚した場合、経歴詐称を理由に解雇される可能性はあるのでしょうか。 みんなの法律相談」に寄せられた実際の相談事例と弁護士の回答を元に解説します。

目次

  1. 転職するとき病歴を申告する義務があるのか
  2. 病歴を理由に解雇されたときの対処法
  3. まとめ

転職するとき病歴を申告する義務があるのか

alt 転職する際の面接で、病歴がある場合はそのことを正直に伝えなければならないのでしょうか。

就職活動における既往歴の告知義務について


相談者の疑問
てんかんの持病を持っています。

発作は6年以上起きておらず、薬で抑えられています。自動車免許も取得しており問題なく運転できます。

公務員試験を受ける予定なのですが、病気の告知義務はあるのでしょうか?面接などで持病の質問されたとき、嘘をついてもよいのか疑問です。


徳田 隆裕弁護士
労働者には、自分にとって不利益な事実を積極的に、勤務先へ告知しなければならない義務はありません。

そのため、面接の時に、病歴について質問されないのであれば、自分からてんかんであることを公表する必要はありません。

要するに、聞かれなければ、自分にとって不利益なことを自分から答える必要はないのです。

次に、面接の時に、病歴について質問された場合の対処法です。

この場合、嘘をつくのはやめたほうがいいです。虚偽の回答をして、そのことが勤務先に発覚して信頼関係が失われた場合に、最悪解雇になるリスクがあります。

面接の際に、持病の質問をされたのであれば、てんかんの持病があるものの、6年以上発作はなく、問題なく働けることを伝えるべきだと思います。

持病などの病歴について、面接で聞かれなかった場合は、自分から積極的に伝える義務はありません。 しかし、面接で聞かれた場合は、正直に伝えましょう。今の身体の状態や、仕事への影響なども伝えるとよいでしょう。 持病があるのに「ない」などとウソをついて、入社後に発覚した場合、経歴詐称にあたるとして、解雇されるリスクがあるようです。

病歴を理由に解雇されたときの対処法

alt 面接では病歴について伝えず、入社後に発覚して解雇されてしまった場合、解雇を受け入れる必要はあるのでしょうか。不当解雇として、解雇が無効になる可能性はあるのでしょうか。

不当解雇にあたりますか?


相談者の疑問
面接では一般的な履歴書を提示し、健康状態については健康ですと表記しました。しかし後日、社長との雑談で持病のてんかんがあると話をしました。

その後、数日の間に解雇されました。どうしてもこの会社で働きたくて何度も説得し、持病でかかりつけの先生にも直々に社長と面談してもらい、問題ないことを説明していただいたのですが、むくわれず解雇されました。

これは不当解雇にあたりますか?


影山 博英弁護士
採用時における持病の秘匿は、将来を含めて当該労働者が担当することを予定されていた業務の遂行にあたって大きな障害となる場合には、企業の人材の採用・育成に関する計画を狂わせるという意味で、企業秩序の侵害となり、懲戒解雇事由となりうると考えられます。

逆に障害となる可能性がないか、あっても極めてわずかという事情であるなら、懲戒解雇事由とはなりえないでしょう。

したがって、あなたが担当する可能性のあった業務にとって持病がどの程度障害となる可能性を有するのかという事情次第では、懲戒解雇が無効とされる可能性はあると思います。

訴訟になれば会社が明らかにすることになります。いま確認を求めたところで、「可能性は小さいです」と言ってくれるはずはないので、あまり意味はないでしょう。

(懲戒)解雇が無効であれば、従業員としての地位が継続しているというのが客観的な法律関係になり、争い方としては復職を求め、地位確認の請求をすることになります。

全く復職を考えておられず、それでも何らかの措置を採ろうということであれば、慰謝料・逸失利益などの損害賠償請求をすることが考えられます。

いずれにせよ、弁護士に面談して相談されることをお勧めします。

病歴が、仕事をするうえで障害にならない場合、懲戒解雇の理由にはならず、解雇は無効となる可能性があるでしょう。 解雇が無効であれば、復職を求めるか、復職を考えていない場合は、会社に対して損害賠償請求をすることが考えられます。

まとめ

病歴については、面接の際に聞かれたら正直に答える必要がありますが、特に聞かれていない場合には、自ら伝える義務はありません。 面接のときに病歴を伝えず、あとになって病歴を理由に解雇されたとしても、必ずしも解雇が有効となるとは限りません。 病歴が、仕事にとってどのくらい障害になるかが、解雇が有効か無効かを判断するときの1つのポイントと言えるようです。 病歴が仕事の障害にならない場合、懲戒解雇の理由にはならず、解雇は無効となる可能性があるでしょう。

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