産休・育児休暇

弁護士監修記事 2018年11月30日

産休・育休中に利用できるお金の制度 | 出産手当金や育児休業給付金の仕組み

産休・育休中、多くの企業では給料が発生しません。そのためお金のやりくりを不安に思う人もいるでしょう。

  • 出産育児一時金(出産すると支給されるお金)
  • 出産手当金(産休中に支給されるお金)
  • 育児休業給付金(育休中に支給されるお金)

この記事では、こうした制度について詳しく解説します。

目次

  1. はじめに
  2. 出産育児一時金
    1. 産科医療補償制度とは
    2. 支給の条件
    3. 退職して健康保険の資格を喪失した場合
    4. 直接支払制度を利用すると便利
    5. 出産育児一時金をもらうためには手続きが必要
  3. 出産手当金
    1. 支給の条件
    2. 退職して健康保険の資格を喪失した場合
    3. 支給に必要な手続き
    4. 出産手当金が支給されるのは産休が終わった後
  4. 育児休業給付金
    1. 支給の条件
    2. 育児休業給付金が支給されない場合
    3. 手続き
    4. 給付金の振込みは育休開始から4〜5か月後になることも
  5. 産休・育休中の社会保険料が免除される
    1. 健康保険に加入している場合
    2. 国民健康保険に加入している場合

はじめに

子を出産し、産休育休を取得すると、それぞれのタイミングで、一時金や手当を給付してもらえたり、社会保険料が免除されたりします。

どんなときに支給・免除されるのか 制度の名前 金額
出産したとき 出産育児一時金 42万円
産休を取得したとき 出産手当金 給料の約2/3
育休を取得したとき 育児休業給付金 給料の約67%
(7か月目から50%)
産休・育休中 産休・育休中の
社会保険料免除
免除

出産育児一時金

出産をすると、健康保険などから、出産育児一時金として、子ども1人あたり42万円を支給してもらうことができます。 対象となる出産は、妊娠4か月(85日)以降の出産です。早産、死産、流産、人工妊娠中絶の場合も含まれます。 多胎児の場合には、胎児の数に応じて増額されます。 ただし、出産した産院が産科医療補償制度に加入していない場合には、40万4000円となります。

産科医療補償制度とは

産科医療補償制度は、出産のときに何らかの理由で赤ちゃんが重度脳性まひとなった場合に、経済的負担の補償などをする制度です。 産科医療補償制度に加入している産院は、こちらで検索できます。

支給の条件

健康保険の種類 出産育児一時金をもらえるかどうか
国民健康保険
健康保険
共済組合

出産育児一時金は、健康保険や国民健康保険に加入している人、家族の扶養に入っている人が取得できます。 共済組合に加入している場合にも、ほぼ同様のお金が支払われます。ただし、金額などは共済組合により異なる場合があります。詳しくは勤務先に確認しましょう。

健康保険組合などによっては、金額が上乗せされるなど独自の制度が設けられている場合があります。詳しくは勤務先などに問い合わせましょう。

退職して健康保険の資格を喪失した場合

退職をして健康保険の資格を喪失した場合でも、次の場合には、出産育児一時金を支給してもらうことができます。

  • 退職日まで継続して1年以上、健康保険に加入していた。
  • 資格喪失日から6か月以内に出産した。

ただし、退職後に家族の扶養に入った場合で、家族が加入する健康保険などから家族出産一時金を受け取った場合には、さらに前の職場の健康保険から出産育児一時金を二重に受け取ることはできません。

直接支払制度を利用すると便利

出産育児一時金を、産院に支払う出産費用に充てる場合には、直接支払制度を利用すると便利です。 直接支払制度を利用すると、出産育児一時金が産院へ直接支払われます。そのため、退院時の支払いは、出産育児一時金と出産費用の差額のみで済みます。 出産費用が出産一時金より少ない場合には、別途手続きをすることで、差額をもらうことができます。

出産育児一時金をもらうためには手続きが必要

出産育児一時金は、出産すれば自動的に支給されるわけではありません。 健康保険の場合には勤務先、国民健康保険の場合には市区町村役場で手続きが必要です。 直接支払制度を利用する場合には、産院で手続きをします。 手続きの方法は、それぞれの場所に問い合わせましょう。

出産手当金

産休中は、健康保険から、出産手当金として、おおよそ給料の3分の2の額が支払われます。

支給の条件

健康保険の種類 出産手当金をもらえるかどうか
国民健康保険 ×
健康保険
共済組合

健康保険に加入していれば、パート、アルバイト、契約社員、派遣社員として働く場合にも、出産手当金を支給してもらえます。 共済組合に加入している場合にも、ほぼ同様のお金が支払われます。ただし、金額などは共済組合により異なる場合があります。詳しくは勤務先に確認しましょう。 国民健康保険には、出産手当金の制度はありません。

退職して健康保険の資格を喪失した場合

退職をして健康保険の資格喪失をした場合でも、次の場合には、出産手当金を受け取ることができます。

  • 退職日までに継続して1年以上、健康保険に加入している(健康保険を任意継続する場合には任意継続の期間を除く)
  • 資格喪失時に出産手当金を支給されている。または、支給の条件を満たしている。
  • 退職日に出勤していない。

支給に必要な手続き

出産手当金は、産休に入れば自動的に支給されるわけではありません。勤務先での手続きが必要です。 手続きの方法は勤務先に確認しましょう。

出産手当金が支給されるのは産休が終わった後

出産手当金の手続きは、産休が終わった後に行われます。 産休が終わるのは、原則として出産から8週間後です。出産手当金が振り込まれるのは、手続きをしてから1〜2か月はかかると考えておくとよいでしょう。

育児休業給付金

育休中には、雇用保険から、育児休業給付金が支給されます。最初の6か月は、おおよそ給料の67%が支給されます。7か月目からは50%となります。

支給の条件

条件 育児休業給付金をもらえるかどうか
雇用保険に入っている人
(条件を満たす必要があります)
雇用保険に入っていない人
(自営業、専業主婦など)
×

育児休業給付金をもらえるのは、雇用保険に加入している人で、次の条件を満たす人です。

  • 雇用保険に加入している。
  • 育休前の2年間のうち、1か月に11日以上働いた月が12か月以上ある。
  • 育休中に職場から給料の8割以上のお金をもらっていない(それ以下の割合の給料をもらっている場合には、その額に応じて減額されます。)。
  • 休業日数が対象期間中、毎月20日以上ある(休業終了日が含まれている月に関しては、1日でも休業日があればOK。)。

パパが育休を取る場合には、パパも支給を受けることができます。

契約社員やパートなど、雇用契約に期間の定めがある場合には、さらに次の条件を満たせば、育児休業給付金をもらえます。

  • 育休開始時において同じ会社で1年以上雇用が継続している
  • 子どもが1歳に達する日を超えて、引き続き雇用される見込みがある

共済組合に加入している場合にも、ほぼ同様のお金が支払われます。ただし、金額などは共済組合により異なる場合があります。詳しくは勤務先に確認しましょう。

育児休業給付金が支給されない場合

雇用保険に加入していても、次のような場合、育児休業給付金は支給されません。

  • 育休を取らない場合
  • 妊娠中に退職する場合
  • 育休後に仕事を辞める予定の場合

また、雇用保険に入っていない専業主婦、自営業などの人は支給されません。

手続き

育児休業給付金は、育休に入れば自動的に支給されるわけではありません。勤務先での手続きが必要です。 手続きの方法は勤務先に確認しましょう。

給付金の振込みは育休開始から4〜5か月後になることも

育児休業給付金は2か月ごと支払われます。手続きは勤務先が行うのが一般的です。 ただし、初回の申請は、育休開始日から4か月が経過する日が属する月の末日までに手続きを行えばよいことになっています。 そのため、初回の給付金が振り込まれるのは、育休が開始してから4〜5か月後になるケースもあると考えておくとよいでしょう。

産休・育休中の社会保険料が免除される

私たちは普段、社会保険料として、健康保険、年金、雇用保険の保険料を支払っています。 産休や育休中は、これらの保険料を払わなくてよい場合があります。

社会保険料とは別に、住民税を支払わなければならない可能性があります。

健康保険に加入している場合

社会保険料の種類 産休中 育休中
健康保険料 免除 免除
年金保険料 免除 免除
雇用保険料 払う必要なし 払う必要なし

健康保険に加入している場合、産休・育休中の健康保険料と年金保険料が免除されます。 また、産休・育休中にお給料をもらっていない場合には、雇用保険料を払う必要がありません。

国民健康保険に加入している場合

社会保険料の種類 産休中 育休中
国民健康保険料 免除なし 免除なし
国民年金保険料 免除なし
(出産が平成31年2月以降の場合は免除)
免除なし

国民健康保険に加入している場合には、社会保険料の免除はありません。 ただし、出産日が平成31年2月1日以降の場合には、産休中の国民年金保険料が免除されます。詳しくは国民年金機構のホームページをご覧ください。

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