相続財産管理人とは?予納金の相場や選任、費用や報酬について解説。権限や選任申立書も

相続人全員が相続放棄するなどして、被相続人(亡くなった方)が残した財産を管理する人がいなくなった場合、相続財産管理人を選任することで、財産の管理や処分をおこなってもらうことができます。この記事では、相続財産管理人の権限や選任手続きの流れ、選任にかかる費用などを解説します。

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目次

  1. 相続財産管理人とは?どんな権限がある?
    1. 空き家などの管理も任せられる
  2. 選任の手続き
    1. 選任申立書ほか必要書類
    2. 書類提出後の流れ
  3. 選任にかかる費用
  4. 予納金とは?相続財産管理人への報酬が支払えない場合に必要
  5. まとめ
  6. 次はこの記事をチェックしましょう

相続財産管理人とは?どんな権限がある?

相続財産管理人とは、相続人がいるかどうかわからない場合や、相続人全員が相続放棄をして1人も相続人がいなくなった場合に、相続財産の管理・処分などをおこなう人のことです。 被相続人の債権者や、特別縁故者として認められた人がいる場合、財産の換金や、預貯金の解約などをして、必要な支払いをおこなうという役割もあります。

特別縁故者とは、誰も相続人がいない場合に、特別に相続財産を引き継ぐ権利が発生した人のことです。たとえば、「被相続人と法律上結婚していないが、事実上夫婦と同じように一緒に生活していた人」や、「法律上養子縁組の手続きはしていないが、事実上の養子関係にある人」などが、特別縁故者にあたる場合があります。

空き家などの管理も任せられる

相続財産の中に不動産がある場合、相続人全員が相続放棄すると、その不動産を管理する人がいなくなってしまいます。そのような場合も、相続財産管理人を選任することで、不動産を管理してもらうことができます。

相続放棄した後の物件や借り主のゆくえ?

相談者の疑問 家族が亡くなりました。被相続人は不動産オーナー物件などを持っていたようですが、どこのどんな物件か全く把握できていません。私達家族は相続放棄します。

その場合、例えば①被相続人から部屋を借りてる人などはどうなりますか?

またソーラー発電を持ってたかもしれません、土地は買ったのか?ローンはあるのか?検討もつきません。②相続する人がいない場合、ソーラー施設や設置している土地はどうなりますか?

新保 英毅の写真 弁護士の回答新保 英毅弁護士 法定相続人が全員相続放棄して相続人が不存在となった場合、最終的には、利害関係人が選任申立てをして家庭裁判所が選任した相続財産管理人が当該物件を管理処分することになります。

物件が売却された場合は、買主が新たな賃貸人になるでしょう。

賃貸物件の賃借人は、相続財産管理人が選任されるまで、賃料の支払先が分からなくなるので法務局に弁済供託して、居住継続することになるでしょう。

被相続人が所有していたソーラー設備や土地も、相続財産管理人が管理処分することになります。

選任の手続き

相続財産管理人を選任するには、被相続人の最後の住所地の家庭裁判所(こちらから確認できます)に申し立てます。 申し立てができる人は、特別縁故者の条件を満たす人や、被相続人の債権者などです。 相続財産管理人に指名したい人がいれば、その人を候補者として家庭裁判所に提出する申立書に記載することができます。指名したい人が特にいなければ、裁判所に候補者を選んでもらうことができます。 裁判所は、被相続人と候補者との利害関係の有無などを考慮して、適格性を判断します。裁判所の判断により、弁護士などの専門家が選任される可能性もあります。

選任申立書ほか必要書類

相続財産管理人の選任手続きをする際は、以下の書類が必要です。

  • 選任申立書裁判所のホームページからダウンロードできます)
  • 被相続人の出生から死亡までの全ての戸籍(除籍・改製原戸籍)謄本
  • 被相続人の父母の出生から死亡までの全ての戸籍(除籍・改製原戸籍)謄本
  • 被相続人の住民票除票または戸籍附票
  • 被相続人の財産を証明する資料(不動産登記事項証明書や預貯金・有価証券の残高証明書など)
  • 被相続人と申立人の関係を証明する資料
  • 候補者の住民票または戸籍附票

被相続人の配偶者や子ども(孫)、祖父母、きょうだい(おい・めい)など、相続人になれる人で、既に亡くなっている人がいれば、その人の出生から死亡までの全ての戸籍(除籍・改製原戸籍)謄本も必要です。 裁判所の判断により、他の書類も必要となる場合がありますので、申し立てる裁判所に確認しましょう。

書類提出後の流れ

申立てを受けた家庭裁判所は、申立人に対して上記以外の書類の照会や、面談などにより、相続財産管理人を選任するかどうかの判断を行います。 選任が認められた場合、選任することを連絡するため、申立人や候補者に「審判書謄本」を送付します。 申立てから選任までの期間は、およそ1か月です。

選任にかかる費用

相続財産管理人を選任する際は、以下のような費用がかかります。

  • 収入印紙800円分
  • 連絡用の郵便切手(申し立てる裁判所に、必要な額を確認しましょう)
  • 官報公告料4230円(家庭裁判所の指示を受けた後に納めます)

予納金とは?相続財産管理人への報酬が支払えない場合に必要

相続財産管理人には、財産から報酬が支払われます。財産が少ないため、報酬が支払えないと考えられる場合は、申立人が報酬に相当する額を裁判所に納めることになります。これを予納金といいます。 予納金の金額は個別のケースにより異なります。申立てをする裁判所に事前に確認するとよいでしょう。

相続放棄後の財産管理人選任申立てについて

相談者の疑問 相続放棄予定です。相続を放棄した後は相続財産管理人をたて、財産整理をしたいと考えています。被相続人の財産は、預金、給料、退職金などで約80万円の他、更地の土地(時価300万円ほど)、借金が500万円です。

この状態で手続き費用、特に予納金はどれほど用意が必要になるでしょうか。

新保 英毅の写真 弁護士の回答新保 英毅弁護士 不動産の処分が必要なケースであれば予納金は50万円以上となることが多いと思います。予納金は、主に相続財産管理人の報酬を確保するためのものですので、予想される業務内容や業務量により変わります。申立てをする家庭裁判所で事前に相談してみるのも一法かと思います。

まとめ

ここまで、相続財産管理人の役割や、選任するための方法について解説してきました。 選任の申立ては自分でもできますが、戸籍など必要書類を集める手間がかかります。予納金が発生するのか気になる人もいるでしょう。 自分で申立てをすることが不安な場合は、弁護士などの専門家に依頼することを検討してもよいでしょう。財産の内容などから、予納金がどのくらい発生するのか、おおよその金額を提示してもらうこともできます。

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