遺言書

弁護士監修記事 2018年09月30日

遺言書がある場合に相続手続きを自分で行うための手続きガイド

遺言書がある場合の相続手続きは自分で行うことができます。

  • 預金の相続手続き
  • 不動産の相続手続き
  • 自動車の相続手続き

この記事では、このようなポイントについて詳しく解説します。

目次

  1. 名義変更などの手続きは相続人が行う
  2. 手続きで戸籍をたくさん提出する場合には「法定相続情報証明制度」を利用する
  3. 預金の手続き
    1. 手続きの流れ
  4. 不動産(土地・建物)の手続き
    1. 手続きの流れ
  5. 住宅ローンがあり、団体信用生命保険に加入していた場合
    1. 手続きの流れ
  6. 株などの有価証券の手続き
    1. 証券会社を通して取引している場合
  7. 自動車の手続き
    1. 所有者が被相続人ではない場合
    2. 所有者が被相続人の場合
    3. 自動車保険の手続きも忘れずにしましょう
  8. 貴金属、骨董品、美術品などの動産
  9. ゴルフ会員権
  10. 借金などの債務の手続き
  11. お墓
    1. 手続きの流れ
  12. 相続税の申告・納税も忘れずに行いましょう

名義変更などの手続きは相続人が行う

alt 遺言書がある場合、遺言書のとおりに財産を受け継ぐには、名義変更などの手続きが必要です。その手続きは相続人がします。 ただし、遺言書の中で遺言執行者が指定されている場合には、遺言執行者が手続きをします。 遺言執行者が選任されている場合の手続きについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

遺言書の中で遺言執行者が指定されていない場合でも、遺言書の内容が、「認知」(法律上の夫婦ではない人との間にできた子を自分の子と認める)や、「廃除」(相続人の相続権を失わせる)だった場合には、遺言執行者でなければ手続きができません。そのような場合には、弁護士などの専門家に相談しましょう。

自分で名義変更などの手続きをする場合でも、難しいと感じた場合には、弁護士などの専門家に相談しましょう。

手続きで戸籍をたくさん提出する場合には「法定相続情報証明制度」を利用する

alt この記事で解説する手続きでは、亡くなった方(被相続人)の戸籍が必要になる場合が多くあります。 戸籍を取り寄せるには、いろいろな役所で手続きをしなければならない場合もあり、時間と手間がかかります。 手続きを始めた時点では、戸籍が最終的に何通必要かがわからず、追加で取寄せが必要になったり、逆に多く用意しすぎて余ってしまうことがあります。 そのような場合に、手続きを簡単にする方法として、「法定相続情報証明制度」を利用することが考えられます。 この制度を利用すると、戸籍に書かれた情報を一枚の図にしてもらえます。この図を戸籍の代わりに提出することができます。そのため、戸籍を何通も取り寄せる必要がなくなります。 預貯金などの金融機関が複数ある場合など、戸籍が複数必要になりそうな場合には、まず最初に法定相続情報証明制度を利用するとよいでしょう。

この記事の下の「次に読みたい記事」で詳しく説明しています。

ここからは遺産の種類ごとに手続きを説明します。

預金の手続き

alt 預金の手続きは、被相続人(亡くなった方)の口座から払戻しを受けて現金を自分のものにするか、口座の名義を自分の名前に変更します。 手続きをするのは、遺言書によって預金を受け継ぐ人です。

銀行によっては、法定相続人全員の署名押印や印鑑証明書が必要だと言われるケースがあります。法定相続人全員の署名押印を得ることが難しい場合には、弁護士などの専門家に相談しましょう。

手続きの流れ

預金の手続きの流れは、大きく次のとおりです。

  1. 銀行などの金融機関に連絡し、必要書類を確認する。
  2. 必要書類を用意する。
  3. 書類を銀行に提出する。
  4. 払戻しを受ける。名義変更をする。

まず、銀行などの金融機関に、被相続人が亡くなったので相続の手続きをしたいことを連絡します。

銀行に連絡すると被相続人の口座が凍結されます。凍結されると、預金を引き出すことや引き落としができなくなります。

手続きに必要な書類は銀行によって異なります。手続きについて次のようなことを確認しましょう。

  • どのような書類が必要か
  • 郵送でのやりとりはできるのか
  • 口座のある支店に行かなければいけないか、全国どの支店でもよいか など

次に、必要書類を用意します。口座が複数ある場合、戸籍謄本などが何通も必要になることがあるので、先にすべての口座について手続方法を確認してから用意するとスムーズです。 必要書類は、銀行によって異なりますが、おおむね次のようなものが挙げられます。

必要書類 入手できる場所
遺言書 自宅、公証役場など
検認済証明書
(公正証書遺言の場合は不要)
家庭裁判所
被相続人の戸籍謄本
(出生から死亡までの情報が記載されているもの)
市区町村役場
預金を相続する人の印鑑証明書 市区町村役場
銀行所定の相続届
(名称は銀行により異なります)
銀行
銀行所定の印鑑届
(名義変更をする場合)
銀行

このほかに、相続人の実印、通帳、証書、キャッシュカードなどが必要な場合があります。 必要書類が用意できたら、銀行に提出します。 預金の払戻しがされるまでに、数日かかる場合があります。

不動産(土地・建物)の手続き

alt 不動産の手続きは、受け継ぐことになった土地や建物の登記をします。 登記とは、土地や建物を所有していることなどを証明するための公的な制度です。 登記の手続きは法務局で行います。

手続きの流れ

登記手続きの流れは、大きく次のとおりです。

  1. 被相続人名義の不動産を確認する。
  2. 遺言書の文言を確認する。
  3. 不動産を受け継ぐ人が法定相続人かどうか確認する。
  4. 必要書類と費用を確認する。
  5. 必要書類を用意する。
  6. 法務局に必要書類を提出する。

まず、課税明細書や固定資産税の納税通知書、名寄せなどから、被相続人名義となっている不動産を確認します。 登記名義人が被相続人になっていれば、問題ありません。

先祖代々受け継がれてきた土地などで、先代が亡くなった際に相続登記が行われず、登記名義人が先代のまま放置されているケースがあります。このような場合には、手続きが複雑になる可能性があります。弁護士などの専門家に相談しましょう。

次に、登記手続きは、遺言書の記載が次のうちどちらかによって異なります。

  • 「相続させる」と書かれている場合
  • 「遺贈する」と書かれている場合

「相続させる」場合と「遺贈する」場合の手続きの大きな違いは、手続きに関わる人数です。 「相続させる」場合には、不動産を受け継ぐ人だけで手続きを行うことができます。 「遺贈する」場合には、不動産を受け継ぐ人の他に、法定相続人全員が一緒に手続きを行う必要があります。

「相続させる」と書かれている場合

遺言書に「相続させる」と書かれている場合、不動産を受け継ぐ人は法定相続人であることが多いと思います。 もし、不動産を受け継ぐ人が法定相続人ではない場合には、登記手続きは後述の「『遺贈する』と書かれている場合」と同じです。詳しくはそちらを読んでください。 法定相続人が不動産を受け継ぐ場合、必要書類はおおむね次のようなものが挙げられます。

必要書類 入手できる場所
遺言書 自宅、公証役場など
検認済証明書
(公正証書遺言の場合は不要)
家庭裁判所
被相続人の戸籍謄本
(死亡したことがわかるもの)
市区町村役場
被相続人の住民票
(マイナンバーの記載がないもの)
市区町村役場
不動産を受け継ぐ人の戸籍謄本
(現在のもの)
市区町村役場
不動産を受け継ぐ人の住民票
(マイナンバーの記載がないもの)
市区町村役場
固定資産税評価証明書 市区町村役場
(東京23区の場合は都税事務所)
申請書 法務局の窓口または法務局のホームページからダウンロードできます

申請書は、法務局のホームページからダウンロードできます。公正証書遺言の場合はこちらから、自筆証書遺言の場合はこちらです。 登記手続きには手数料(登録免許税)がかかります。登録免許税は、固定資産税評価額の0.4%です。 必要書類ができたら、法務局に提出します。 郵送で提出することもできます。郵送する場合には、必要書類を入れた封筒の表面に「不動産登記申請書在中」と記載し、書留郵便で送ります。登録免許税は、収入印紙を購入して、申請書に貼り付けます。 手続きは、法務局が書類を受け取ってから1〜2週間かかります。 手続きが完了したら、「登記識別情報通知」が送られてきます。 「登記識別情報」は、12桁の英数字からなるパスワードのようなもので、不動産の権利者であることを判断するためのものです。なくさないように保管しましょう。

手続きがわからない場合には、法務局に問い合わせるか、弁護士などの専門家に相談しましょう。

「遺贈する」と書かれている場合

遺言書に「遺贈する」と書かれている場合、不動産を受け継ぐ人は法定相続人ではない人が多いと思います。 もし、不動産を受け継ぐ人が法定相続人の場合でも、遺言書の記載が「遺贈する」の場合には、こちらの手続きになります。 ただし、不動産を受け継ぐ人が法定相続人の全員である場合には、「遺贈する」と書かれている場合でも、「相続させる」場合と同じ手続きをすることができます。 「遺贈する」場合の必要書類は、おおむね次のようなものが挙げられます。

必要書類 入手できる場所
遺言書 自宅、公証役場など
検認済証明書
(公正証書遺言の場合は不要)
家庭裁判所
被相続人の戸籍謄本
(死亡したことがわかるもの)
市区町村役場
被相続人の住民票
(マイナンバーの記載がないもの)
市区町村役場
権利証または登記識別情報 自宅など
不動産を受け継ぐ人の住民票
(マイナンバーの記載がないもの)
市区町村役場
法定相続人全員の戸籍謄本
(現在のもの)
市区町村役場
法定相続人全員の印鑑証明書
(3か月以内に作成されたもの)
市区町村役場
固定資産税評価証明書 市区町村役場
(東京23区の場合は都税事務所)
申請書 法務局の窓口または法務局のホームページからダウンロードできます

申請書は、法務局のホームページからダウンロードできます。公正証書遺言の場合はこちらから、自筆証書遺言の場合はこちらです。 登記手続きには手数料(登録免許税)がかかります。登録免許税は、固定資産税評価額の2%です。 ただし、不動産を受け継ぐ人が法定相続人の場合には、登録免許税は0.4%になります。 必要書類ができたら、法務局に提出します。 郵送で提出することもできます。郵送する場合には、必要書類を入れた封筒の表面に「不動産登記申請書在中」と記載し、書留郵便で送ります。登録免許税は、収入印紙を購入して、申請書に貼り付けます。 手続きは、申請してから1〜2週間かかります。 手続きが完了したら、「登記識別情報通知」が送られてきます。 「登記識別情報」は、12桁の英数字からなるパスワードのようなもので、不動産の権利者であることを判断するためのものです。なくさないように保管しましょう。

手続きがわからない場合には、法務局に問い合わせるか、弁護士などの専門家に相談しましょう。

住宅ローンがあり、団体信用生命保険に加入していた場合

alt 被相続人が住宅ローンを組んでいた場合、団体信用生命保険に加入していることが多いと思います。 団体信用生命保険とは、住宅ローンの返済中に契約者が亡くなった場合に、保険会社にローンの残債を完済してもらえるという内容の生命保険です。 被相続人が団体信用生命保険に加入していた場合、住宅ローンは保険会社により完済されます。 住宅ローンを組む際には通常、銀行が家や土地を担保とするために、家や土地に「抵当権」が設定されています。抵当権は家や土地の登記に書かれています。 住宅ローンが完済されると、抵当権も無くなります。 ただし、抵当権の登記は自動的になくなる訳ではないので、抵当権の登記を抹消するための手続きが必要です。

手続きの流れ

抵当権の登記を抹消する手続きの流れは、おおむね次のとおりです。

  1. 銀行などの金融機関に連絡する。
  2. 相続による名義変更の登記をしていない場合には、その手続きの準備をする。
  3. 抵当権の登記を抹消するための必要書類を準備する。
  4. 必要書類を提出する。

まずは、銀行などの金融機関に連絡し、被相続人が亡くなったことを伝えましょう。 金融機関の指示に従い、保険会社へ届け出るための書類や、死亡診断書、住民票などを提出します。 保険会社により住宅ローンが完済されると、金融機関から抵当権の登記を抹消するための必要書類が送られてきます。次のような書類です。

書類 内容
解除証書 住宅ローンが完済されたので抵当権を抹消してもよいですよという内容の書類
登記済証または登記識別情報通知 登記上、金融機関が抵当権の権利者であることを判断するための書類
委任状 抵当権の登記を抹消する手続きを金融機関が相続人に委任するという内容の書類
会社法人等番号が書かれた書類 銀行などの法人が登記をするために必要な会社法人等番号が書かれている書類

抵当権を抹消するための登記をする前提として、相続による名義変更の登記をしていない場合には、その手続きの準備をします。 抵当権を抹消する登記と、相続による名義変更の登記は、同時に手続きすることができます。同時に行う場合の詳しい手続方法は、法務局に問い合わせて確認してください。 抵当権を抹消する登記に必要な書類は、おおむね次のような書類です。

必要書類 入手できる場所
申請書 法務局の窓口または法務局のホームページからダウンロードできます
解除証書 銀行から送られてきます。
登記済証または登記識別情報通知 銀行から送られてきます。
委任状 銀行から送られてきます。
会社法人等番号が書かれた書類 銀行から送られてきます。

申請書は法務局のホームページからダウンロードできます。 登記手続きには手数料(登録免許税)がかかります。登録免許税は、不動産1つにつき1000円です。 必要書類ができたら、法務局に提出します。 郵送で提出することもできます。郵送する場合には、必要書類を入れた封筒の表面に「不動産登記申請書在中」と記載し、書留郵便で送ります。登録免許税は、収入印紙を購入して、申請書に貼り付けます。 手続きは、申請してから1〜2週間かかります。 抵当権抹消登記の場合は、登記識別情報通知は送られてきません。

手続きがわからない場合には、法務局に問い合わせるか、弁護士などの専門家に相談しましょう。

株などの有価証券の手続き

alt 株などの有価証券の手続きは、名義を被相続人から相続人に変更します。証券会社を通じて取引している場合には、相続人が証券会社に口座を開設する必要があります。 証券会社を通さないで取引している場合には、株式などを発行している会社に直接問い合わせをして、手続方法を確認します。 被相続人が自分で経営している会社の株を有していた場合(自社株)には、会社関係者に連絡して、手続方法を確認しましょう。

証券会社を通して取引している場合

証券会社を通して取引している場合の手続きの流れは、大きく次のとおりです。

  1. 証券会社に連絡し、必要書類を確認する。
  2. 証券会社から送られてくる書類を受け取る。
  3. 必要書類を用意する。
  4. 書類を証券会社に提出する。

まず、証券会社に、被相続人が亡くなったので相続の手続きをしたいことを連絡します。証券会社から必要な書類が送られてきます。 次に、必要書類を用意します。口座が複数ある場合、戸籍謄本などが何通も必要になることがあるので、先にすべての口座について手続方法を確認してから用意するとスムーズです。 必要書類は、証券会社によって異なりますが、おおむね次のようなものが挙げられます。

必要書類 入手できる場所
遺言書の写し 自宅、公証役場など
検認済証明書の写し
(公正証書遺言の場合は不要)
家庭裁判所
被相続人の戸籍謄本
(死亡したことがわかるもの)
戸籍謄本は市区町村役場
株を相続する人の印鑑証明書 市区町村役場
証券会社所定の届出書類
(名称は証券会社により異なります)
証券会社

必要書類が用意できたら、証券会社に提出します。 名義変更がされるまでに、数日かかる場合があります。

自動車の手続き

alt 自動車の手続きは、自動車のローンが残っているかどうかなどによって異なります。 自動車を購入するには、代金を一括で支払って購入する場合もありますが、ローンを組んだりリース契約をしたりして購入し、月々の支払いで返済していく場合もあります。 被相続人から受け継ぐ自動車にローンが残っているかどうかを確認するには、まず、車検証を見て所有者を確認します。 車検証は、車のダッシュボードやトランクなどに入れられていることが多いです。

所有者が被相続人ではない場合

所有者が被相続人ではない場合、ローンが残っていたり、リース契約が結ばれている可能性があります。 車の所有者となっている会社に連絡し、どのような契約が結ばれているのか?ローンがいくら残っているのか?などを確認しましょう。 ローンが残っている場合とリース契約の場合とに分けて説明します。

ローンが残っている場合

alt ローンが残っていない場合でも、所有者がローン会社のままになっている場合があります。 そのような場合には、ローン会社に所有権を解除してもらい、名義変更などの手続きをすることになります。 名義変更などの手続きについては、後述する「所有者が被相続人の場合」を読んでください。 ローンが残っている場合に、ローンを支払う債務は相続人が法定相続分に応じて相続します。遺言書によって車を相続する人が決まっている場合でも、ローンはその人だけでなく、相続人全員が相続することになるので、気をつけましょう。 ローン会社は、残ったローンを一括で支払うよう相続人に求めることが多いです。 返済が可能な場合には、支払ってもよいでしょう。支払いは、現金や預貯金を相続した場合にはそのお金から払うこともできますし、自分の預貯金から支払うこともできます。 返済した場合には、ローン会社に所有権を解除してもらい、名義変更などの手続きをします。 ローンを一括では支払えない場合には、車を使いたいか、処分したいかによって手続きが異なります。 車を使いたい場合には、ローン会社と交渉することになります。車を受け継ぐ人がローン会社と再契約をして、月々のローンを返済しながら車を使えるようにします。 ただし、再契約をするには、車を受け継ぐ人が新しくローンを組むので、与信の審査を受ける必要があります。審査に落ちた場合には、再契約することはできません。 車を処分したい場合には、ローン会社に車を引き上げてもらいます。車の価格がローンの残りより多ければ、それで終了です。車の価格がローンの残債に足りない場合には、足りない分を支払う必要があります。 ローンを支払うお金が用意できない場合には、他の相続人と話し合いをして、遺産の中からローンを支払うという方法もあります。 相続放棄をすることによって、ローンから免れる方法もあります。 ただし、相続放棄をすると、ローンだけでなく、他の遺産もすべて放棄することになるので、注意が必要です。 また、相続放棄には期限があり、「自己のために相続の開始を知ったとき」(被相続人が亡くなったことと、その相続において自分が相続人となったことを知ったとき)から3か月以内に手続きをする必要があります。

リース契約の場合

リース契約の場合、被相続人の死亡によって契約が終了すると決められていることが多いです。どのような契約内容になっているか、まずはリース会社に確認しましょう。 契約が終了する場合、車はリース会社に返却します。契約が終了した後のリース料を支払う必要はありません。 同じ車に乗り続けたい場合には、リース会社と交渉します。車に乗りたい人が契約者となって、リース会社と再契約を結ぶことになります。

所有者が被相続人の場合

車の所有者が被相続人だった場合には、ローンやリース契約はありません。名義変更などの手続きをすることになります。 名義変更手続きは、車の種類(自動車、軽自動車、バイク、原付バイク)により異なります。

普通自動車の場合

普通自動車の名義変更手続きは、国土交通省の地方運輸局(陸運局)で行います。 必要な書類は、一般的に次のような書類です。ただし、異なる書類が必要な場合もあります。どのような書類が必要か、地方運輸局に問い合わせをしましょう。

必要書類 入手できる場所
遺言書の写し 自宅、公証役場など
検認済証明書の写し
(公正証書遺言の場合は不要)
家庭裁判所
被相続人の住民票
(死亡したことがわかるもの)
市区町村役場
車を受け継ぐ人の住民票 市区町村役場
車を受け継ぐ人の印鑑証明書 市区町村役場
車を受け継ぐ人の実印 車を受け継ぐ人
車庫証明書
(被相続人の住所と車を受け継ぐ人の住所が違う場合)
警察署

軽自動車の場合

軽自動車の場合には、軽自動車検査協会で手続きを行います。 車が軽自動車かどうかは、車検証の「自動車の種類」で確認することができます。 必要書類は、軽自動車検査協会のホームページで確認することができます。

二輪バイクの場合

二輪バイクの場合には、国土交通省の地方運輸局(運輸支局、陸運局)で手続きを行います。 名義変更手続きをするには、いったん廃車にする手続きをしてから、名義変更の手続きをすることが多いです。 一般的に必要な書類などは次のとおりです。 ただし、異なる書類が必要な場合もあります。どのような書類が必要か、地方運輸局(陸運局)に問い合わせをしましょう。

必要書類など 入手方法
ナンバープレート ナンバープレートは、ドライバーなどの工具で外すことができます。
軽自動車届出済証 購入時に渡される書類です。自賠責保険の書類と一緒に保管されていることが多いです。見つからない場合は陸運局に相談しましょう。
自賠責保険証明書 軽自動車届出済証と一緒に保管されていることが多いです。
バイクを受け継ぐ人の住民票 市区町村役場
軽自動車届出済証返納届 陸運局の用紙販売窓口で購入する。
軽自動車届出済証返納証明書交付請求書 陸運局の用紙販売窓口で購入する。
軽自動車届出書 陸運局の用紙販売窓口で購入する。
軽自動車税申告書 陸運局に隣接する税事務所
軽自動車届出済証返納証明書 廃車したときにもらえます。
軽自動車届出済証返納済確認書 廃車したときにもらえます。

二輪バイクの手続きには費用がかかります。 まず、届出書などを陸運局で購入する必要があり、100円ほどかかります。 二輪バイクの中でも、126cc〜250ccの軽二輪バイクの場合には、廃車の手数料として500円ほど、新しいナンバーを取得するのに600円ほどかかります。 250cc以上の小型二輪の場合は、廃車の手数料として350円ほどかかります。

原付バイク、小型特殊自動車(フォークリフトなど)の場合

原付バイクや、小型特殊自動車(フォークリフトなど)の場合には、市区町村役場で名義変更の手続きをします。 名義変更手続きをするには、いったん廃車にする手続きをしてから、名義変更の手続きをします。 一般的に必要な書類などは次のとおりです。 ただし、異なる書類が必要な場合もあります。どのような書類が必要か、市区町村役場に問い合わせをしましょう。 必要書類が市区町村役場のホームページに書かれている場合もあります。

必要書類など 入手方法
ナンバープレート ナンバープレートは、ドライバーなどの工具で外すことができます。
標識交付証明書 購入時に渡される書類です。自賠責保険の書類と一緒に保管されていることが多いです。見つからない場合は市区町村役場に相談しましょう。
印鑑 自宅
窓口に行く人の本人確認書類
(運転免許証など)
自宅

自動車保険の手続きも忘れずにしましょう

自動車保険には、すべての人が加入を義務付けられている自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)と、個人が任意で加入する民間の保険会社の自動車保険があります。 被相続人がどのような保険に入っていたか確認し、車を廃車にする場合には、保険を解約しましょう。先払いしている保険料がある場合には、返してもらうことができます。 車に引き続き乗る場合には、保険も名義変更の手続きをしましょう。手続きの方法は保険会社ごとに異なります。保険会社に問い合わせましょう。

貴金属、骨董品、美術品などの動産

alt 貴金属、骨董品、美術品などの動産は、受け継ぐ人に引渡しをします。 引渡しの方法には、その物自体を渡す方法や、金庫に保管した上でその金庫の鍵を渡す方法などがあります。

ゴルフ会員権

alt ゴルフ会員権の手続きは、名義変更をします。 名義変更の手続方法は、ゴルフ場により異なるので、ゴルフ場に問い合わせをして確認しましょう。 名義変更をする際に、名義変更料が発生する場合があります。

借金などの債務の手続き

alt 借金などの債務は、遺言書で特定の人に受け継がせると書かれている場合でも、その記載に関係なく法定相続人が法定相続分に応じて受け継ぎます。銀行などの貸主は、法定相続人全員に対して、支払いを求めることができます。 遺言書に書かれた人ではない相続人が支払いをした場合、遺言書に書かれている人に後から求償することができます。 銀行から支払いを求められないようにするためには、遺言書のとおりに債務が相続されることを銀行に認めてもらう必要があります。このような手続きを「免責的債務引受」といいます。 免責的債務引受の手続きは、銀行などの貸主に連絡し、債務を特定の相続人に受け継がせたい旨を伝えましょう。専用の書類を用意してもらえます。 銀行などの貸主が、債務を特定の相続人に受け継がせることを拒否する場合もあります。その場合には、免責的債務引受はできません。

お墓

alt お墓は相続財産ではありませんが、手続きが必要なのでここで紹介します。 お墓の手続きは、名義変更をします。 名義変更をしないままで放置していると、無縁墓として撤去されてしまう可能性があるので、気をつけましょう。

手続きの流れ

名義変更手続きの流れは、大きく次のとおりです。

  1. 墓地や霊園に連絡し、手続方法を確認する。
  2. 必要書類を用意する。
  3. 必要書類を墓地や霊園に提出する。

まず、墓地や霊園に連絡し、被相続人が亡くなったので名義変更の手続きをしたいことを連絡します。 必要書類は墓地や霊園によって異なります。名義変更に費用がかかる場合があります。墓地や霊園に確認しましょう。 必要書類は、墓地や霊園によって異なりますが、次のようなものが挙げられます。

必要書類 入手できる場所
墓地や霊園への届出書類
(名称は墓地や霊園により異なります)
墓地や霊園
墓地使用許可証 被相続人の自宅など
被相続人の戸籍謄本
(死亡したことがわかるもの)
市区町村役場
お墓を受け継ぐ人の戸籍謄本 市区町村役場

必要書類が用意できたら、墓地や霊園に提出します。

相続税の申告・納税も忘れずに行いましょう

alt 相続税の申告や納税が必要な場合には、それらの手続きも忘れずに行いましょう。 申告や納税の期限は、被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。 たとえば、1月6日に亡くなった場合にはその年の11月6日が期限です。この日が土曜日、日曜日、祝日などの場合は、その翌日が期限となります。 期限までに申告をしなかった場合や、実際の遺産より少ない額で申告をした場合、期限内に申告したとしても納税の期限を過ぎてしまった場合には、加算税や延滞税がかかる場合があるので、気をつけましょう。

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