離婚・相続に注力し、根が深い家族間トラブルを解決「辛い経験を乗り越えて、よりよい人生を歩んでほしい」
「自分の意見が言えない人の代弁者になりたい」
ーー弁護士を目指したきっかけや理由を教えてください。
学生時代はおとなしいタイプで、自分の気持ちを表現することが苦手でした。もどかしい思いをすることが多かったので、そんな自分を変えたいという思いがありました。
弁護士の資格があれば、おとなしい性格でも法律の理論に基づいて、自分の意見を表明できるのではないかと考えたんです。また、私のように自分の意見を言うことが苦手な人の気持ちを代弁できる仕事をしたいと思いもありました。
ーー注力分野と、その分野に注力している理由を教えてください。
離婚と相続に注力しています。どちらも、依頼者の人生の転換期に関わる分野です。
離婚は、離婚したい側・請求された側のどちらにとっても、非常に辛い出来事です。しかし、離婚の辛さを乗り越えて、新たな人生をスタートをさせる方もいます。特に熟年離婚では、長い間、妻としての役割・夫としての役割に縛られて抑圧されてきた方が、離婚をきっかけに自由に生きる人生を再出発するケースがよくあります。
依頼者が離婚をきっかけに前向きな人生を歩んでいけるように、弁護士としてお手伝いをしたいと思い、注力しています。
ーー相続のトラブルも根が深い問題ですよね。
はい。兄弟姉妹の間で、財産の取り分についてもめるケースが多いのですが、その根本には、子ども個人と亡くなった親との関係が、切っても切り離せない問題として横たわっています。
法律相談に来た方は、はじめは「弟の方が多く財産をもらえるのは納得できない」など、財産の取り分に対する不満を話します。でも、じっくり対話を重ねるうちに、「自分は親の意向でしぶしぶ稼業を継いで好きなことができなかったのに、弟は自由に生きてきた」というように、兄弟間の格差の問題が見えてきます。こういったケースでは、弟も「兄ばかりが跡継ぎとして特別扱いされて、自分はほったらかされていた」などと不満に思っていることがよくあります。
兄も弟も親に対して不満や恨みをぶつけたいけれど、もう親は亡くなっている。代わりに、自分よりも親によくしてもらっていた兄弟姉妹に矛先が向き、「なぜお前の方が取り分が多いのか」と不満が噴出して、相続争いという形になって現れます。
トラブル解決に向けて当事者間で話し合う過程で、自分の知らなかった、親と兄弟姉妹の関係に気が付くこともあります。優遇されていたと思っていた兄弟姉妹が実は不自由な思いをしていたと知るなど、新たな発見をすることで、考え方が変わることもあるようです。
相続をきっかけに、親が亡くなっていても、自分の中で生前とは違った関係を結び直せたり、そう多くはないですが兄弟姉妹間の不仲が改善したりする場合もあります。依頼者が家族の問題に一区切りつけて前に進むためのサポートができたとき、やりがいを感じます。
気持ちを言葉にすることが、問題解決の一歩「どんな話も真摯に受け止める」
ーー仕事をするときに心がけていることは何ですか。
依頼者の話をよく聞くことに尽きると思います。法律とはあまり関係のない話にも、しっかり耳を傾けるようにしています。
依頼者自身が言いたいことを全て話すことは、問題解決のための第一歩であり、必要なプロセスです。弁護士に話をすることで気持ちを整理できたり、不安が和らいだりすることもあります。
たとえば相続の寄与分をめぐるトラブルでは、問題解決のために、依頼者が言いたいことを言うというプロセスが特に重要です。寄与分とは、被相続人(亡くなった人)の介護などをして財産の維持・増加に貢献した人に対して、財産の取り分を増やす仕組みのことです。寄与分は法律上のルールではあるのですが、調停や審判で主張しても必ずしも認めてもらえるとは限りません。
依頼者は「お風呂の介助や下の世話もした。病院にも連れて行った」と、いかに被相続人に尽くしたかを切々と話します。しかし、寄与分が認められるハードルは高く、「そのくらいの支援では認められないだろうな」と思うケースが多いのが実情です。
ただ、最終的には寄与分が認められなかったとしても、弁護士との打ち合わせや裁判所の調停を経て、「取り分には反映されなかったけれど、言いたいことを言えて、話を聞いてもらえたので、気持ちに区切りがつきました」と言ってもらえることは多々あります。
被相続人の介護をしていた人は、他の親族から「タダで親の家に住めてよかったじゃないか」と言われたり、「親の金を勝手に使ったのではないか」とあらぬ疑いをかけられたりして、かなり辛い思いをしていることが多いんです。
言いたいけれど言えなかったモヤモヤを、依頼者自身が言葉で発して誰かに聞いてもらうことで、気持ちの整理がつく場合もあります。法律的に考えると、「それを主張しても仕方がない」と思うような話でも、依頼者にとっては、気持ちの整理をするための重要なエピソードかもしれない。そう考えて、どのような話であっても真摯に受け止めることを心がけています。
「辛いことや苦しいことは誰にでも起きる。1人で抱え込まないで」
ーープライベートについても伺います。休日はどのように過ごしていますか。
プールで泳いだり、テニスをしたりして、身体を動かしていることが多いですね。将棋も好きで、将棋会館道場に行って対局することもあります。
ーー今後の展望についてお聞かせください。
依頼者の人生をいい方向に変えるお手伝いをして、「この弁護士に頼んでよかった」と思ってもらえるような仕事をしたいです。
質の高い仕事をすることで依頼者の満足度を上げて、新しい依頼者とのご縁をいただくというふうに、広がりが生まれればいいなとも考えています。
ーートラブルを抱えて悩んでいる方へのメッセージをお願いします。
長い人生の中で、誰にでも、辛いことや苦しいことは起きます。そんなときは1人で抱え込まないでください。誰かに話すだけでも気持ちが楽になったり、解決の道筋が見えたりすることもあります。
弁護士として、あなたが抱えている不安や困難を乗り越えられるようにサポートしたいと思いますので、お気軽にご相談ください。