遺産の名義変更に便利な「法定相続情報証明制度」を解説

遺産の名義変更の手続きには、被相続人や相続人全員の戸籍謄本が必要なことが多くあります。 戸籍謄本の情報を1枚の用紙にまとめられる「法定相続情報証明制度」を利用することで、手続きにかかる手間を抑えられるます。 この記事では、法定相続情報証明制度を利用するための手続きについて、詳しく解説します。

目次

  1. 遺産の名義変更には戸籍謄本が必要なことが多い
    1. 名義変更は時間とお金がかかる
  2. 「法定相続情報証明」で名義変更の手続きの時間や費用を抑えられる
    1. 「法定相続情報一覧図の写し」は一度に必要な枚数分を作成してもらえる
    2. 「法定相続情報一覧図の写し」は無料で作成してもらえる
  3. 「法定相続情報証明制度」の利用方法
    1. 手続きに必要な書類
    2. 手続きができる法務局
    3. 書類を提出した後の流れ

遺産の名義変更には戸籍謄本が必要なことが多い

遺産の分け方が決まると、引き継ぐことになった遺産の名義を、亡くなった家族(被相続人)から自分(相続人)に変更する必要があります。 遺産の名義変更に必要な書類は、不動産や預貯金、株式など、遺産ごとに異なりますが、多くの場合、被相続人や相続人全員の戸籍謄本の提出が求められます。

名義変更は時間とお金がかかる

預金や不動産、株式など、被相続人が様々な遺産を残していると、名義変更の手続きに時間や費用がかかる場合があります。 たとえば、預金の相続手続きを行うとき、銀行によっては、提出した戸籍謄本などを返却してくれる場合もあります。 ただし、返却に数日かかることもあるので、複数の銀行に口座を開設している場合は、手続きに時間がかかる可能性があります。 また、戸籍謄本が返却されなければ、名義変更を行う回数に合わせて、戸籍謄本を何度も取り寄せなければなりません。 被相続人が何度も転籍しているような場合は、取り寄せる回数が増えるため、手数料もかさみます。

「法定相続情報証明」で名義変更の手続きの時間や費用を抑えられる

こうした名義変更にかかる時間や手間を抑えられる制度として、2017年5月からスタートした「法定相続情報証明制度」というサービスがあります。 法定相続情報証明制度は、法務局に申し込むことで、被相続人と相続人の関係を一枚の図にした「法定相続情報一覧図の写し」を作成してもらえるサービスです。 法定相続情報一覧図の写しのイメージ 法定相続情報一覧図の写しのイメージ 出典:法務局ホームページ 法定相続情報一覧図の写しは、名義変更に必要な書類として、戸籍謄本の代わりに銀行や法務局などに提出できます。

「法定相続情報一覧図の写し」は一度に必要な枚数分を作成してもらえる

「法定相続情報一覧図の写し」は、「手続きに必要な枚数分」を一度に作成してもらうことができます。 法定相続情報証明制度を利用しない場合、銀行によっては、預金の相続手続きを行うときに提出した戸籍謄本などを返却してくれる場合もあります。 ただし、返却に数日かかることもあるので、複数の銀行に口座を開設している場合は、手続きに時間がかかる可能性があります。 制度を利用して、手続きに必要な枚数の一覧図を作っておけば、複数の銀行や法務局などで手続きする場合も、書類の返却を待つ必要がありません。同時に手続きができるので、時間を短縮することができます。

「法定相続情報一覧図の写し」は無料で作成してもらえる

銀行などの手続きで、戸籍謄本が返却されない場合、名義変更を行う回数に合わせて、戸籍謄本を何度も取り寄せなければなりません。 被相続人が何度も転籍しているような場合は、取り寄せる回数が増えるため、手数料もかさみます。 法定相続情報証明制度を利用すれば、戸籍を1セット用意する必要はありますが、一覧図の写しは「無料」で作成してもらえます。提出した書類が返却されない場合も、1セット分の戸籍謄本を集める費用だけでよいのです。

「法定相続情報証明制度」の利用方法

制度を利用するためには、次のような手続きを行います。

  • 戸籍謄本(除籍謄本)などを収集する
  • 法定相続情報一覧図を自分で作成する
  • 申出書に必要事項を記入する
  • 戸籍謄本や一覧図、申出書などの必要書類を法務局に提出する

手続きに必要な書類

制度を利用するには、主に以下のような書類を提出する必要があります。

         
必要書類 入手できる場所
申出書 法務局のホームページからダウンロードできます。
法定相続情報一覧図 法定相続情報一覧図は申し込む人自身が作成します。記載例が法務局のホームページで紹介されています。
被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本(除籍謄本) 被相続人の本籍地を担当する市区町村役場
被相続人の住民票の除票 被相続人の最後の住所地を担当する市区町村役場
相続人全員の戸籍謄本 各相続人の本籍地を担当する市区町村役場
申し込む人の本人確認書類
(運転免許証やマイナンバーカードのコピーなど)
申し込む人自身

申出書は、法務局のホームページからダウンロードできます。 法定相続情報一覧図の記載例が法務局のホームページで紹介されています。

上記以外にも必要な書類がある場合があるので、法務局に確認しましょう。

手続きができる法務局

以下の地域を担当する法務局で申し込むことができます。

  • 被相続人の本籍地(死亡時の本籍)
  • 被相続人の最後の住所地
  • 申し込む人の住所地
  • 被相続人名義の不動産の所在地(遺産に不動産がある場合)

書類を提出した後の流れ

法務局に必要書類を提出すると、「法定相続情報一覧図」が法務局に保管されます。 法務局は保管した「法定相続情報一覧図」をもとに、法務局が内容を確認した証明となる「認証文」を押した「法定相続情報一覧図の写し」を作成し、申し込んだ人に交付します。 一覧図の写しは、申し込んだ法務局だけでなく、郵送でも受け取ることができます。 また、法定相続情報一覧図は、法務局に5年間(申出日の翌年から起算)保管されます。 この間は、「再交付申出書」などを法務局に提出することで、一覧図の写しを再交付してもらうことができます。 再交付申出書は法務局のホームページでダウンロードできます。

手続きは弁護士などの専門家に代行を依頼することができます。戸籍謄本の収集や、法定相続情報一覧図の作成などが難しい場合は、依頼を検討してもよいでしょう。

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