【離婚の財産分与の手続き】専業主婦でももらえる?分与したくないときは?車やローンや借金の扱いも解説

財産分与とは、離婚するとき、夫婦が結婚している間に築いた財産を分け合うことです。収入がなかった専業主婦でも財産分与は受けられるのでしょうか。反対に、財産を一切渡したくない(分与したくない)という主張は認められるのでしょうか。この記事では、財産分与の手続きの流れについて詳しく解説します。不動産や車などの財産以外も、貯金や年金、住宅ローンや借金の扱いについても解説します。

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目次

  1. 財産分与とは
    1. 財産分与の対象となる財産
    2. 財産分与の対象とならない財産
  2. 持ち家やマンションや車はどう分ける?(ローンがない場合)
    1. まずは不動産や車の価値を算出する
    2. 1.不動産や車を売る場合
    3. 2.どちらかが不動産や車を所有する場合
  3. 財産分与したくない場合は?
  4. 専業主婦でも財産分与を受けられる?
  5. ローンや借金は財産分与の対象?
    1. マンションの評価額の方がローン残高よりも高い場合
    2. マンションの評価額の方がローン残高よりも低い場合
  6. 退職金や年金は財産分与の対象?
    1. すでに支払われた退職金の分け方
    2. 将来支払われる予定の退職金の分け方
    3. 厚生年金を分ける「年金分割」の方法
  7. 財産分与の手続きの流れ
    1. 財産をリストアップ後、支払い方法を決める
    2. 財産分与の取り決めは公正証書にする
    3. 話し合いでもめたら調停を利用しよう
  8. まとめ
  9. 次はこの記事をチェックしましょう

財産分与とは

結婚している間に貯めたお金や不動産、車などの財産は、夫婦の共有財産となります。 そのため、離婚する際は、一定の割合で分けるよう、配偶者に要求することができます。財産分与といいます。

財産分与の対象となる財産

財産分与の対象となるのは、以下のような財産です。

  • 預貯金
  • 有価証券
  • 不動産
  • 生命保険・個人年金
  • 自動車
  • ゴルフ会員権
  • 退職金
  • 結婚後に購入した家財道具

夫婦どちらか一方の名義になっている財産であっても、結婚後に手に入れた財産は、夫婦共同の財産だと考えられています。 また、プラスの財産だけではなく、住宅ローンなどのマイナスの資産も財産分与の対象になります。

財産分与の対象とならない財産

財産分与の対象とならないのは、以下のような財産です。

  • 結婚前から持っているもの
  • 結婚前に貯めた預貯金
  • 結婚している間に相続した財産
  • 単独で使用するもの(男物・女物の区別があるアクセサリー、個人の携帯電話など)

別居をした場合、夫婦の協力関係が終了したということなので、別居後に増減した財産についても財産分与の対象にはなりません。

高額な時計や宝石などは、単独で使用するものであっても、取得や維持に夫婦の一方が貢献しているといえる場合には、共有財産として財産分与の対象になる場合があります。

持ち家やマンションや車はどう分ける?(ローンがない場合)

持ち家やマンションなどの不動産や車が相手の名義だったとしても、結婚後に取得したのであれば、財産分与を求めることができます。 不動産や車のローンが残っている場合と残っていない場合とで、プロセスが変わってきます。ここではまず、ローンが残っていない場合の財産分与の方法を解説します。ローンが残っている場合の方法は、この記事の後半で解説します。

まずは不動産や車の価値を算出する

ローンが残っていない不動産や車については、以下のような方法で財産分与をすることが一般的です。

  1. 不動産や車を売ってお金に変え、売却にかかった経費を差し引いて現金で分ける
  2. どちらかが不動産や車を所有し、一方に評価額の半額(あるいは、不動産を得るためにそれぞれが支払った金額の割合に応じた金額)にあたる現金を渡す

1と2に共通するステップとして、まずは、不動産や車の価値(評価額、市場価格)を算出します。 評価額や市場価格とは、不動産や車を金銭的な価値に換算した場合の金額のことです。 算出するときは、専門の業者に査定を依頼しましょう。業者によっては、無料で簡易査定してくれるところもあります。車の場合は、中古車業者のサイト上でメーカーや車種などを入力すると、市場価格の相場を調べることができます。 業者によって金額が異なる場合があるため、複数の業者から相見積りを取り、その中間値をもとに話し合いを進めることを検討してもよいでしょう。 不動産や車の価値を算出したら、ローン残高と比較してみましょう。 評価額を算出したら、1と2のどちらの方法で分けるかを選びます。どちらを選ぶかによってその後のプロセスが変わります。

1.不動産や車を売る場合

1の方法の場合、不動産の評価額から、仲介手数料や印紙税、登記費用といった売却経費を差し引いた金額を、夫婦で現金で分け合います。

2.どちらかが不動産や車を所有する場合

たとえば、マンション(評価額1200万円)の名義人である配偶者が、離婚後もそのマンションに継続して住み続けたいと思っているケースで考えてみましょう。 この場合、あなたは配偶者に対して、評価額の一定割合を支払うよう要求することができます。分与の割合を2分の1とすると、600万円を支払ってもらうことができます。 ただし、マンションを売却していないため、離婚する際に一括して600万円を支払ってくれるとは限りません。 場合によっては、分割払いなどの方法も話し合っておく必要があります。話し合った支払い方法などは、離婚協議書に記載しておきましょう。 反対に、あなたがマンションに住み続けることを希望しているような場合は、配偶者の名義から、あなたの名義に、マンションの名義を変更する必要があります。

財産分与したくない場合は?

離婚原因が夫婦の一方にあるような場合は、もう一方の配偶者が「財産を渡したくない」と考えることがあるかもしれません。 浮気や暴力などで離婚原因を作った側からも財産分与を請求できます。基本的に、財産分与は慰謝料とは別の問題だからです。

離婚の際の慰謝料と財産分与について

相談者の疑問 妻が不倫しまして、やり直す努力はしましたが叶わず、先日別居を始めました。どうやらまだ男とつながっているようです。

妻から婚姻費用を請求されています。私はいったん退職したので収入は非常に少ないのですが、婚姻費用を支払う必要あるのでしょうか?また財産分与は避けられないのでしょうか?

下大澤 優の写真 弁護士の回答下大澤 優弁護士 少ないながらも収入がある場合には、婚姻費用支払義務を負う可能性があります。

具体的な婚姻費用額は、配偶者の収入も考慮の上算定することになります。例外的に、別居に至った原因が専ら相手方にある場合(不貞により別居を余儀なくされた場合など)には婚姻費用請求が不可能となり得ますが、不貞の明確な証拠が存在しない限り、このような判断を得ることは困難です。

財産分与については、不貞の有無にかかわらず、同居期間中に形成された夫婦共有財産を清算することになります。したがいまして、財産分与を免れることはできないと考えた方がよいです(もちろん、相手方が財産分与を放棄する場合には財産分与の必要はありませんが)。

夫婦の一方が財産分与を拒否し、話し合いをしても折り合いがつかない場合は、家庭裁判所の離婚調停を利用して解決を目指すことができます。

専業主婦でも財産分与を受けられる?

妻が専業主婦で、夫の収入だけで生活していた場合でも、財産分与を受けることができます。 「財産を築き維持できたのは妻が家事や育児などのサポートをしていたから」と評価されるためです。

財産分与における預貯金について 専業主婦の場合

相談者の疑問 専業主婦ですが、今離婚するとなると財産分与で預貯金はどう計算されますか?収入は夫の収入のみなので、ここからこれまでに使った費用を差し引いて分けるということになりますか?マイナスの場合は収入のない私は誰かに借りてでも返すということになるのでしょうか?

岡村 茂樹の写真 弁護士の回答岡村 茂樹弁護士 1. 離婚時(別居時)の残高が分与対象です。
2. どなたの収入なのか、どなたの名義の口座なのかは問いません。
3. どなたの収入なのかにかかわらず、婚姻中に蓄積した共同の財産となります。
4. 口座残高がマイナスの場合、分与すべき財産にならないだけです。
5. マイナスの清算はありません。

ローンや借金は財産分与の対象?

プラスの財産だけではなく、不動産や車のローン、借金といったマイナスの資産も財産分与の対象です。 自分名義でローンを組んだ場合であっても、残債を返済していく負担は、相手に分担してもらうことができます。 不動産や車のローンが残っている場合、以下の点を確認した上で、「不動産や車を売却するのか、どちらかが所有し続けるのか」「残っているローンをどうするのか」といった点を話し合っていくことになります。

  1. 不動産や車の名義は夫婦どちらになっているのか
  2. ローンは夫婦どちらの名義で組んでいるのか
  3. 不動産や車の現在の価値(評価額、市場価格)はいくらなのか
  4. ローンの残高は不動産や車の価値を上回るのか(オーバーローン)、下回るのか(アンダーローン)

ここでは、結婚後に購入したマンションの住宅ローンが残っているというケースについて、財産分与のプロセスを紹介します。

マンションの評価額の方がローン残高よりも高い場合

マンションの評価額の方がローン残高よりも高いことを、「アンダーローン」といいます。 アンダーローンの場合、マンションの評価額からローン残高を引いたプラスの部分が、財産分与の対象になります。 たとえば、結婚している間に手に入れて夫婦で住んでいたマンションの評価額が2000万円で、ローン残高が1000万円だった場合、1000万円(2000万円ー1000万円)が財産分与の対象です。

夫婦のどちらかがマンションを所有し続ける場合

たとえば、マンションの名義人である配偶者が、離婚後もそのマンションに継続して住み続けたいと考えているとします。 この場合、あなたは配偶者に対して、差額の1000万円のうち、一定割合を支払うよう要求することができます。分与の割合を2分の1とすると、500万円を支払ってもらうことができます。 ただし、マンションを売却していないため、離婚する際に、配偶者が一括して500万円を支払ってくれるとは限りません。 場合によっては、分割払いなどの方法も話し合っておく必要があります。話し合った支払い方法などは、離婚協議書に記載しておきましょう。

マンションの評価額の方がローン残高よりも低い場合

マンションの評価額の方がローン残高よりも低いことを、「オーバーローン」といいます。

マンションを売る場合

ローン残高が、マンションの評価額を上回る場合、それらを売ってもローンが残ってしまいます。 たとえば、マンションの評価額が1000万円、ローン残高が1500万円の場合には、マンションを売っても500万円のローンが残ります。 ローンを返済するのは、あくまでも、借入れのときに債務者や保証人になった人です。貸し手は、借り手の資産や収入、職業などを審査した上でお金を貸すかどうかを判断しています。 「夫婦2人で半分ずつ返済する」など、借り手の判断で勝手に2つに分けることはできません。 ローンの債務者である配偶者が、「自分だけがローンの返済を負担するのは不公平だ」と考えた場合、あなたもローンの返済を負担するよう要求される可能性があります。 そのような場合は、現金や預金など他の共有財産でローンを返済し、残った財産を夫婦で分けることを検討するとよいでしょう。

配偶者がマンションを所有する場合

マンションを売らずに、配偶者が所有し続けることになった場合、債務者である配偶者が引き続きローンを返済していくことになります。 このとき注意したいのは、あなたも連帯保証人として、ローンを負担している場合です。この場合、あなたはマンションから出て行くことになっても、ローンの保証義務は引き続き負うことになります。 あなたが返済義務を負わないようにするには、金融機関と交渉して、連帯保証人から外してもらう必要があります。 ただし、金融機関は、連帯保証人から外れることをなかなか認めません。認められたとしても、新たな保証人や、一部前倒しでの返済を求められるといった可能性があります。

あなたがマンションに住み続けたい場合

マンションの名義もローンの債務者も配偶者というケースで、あなたがマンションに住み続けたいという場合、次のいずれかの方法を選ぶことになります。

  1. 名義を自分に変更してローンは配偶者が返済する
  2. 名義とローンの債務者を配偶者のままにする
  3. 名義と債務者を自分に変更する

1. 名義を自分に変更してローンは配偶者が返済する場合 あなたがマンションに住み続けたいと思っていても、収入がなくローンが返済できないような場合、配偶者にローン返済をしてもらうことが考えられます。 しかし、マンションの名義を変更するためには、金融機関の承諾が必要です。基本的に金融機関は、物件を所有する人とローンの債務者が異なる状態を好ましく思いません。 名義変更が認められるハードルは高いでしょう。 2. 名義と債務者を配偶者のままにする場合 この場合、あなたは、配偶者が所有しているマンションに住み続けるということになります。 この場合、家賃を支払えば「賃貸借」、無償であれば「使用貸借」という契約を結ぶ形になります。 ローンの返済は、債務者である配偶者が引き続き負担します。あなたに経済力があれば、配偶者に月々のローン返済額にあたるお金を家賃として支払うと取り決めることもできます。 注意したいのは、離婚後、マンションの所有者である元配偶者が亡くなった場合、マンションの相続人から退去するよう言われてしまう可能性があることです。 元配偶者と、マンションの家賃を支払って住む賃貸借契約を結んでいる場合は、退去することを拒否できます。家賃は、相続人に対して支払うことになります。相続人は、元配偶者から、家賃の支払いを受ける権利を引き継いだと考えるためです。 元配偶者と賃貸借契約を結ぶときには、家賃としていくら支払うかといった条件を書面にまとめておくとよいでしょう。相続が発生した場合に、退去を拒否するための証拠となります。 一方、マンションに無償で住んでいる(使用貸借契約)場合は、住む期間や目的などを決めていなければ、退去することを拒否できない可能性があります。 使用貸借の形でマンションに住む場合も、住む期間や目的といった諸条件について、書面にまとめておくことをおすすめします。 3. 名義と債務者を自分に変更する場合 マンションの名義をあなたに変更し、ローンの借換えをすることで、配偶者の代わりにあなたが債務者として返済義務を負うという方法もあります。 借換えをするには、夫婦間で合意するだけではなく、金融機関の承諾が必要です。あなたの収入や資産の状況が調査され、債務者を変更できるかどうかが審査されます。 債務者の変更が認められるためには、新たに債務者になる人に支払い能力がなければなりません。 夫婦共働きで、あなたにもローンを借りられるだけの安定した収入がある場合や、親に資力があり、援助が見込める場合に限られるでしょう。

退職金や年金は財産分与の対象?

退職金は、日々の労働に対する給与の一部が積み立てられ、退職するときにまとめて支払われる、給与の後払いとしての性質があると考えられています。 したがって、退職金も給与と同様に、夫婦2人が協力して築いた財産と考えられるため、財産分与の対象になると考えられます。 また、離婚するとき、夫婦のどちらかは、配偶者が支払った厚生年金保険料の納付記録を分けてもらい、将来受け取れるはずの年金額に反映させることができます。年金分割といいます。 以下では、退職金の分け方と年金分割方法について見ていきましょう。

すでに支払われた退職金の分け方

退職金は、すでに支払われているか・将来支払われる予定かのどちらかによって、財産分与の方法が異なります。 すでに退職金が支払われている場合は、結婚している期間に対応する部分が財産分与の対象です。 たとえば、勤務年数が40年で結婚期間が35年の場合、以下のような計算で退職金を分けます。

結婚して35年の夫婦の場合・夫 元会社員で勤続40年・退職金2500万円
・妻 元パート勤務・退職金0円

①財産分与の比率を結婚している期間から計算する
3000万円(退職金)÷40年(勤続年数)×35年(婚姻期間)=2625万円

②夫婦で2分の1ずつ分ける
2625万円÷2=1312万円

ただし、退職金がすでに支払われていても、生活費などに使ってなくなっている場合には、財産分与の対象とならない可能性があります。

将来支払われる予定の退職金の分け方

将来支払われる予定の退職金も財産分与の対象になる可能性があります。 配偶者に将来支払われる予定の退職金について、財産分与の際、どのくらいの金額を求めることができるのでしょうか。 裁判例では、主に次の方法で計算することが一般的です。

1.離婚する時点での退職金の額を財産分与の対象とする方法

離婚する時点で自己都合退職をした場合に受け取れる退職金の額を試算し、その金額を財産分与の対象として離婚時に清算する方法です。 計算式は以下のようになります。

退職金額 × 婚姻期間/勤務年数 = 財産分与の対象額

たとえば、50歳で離婚するとして、その時点で退職すれば退職金を1500万円受け取れるとしましょう。 勤務期間が30年、婚姻期間が20年の場合、1500万円 × 20年/30年=1000万円が財産分与の対象になり、分与割合を2分の1とすると、500万円を自分の取り分として求めることができます。

離婚時に退職するとどのくらいの退職金が支払われるかは、勤務先の就業規則や退職金に関する規定を参考にして試算します。

2.将来支払われるであろう退職金の額を財産分与の対象とする方法

定年退職をしたときに支払われるであろう退職金の額を基準に財産分与を認めた裁判例もあります。 ただし、将来受け取るはずの退職金の額を基準にした場合、「ライプニッツ係数」という係数を使って、財産分与の対象になる退職金の額を差し引くといった調整をすることになります。 将来受け取るはずのお金を現在受け取ることで、投資などを通じて本来よりも多くのお金を手に入れる可能性がでてきます。つまり「もらいすぎ」の状態です。 その「もらいすぎ」の分を、法定利率で計算して、将来受け取る退職金から差し引いて、財産分与の対象となるお金を算出します(中間利息控除)。中間利息控除は、「ライプニッツ係数(原価表)」という数値を用いて算出します。

3.実際に退職金が支払われた時点で財産分与する方法

離婚時ではなく、「実際に配偶者に退職金が支払われた時点で支払え」という判断をした裁判例もあります。たとえば、夫の退職金が2年後に支払われる予定だったとき、「(夫が)退職金の支払を受けたとき、(元妻に)金500万円を支払え」という判決が下されたケースがあります(東京高裁平成10年3月18日判決)。

どの方法がよいのか

3の方法は、支払いが将来になるため、退職した時点で実際に支払ってもらえるのかどうか不確実な側面があります。 一方で、離婚時に退職金を精算して支払ってもらう方法(1と2)は、離婚時にお金を支払ってもらえます。 しかし、実際に退職金が支給される前なので、分与額が高額になると、その分を用意できない可能性があります。 どの支払い方法にするかは、配偶者の財産の状況や、退職までの年数がどの程度残っているのかなどを考慮しながら、お互いが納得できる地点を目指して話し合いを進めていきましょう。

厚生年金を分ける「年金分割」の方法

簡単に言えば、配偶者が支払った婚姻期間中の厚生年金保険料を、最大で半分まで「あなたが支払った」と扱って、あなたが将来受け取る年金額を計算するという仕組みです。 厚生労働省のデータによると、年金分割を受けた方の年金の受給額は、月額平均で3万1000円増額しています(2018年)。 年金分割の仕組みや手続きについては、記事末尾のリンクで詳しく解説しています。

国民年金は年金分割の対象になりません。また、配偶者が自営業で、厚生年金に加入したことがない場合には、年金分割はできません。

財産分与の手続きの流れ

財産をリストアップ後、支払い方法を決める

財産をどう分けるかは、夫婦の話し合いで自由に決められます。お互いに納得できれば、どのような分け方をしてもかまいません。 財産分与を行うときには、まず「財産分与の対象になる財産」と「対象にならない財産」のリストアップをおこないます。 財産分与の対象となるものをリストアップし、それぞれの財産をどう分けるか話し合いがまとまったら、次は支払い方法を決めていきます。

  • 現物(不動産や自動車など)で支払う
  • 不動産や自動車等の財産を自分が所有する代わりに相手にお金を支払う
  • 売却して代金を分ける

など、さまざまなやり方があります。 現金で支払う場合には、一括払い・分割払いのどちらでも構いません。合意次第です。

一括払いであれば、一度の支払いで相手との関係を清算でき、支払いを受ける側からすると、将来支払いが滞るリスクを避けられるというメリットがあります。

財産分与の取り決めは公正証書にする

財産分与について合意したら、金額、支払日、(分割払いの場合は)期間、方法などをすべて文書にして公正証書にしておきましょう。 公正証書とは、公証役場で 、元裁判官や元検察官など法律の専門家から選ばれた公証人に作成してもらう文書です。公正証書には高い信用性があるため、後に裁判などに発展した場合、有力な証拠になります。 「強制執行認諾文言」を付しておけば、約束通りに金銭を支払ってもらえない場合に、裁判などを経なくても、強制執行により預金や給料を差し押さえられます。 「強制執行認諾文言」とは「ここに書かれた取り決めを破ったら、強制執行を受けても文句は言いません」と約束させる一文です。 調停・審判や離婚裁判で支払うことが決められた場合には、調停調書・審判書や判決書に基づいて強制執行ができます。

話し合いでもめたら調停を利用しよう

夫婦の話し合いで結論が出なければ、離婚調停の手続きの中で、財産分与についても話し合えます。 調停や審判では、「夫婦の財産を築くためにお互いどのくらい貢献したか」という点を考慮して分け方が決められます。 この点、基本的には、財産形成の貢献度・寄与度は、夫婦平等だと考えられています。家庭裁判所の実務上では、財産は折半されることが一般的です。

まとめ

財産分与の方法は、夫婦がお互いに納得できれば、話し合いで自由に決めることができます。 ただ、「不動産やローンをどう分ければいいかわからない」「そもそも財産分与の対象となるか判断できない財産がある」といった場合、話し合いがなかなか進まないこともあるでしょう。 夫婦間での話し合いが行き詰まった場合は、弁護士のサポートを受けることを検討してみましょう。 法律の専門家である弁護士のアドバイスによって、自分も配偶者も納得できる着地点を見つけることができます。話し合いで解決せず、調停や裁判に発展した場合も、弁護士に依頼することで、申立てや書類作成、調停や裁判での対応などについてサポートを受けられるというメリットもあります。

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文中で触れた年金分割の方法については、以下の記事で詳しく解説しています。

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