交通事故

弁護士監修記事 2018年03月14日

交通事故で弁護士に依頼するときに「弁護士費用特約」を利用できるケース

交通事故の被害にあって保険会社(加害者)に賠償を求めて示談交渉などを進めていく際、弁護士に交渉を依頼することを考える人もいるでしょう。その際、保険の「弁護士費用特約」を利用することで費用負担を大きく抑えられる可能性があります。

  • 弁護士費用特約とは何か
  • 弁護士費用特約を利用できるケース
  • 弁護士費用特約の利用方法

この記事では、こうしたポイントについて解説します。

目次

  1. 弁護士費用特約とは
    1. 弁護士費用特約の補償内容
    2. 弁護士費用特約を利用するメリット
    3. 保険料や保険等級への影響はない
  2. 弁護士費用特約が利用できるケース
    1. どんな事故で利用できるのか
    2. 誰が利用できるのか
    3. 利用できないのはどんなケースか
  3. 弁護士費用特約を利用する
    1. 保険会社に連絡する
    2. 弁護士を選ぶ

弁護士費用特約とは

交通事故被害の賠償を求めるために、加害者の保険会社と示談交渉したり裁判を起こしたりすることを弁護士に依頼した場合、法律相談料や着手金、報酬金などの弁護士費用を弁護士に支払うことになります。 弁護士費用特約とは、こうした費用を保険会社が負担してくれることを内容とした自動車保険などに付けられる特約です。自分が加入する場合だけでなく、家族が加入している場合なども利用できる可能性があります。

弁護士費用特約の補償内容

交通事故問題を弁護士に相談する際は、法律相談料がかかりますが、まずこの費用が補償されます。契約内容によって異なりますが、10万円程度までが限度額になります。 また、弁護士へ依頼した場合に、示談交渉や裁判などにかかった費用(弁護士に支払う着手金や報酬金など)も補償されます。こちらも契約内容によりますが、300万円程度までが限度額という内容が一般的です。 補償内容は契約によって異なる可能性があるので、契約内容を確認してみましょう。

弁護士費用特約を利用するメリット

費用倒れのリスクがなくなる

弁護士費用特約を利用する際の一番のメリットとしては、弁護士に依頼する費用をほとんど負担せずにすむということが挙げられるでしょう。 近年、交通事故に関する法律相談料の初回無料サービスを行っていたり、着手金0円で引き受けてくれたりする弁護士事務所も増えてきたものの、弁護士に依頼すれば、事件解決までに最低でも数十万円の金額が必要になります。 弁護士に依頼したのにもかかわらず、得られた賠償金の額が少ない場合、賠償金の額より弁護士費用が上回ってしまう可能性もあります(費用倒れのリスク)。 弁護士費用特約を利用できれば、費用倒れのリスクを気にせず、安心して弁護士に依頼することができるでしょう。

納得のいく内容で解決できる可能性が高まる

弁護士が交渉に参加することで、保険会社が裁判になることを避けるために、早期に示談が成立する可能性が高まります。 保険会社にとっては、裁判になると賠償金だけでなく、遅延損害金や弁護士費用といった追加の支出が発生するおそれがあり、多くのケースで示談金よりも高額となります。 保険会社は、個人が裁判を起こすことは想定していないことが多いですが、弁護士が交渉相手となれば、裁判を起こされることも見越して交渉に臨みます。 自分自身ではなかなかまとまらなかった示談交渉も、弁護士に依頼することで、納得のいく賠償額で示談交渉がまとまることに期待できるのです。

保険料や保険等級への影響はない

自動車保険には一般的に等級があり、無事故を続けていれば年々上がっていき、それに伴い保険料も安くなりますが、交通事故を起こすなどして保険を利用すると、等級が下がり、保険料が値上がりするシステムになっています。 弁護士費用特約も自動車保険であることから、利用すると保険料が値上がりしてしまうのではないかと心配する方もいるでしょう。しかし、弁護士費用特約を利用しても、保険の等級に影響はないので、安心して利用できるでしょう。

弁護士費用特約が利用できるケース

どんな事故で利用できるのか

弁護士費用特約は、さまざまな交通事故のケースにおいて利用することができます。自分に非や責任がなく、相手方の過失が100%の「もらい事故」の場合などについて利用できます。たとえば、「赤信号で停車中に後ろから追突された」というようなケースです。 また、自分に過失があったとしても弁護士費用特約を利用できます。過失割合が2~3割の場合は利用可能な自動車保険会社が多いですが、どの程度の過失まで弁護士費用特約を利用できるのかは、各保険会社の約款や契約内容によって異なるので確認しておきましょう。

誰が利用できるのか

各保険会社の約款や契約内容によって異なる場合もありますが、一般的には以下のような範囲の人が利用できます。

  • 自動車保険の契約者(被保険者)
  • 被保険者の配偶者
  • 被保険者またはその配偶者と同居している親族
  • 被保険者またはその配偶者と別居している未婚の子
  • 契約している自動車に同乗していた人
  • 契約している自動車の所有者

このように、被害者自身が加入していなくても、弁護士費用特約が利用できる可能性があります。家族の中に弁護士費用特約に加入している人がいないか確認しておくとよいでしょう。

利用できないのはどんなケースか

各保険会社の約款や契約内容によって違いはありますが、どの保険会社でも、被保険者に故意や重大な過失があった場合は、弁護士費用特約が利用できないことになっています。 この他にも、以下のような場合は弁護士費用特約を利用することができません。

  • 過失割合が100%であった場合
  • 無免許運転、酒気帯び運転、薬物使用など、正常な運転ができない状態での事故
  • 地震、津波、台風などの天災による被害の事故

弁護士費用特約を利用する

保険会社に連絡する

保険会社に対して、弁護士費用特約を利用したい旨を伝えましょう。

弁護士を選ぶ

依頼する弁護士は、自分で選ぶことができます。特に指定しない場合でも、保険会社が紹介してくれることがあります。交通事故事件の経験が豊富な弁護士を探して依頼するとよいでしょう。 弁護士特約の内容によりますが、依頼したあとで弁護士を変更したくなった場合は、途中から弁護士を変更して、別の弁護士に依頼することも可能です。ただし、その際は保険会社に連絡することを忘れないようにしましょう。

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