評価損とは?
交通事故の被害にあい車が壊れた場合、修理をしても完全に元の状態には戻らず、見た目や機能の一部が損なわれてしまうことがあります。また、修理歴があることで、「事故車」として扱われ、事故前よりも車の価値(売ったときの査定額)が下がってしまうことがあります。
このように、事故前よりも車の価値が下がったことによる損害を「評価損」といいます。
評価損は、加害者が加入する保険会社から事故による損害として賠償してもらえる可能性があります。
ただし、評価損は目に見える損害ではありません。被害者自身で、どのくらいの損害が生じたのかを立証できなければ、保険会社に賠償してもらうことは難しいでしょう。
保険会社との話合いを重ねても折り合いがつかない場合、裁判を起こして、評価損を賠償してもらうことが妥当かどうか、裁判所の判断を求めることになります。
評価損が認められた裁判例
以下で紹介するのは、評価損が認められた裁判例です。評価損の計算をするときには様々な要素が考慮され、実際の支払い金額は「修理費の◯%」という形で認定されることが一般的です。
新車登録からの期間が考慮されたケース
車が新車に近いほど、事故による値下がり幅が大きいと考えられます。新車登録から事故発生までの期間がどのくらいかは、評価損を計算する上で重要な要素です。 裁判例では、トヨタ・ヴェルファイア(登録後14日、新車価格515万円余)について、新車として購入してから間もないことや、比較的高額な車であることなどを考慮して、修理費の50%にあたる28万7016円を評価損として認めました(横浜地裁平成24年10月29日判決)。
走行距離が考慮されたケース
走行距離の長短も評価損の金額に影響を及ぼす要素です。走行距離が短いほど、評価損が高額になる傾向があります。 裁判例では、新車登録から4か月のメルセデスベンツE430について、高級車であることや、走行距離が2856km程度だったことなどを考慮し、修理費のおよそ30%である214万円1040円を評価損として認めました(東京地裁平成23年3月29日判決)。
車種が考慮されたケース
車は「車種」によって人気や需要、販売価格が異なります。評価損を計算する上でも、車種は重要な要素です。一般的な国産車よりも、国産高級車や高級外国車の方が、評価損が高額になる傾向があります。 裁判例では、トヨタレクサス(初年度登録後2年4か月、走行距離4万8315㎞、リース車両)について、高級車であり、損傷が広範囲に及んでいたことなどを考慮し、修理費の約32%にあたる60万円を評価損として認めました。