車の修理費は保険会社から支払われる
車の一部が壊れたが修理することができ、新しく買い替えるよりも修理をしたほうが費用がかからない場合、保険会社から修理にかかる費用を支払ってもらえます。
修理費の計算は、車の修理業者が計算した修理の見積書や請求書をもとに保険会社が行います。業者からそれらの書類を受け取ったら、きちんと保管しておきましょう。
保険会社の「アジャスター」が損害を調査する
車の被害について、詳しく調査するのは、任意保険会社の「アジャスター」と呼ばれる技術者が担当することになります。 「交通事故でどのような損害が車に生じているのか」「車を元通りにするためにどのような修理が必要で、そのためにどの程度費用がかかるのか」といった点を詳しく調査します。 裁判で修理費用が争われることになったケースでも、アジャスターの行った査定は重視される傾向があります。
社団法人日本損害保険協会にアジャスター登録された人を「アジャスター」といいます。
修理費が全額支払われないこともある
場合によっては、修理費が全額支払われないことや、そもそも修理費の請求が認められないことがあります。具体的には次のような場合です。
必要以上の修理をした場合
修理費が支払われるのは、「修理が必要で、修理することが相当」と認められる場合です。 事故で壊れた部分を直すために、必要と考えられる以上の修理を行った場合には、修理費の一部しか支払ってもらえない可能性があります。 たとえば、修理のために車の一部に塗り直しが必要なケースを考えてみましょう。一部だけ塗り直すと他の部分と色が微妙に変わってしまうような場合、被害者としては、全体を塗り直してほしいと思うかもしれません。 しかし、全体を塗り直さなければならない合理的な理由がない限り、色の違いが専門家でなければ判別できない程度であれば、部分的な塗直しでも十分と判断している裁判例があります。 具体的には、購入後約2年のキャデラックで、事故前からすでに色あせが生じていたというケースでした。 全部塗装をすると約219万円がかかりますが、修理として認められたのは、部分塗装の約174万円まででした。 車を購入した後の色あせなどは、通常起こりうることで、全部塗装まで認めると、被害者に事故前以上の利益を得させることになるといったことが理由としてあげられています。(東京地裁平成7年2月14日判決)
修理費が時価を上回る場合
修理費が車の時価を上回る場合は、そもそも修理費の請求が認められません。 車が事故で激しいダメージを受けた場合、修理費が高額になることがあります。修理費が車の時価額以上にかかってしまうような場合、車を修理することができても全損事故として扱われます。この状態を「経済的全損」といいます。 保険会社から全損事故として判断された場合は、修理費ではなく、車の時価額を限度として賠償金が支払われます。 たとえば、修理工場の見積もりが120万円であるのに対して車の時価額が50万円だとすると、車の被害について保険会社から支払われる保険金の限度額は50万円ということになります。
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