【物損事故】レンタカー代を代車費用として保険会社に請求できる?

交通事故で車が壊れた場合、修理している間や、買い換えて納車されるまでの間は、車が手元にないため、代車(レンタカー)が必要になることがあるでしょう。

  • 保険会社が代車を用意してくれるのか
  • 代車を使うためにかかる費用を保険会社に請求できるのか
  • ガソリン代も請求できるのか

この記事では、代車に関するこれらの疑問について、過去の裁判例などをもとに解説します。

目次

  1. 代車費用とは
  2. 代車費用を保険会社に支払ってもらえるのか
  3. どこまでが代車費用に含まれるのか
  4. 裁判で代車費用の請求が認められたケース
  5. 裁判で代車費用の請求が認められなかったケース
    1. 代車の必要性がないと判断されたケース
    2. 代車費用が高額なケース
    3. 代車を長期間使っていたケース
    4. その他、請求が認められないケース

代車費用とは

交通事故で壊れた車を修理に出している間や、新たに買い換えて納車されるまでの間は、車を使うことができません。車なしでは生活が不便な場合、「レンタカーを使いたい」と考える人もいるでしょう。 このときのレンタカー代は、事故にあわなければ発生しなかった費用です。自分で負担することに納得できない人もいるでしょう。

代車費用を保険会社に支払ってもらえるのか

結論から言えば、保険会社が必ず支払ってくれるとは限らないようです。 代車を手配するより先に、まず、代車費用を負担してもらえるかどうか、保険会社に確認することをおすすめします。

保険会社が代車を用意してくれる場合もあるので、その場合は代車費用そのものが発生しません。

どこまでが代車費用に含まれるのか

自分で代車を用意する場合、代車費用として保険会社に請求できるのは、代車を借りるときに実際に支払った費用です。 代車費用として保険会社に請求できるのは、主に次のような費用です。領収書を保管しておきましょう。

  • 車のレンタル代
  • 車をレンタルするために加入する保険の保険料

これに対して、ガソリン代は代車費用として請求することはできません。ガソリン代は、事故が起きず、自分の車に乗り続けたとしても必ず発生する費用と考えられるためです。

裁判で代車費用の請求が認められたケース

代車費用を認めてもらうためには、簡単に言えば「どうしても代車が必要だった」ということを示す必要があります。 たとえば、車を通勤のために日常的に使っていて、代車がなければ通勤が不可能で仕事ができず、損害が発生するような場合です。 裁判では、次のようなケースで代車費用が認められています。

・事故の被害者が水産会社に勤務しており、早朝に出勤しなければならず、車を使う必要があったケース
・33日間はレンタカー使用料日額6000円、26日間は知人の車を日額3000円で借りたとして、合計額が代車費用として認められました。(横浜地裁平成元年6月27日判決)

・顧客の送迎に使っていたロールスロイスが事故で壊れたケース
・事故車の他にベンツを所有していたが、使用目的から考えると事故車の代わりにはなり得ないとして、代車を使う必要があると判断されました。(京都地裁平成14年8月29日判決)

裁判で代車費用の請求が認められなかったケース

一方、代車費用が認められなかった・費用の一部しか認められなかったのは、以下のようなケースです。

代車の必要性がないと判断されたケース

・事故の被害者が、自宅から約30キロメートル離れた会社に車で通勤していたケース
・「バスや電車の公共の交通機関やタクシーの利用では不十分であるとの主張、立証がなく」、事故で壊れた車の他に「普通乗用車、軽トラック、原付自転車各1台を所有している」として、代車の必要性が否定されました。(大阪高裁平成5年4月15日判決)

普段は車で通勤しているが、バスや電車でも通勤でき、代車を使わなくても仕事に支障がない場合は、代車の必要性は認められないでしょう。

代車費用が高額なケース

・事故で壊れた車(キャデラックリムジン)の代車としてキャデラックリムジンを使ったケース
・代車が必要な期間が短期間であることから国産高級車で十分代替できるとして、実際に支払った費用488万655円に対し、代車費用として認められたのは97万5000円でした。(東京地裁平成7年3月17日判決)

裁判例では、代車として使う車は、必ずしも、事故で壊れた車と同じ車種・グレードでなければならないとは判断していません。 同じグレードの代車を使わなければ仕事に差し支えるなど、必要性があるといえるかどうかがポイントになります。 代車費用が高額になる高級車を使ったとしても、費用全額の請求が認められるとは限りません。一部しか請求が認められなかった場合、不足した分は自己負担しなければならないでしょう。 代車費用を自己負担することを避けたい場合は、代車として借りる車のグレードについて、事前に保険会社と打ち合わせをしておくとよいでしょう。

代車を長期間使っていたケース

・事故の被害者が、日額2万円の代車費用を45日分請求したケース
・代車の使用期間は5週間が限度であると判断し、45日分の請求は認められませんでした。(名古屋地裁平成15年5月9日判決)

裁判例では、代車を使う期間として認められるのは、壊れた車の修理や買替えのために必要不可欠な最小限の日数分と判断しています。 長期にわたって代車を使っても、代車費用が全額認められるとは限りません。一部を自己負担しなければならない可能性もあります。 長期間代車を使う必要がある場合は、前もって保険会社に事情を話し、全ての期間の代車費用を支払ってもらえるかどうか、打ち合わせをしておくことをおすすめします。

その他、請求が認められないケース

上記のようなケースに当てはまらない場合でも、代車費用が認められないことがあります。 たとえば、事故で車が壊れた人自身は車を1台しか所有していなくても、家族が別の車を所有していて、無償で使うことができる場合などです。

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