死亡事故

弁護士監修記事 2018年02月26日

交通事故で被害者が死亡した場合の逸失利益の計算方法【職業別】

死亡事故で保険会社が支払う逸失利益の額は適正な金額なのか、判断に迷う人もいるでしょう。 逸失利益の計算方法を理解し、適切に交渉を進めることで、増額が見込める場合もあります。この記事では、逸失利益と計算方法について詳しく解説します。

目次

  1. 逸失利益とは
  2. 逸失利益の計算方法
  3. 裁判基準で逸失利益を計算する方法
  4. 被害者の年収を計算する
    1. 【A】給与所得者、30歳以上、年収が平均賃金より多い場合
    2. 【B】給与所得者、30歳以上、年収が平均賃金以下の場合
    3. 【C】給与所得者で30歳未満の場合
    4. 【D】事業所得者で収益の中に不動産収入などがある場合、家族の手伝いがある場合
    5. 【E】事業所得者の場合
    6. 【F】事業所得者で、年収が平均賃金以下の場合
    7. 【G】事業所得者で、年収の証明が難しい場合
    8. 【H】会社役員の場合
    9. 【I】兼業主婦の場合
    10. 【J】専業主婦・主夫
    11. 【K】無職者のうち、子どもや学生など
    12. 【L】無職者のうち、高齢者や年金受給者など
    13. 【M】失業者
    14. 年金の受給開始前に死亡した場合

逸失利益とは

逸失利益とは、交通事故の賠償金の費目のひとつで、簡単に言えば「交通事故にあわずに被害者が生きていれば得られたはずの利益」のことをいいます。被害者の年齢や収入、生活費などに応じて金額が変わります。 逸失利益は賠償金の中でも金額が大きい費目です。保険会社から提案された額が、どのような計算で算出されたのか、自分でも理解できるようにしておいた方がよいでしょう。

逸失利益の計算方法

任意保険会社は、逸失利益などの賠償額を計算するために、「このような場合はいくら」といった基準(任意保険基準)を設けていることが一般的です。 任意保険会社は「任意保険基準」を見ながら、「今回のようなケースはいくら」と賠償額を計算します。 一方、逸失利益の算定方法には、裁判例で認められた逸失利益の額をもとにした基準(裁判基準)もあります。「裁判基準」は「弁護士基準」「日弁連基準」と呼ばれることもあります。 任意保険基準は、裁判基準よりも低いことが一般的です。 任意保険会社から提案された額に納得できない場合に、「裁判基準であれば賠償額はいくらになるのか」ということを把握して保険会社と交渉を進めれば、逸失利益の増額を見込めるケースもあります。

裁判基準で逸失利益を計算する方法

裁判基準で定められている逸失利益の金額は、次の順序で計算します。

  1. 被害者の年収を計算する

  2. 生活費控除率を確認する

  3. 就労可能年数を調べる

  4. ライプニッツ係数を係数表で調べる

  5. 次の計算式に当てはめて計算する

逸失利益の計算式逸失利益=年収×(1ー生活費控除率)×ライプニッツ係数

被害者の年収を計算する

年収は、仕事の収入があった場合は仕事の収入を、それ以外の場合には平均賃金をもとに計算していきます。平均賃金を調べるには、「賃金センサス」とよばれる統計を参照します。 賃金センサスとは、厚生労働省が毎年出している「賃金構造基本統計調査」のことです。性別、年齢、学歴、産業ごとの平均賃金がわかります。 平成28年の賃金センサスによる男女別の平均賃金は、次の表のとおりです。

男性 年収額(単位:万円)
〜19歳 251.45
20〜24歳 325.83
25〜29歳 414.69
30〜34歳 486.28
35〜39歳 542.87
40〜44歳 599.52
45〜49歳 666.29
50〜54歳 698.59
55〜59歳 664.46
60〜64歳 437.03
65〜69歳 374.96
70歳〜 356.34
女性 年収額(単位:万円)
〜19歳 226.23
20〜24歳 291.22
25〜29歳 352.96
30〜34歳 379.67
35〜39歳 392.92
40〜44歳 407.86
45〜49歳 418.50
50〜54歳 417.65
55〜59歳 397.59
60〜64歳 313.84
65〜69歳 293.92
70歳〜 301.48

平均賃金を確認したら、次の図のうち、どれに当てはまるか確認してみましょう。 AからMまでの計算方法をそれぞれ説明しますので、当てはまる箇所を読んでください。年収を求めた後の計算方法については、それぞれのリンク先で詳しく解説しています。 alt alt alt

【A】給与所得者、30歳以上、年収が平均賃金より多い場合

【A】給与所得者、30歳以上、年収が平均賃金より多い場合の計算方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。

【B】給与所得者、30歳以上、年収が平均賃金以下の場合

【B】給与所得者、30歳以上、年収が平均賃金以下の場合の計算方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。

【C】給与所得者で30歳未満の場合

【C】給与所得者で30歳未満の場合の計算方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。

【D】事業所得者で収益の中に不動産収入などがある場合、家族の手伝いがある場合

【D】事業所得者で収益の中に不動産収入などがある場合、家族の手伝いがある場合の計算方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。

【E】事業所得者の場合

【E】事業所得者の場合の計算方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。

【F】事業所得者で、年収が平均賃金以下の場合

【F】事業所得者で、年収が平均賃金以下の場合の計算方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。

【G】事業所得者で、年収の証明が難しい場合

【G】事業所得者で、年収の証明が難しい場合については、こちらの記事で詳しく解説しています。

【H】会社役員の場合

【H】会社役員の場合の計算方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。

【I】兼業主婦の場合

【I】兼業主婦の場合の計算方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。

【J】専業主婦・主夫

【J】専業主婦・主夫の場合の計算方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。

【K】無職者のうち、子どもや学生など

【K】無職者のうち、子どもや学生などの計算方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。

【L】無職者のうち、高齢者や年金受給者など

【L】無職者のうち、高齢者や年金受給者などの計算方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。

【M】失業者

【M】失業者の計算方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。

年金の受給開始前に死亡した場合

上の図にはありませんが、老齢年金など、年金の受給開始前に被害者が死亡した場合、将来受け取るはずだった年金についても逸失利益が認められることがあります。

  • 年金の受給は始まっていないけれど、受給資格はある場合
  • 受給資格が得られる間近に死亡した場合

このような人は、将来の年金について逸失利益が認められる可能性があります。 詳しくは次の記事で解説しています。

あわせて読みたい関連記事

交通事故で家族が死亡したときに保険会社が支払う慰謝料の相場と計算方法

死亡事故の遺族が保険会社と示談交渉する際、保険会社は賠償金として慰謝料の額を提示してきますが、適正な金額なのか判断に迷う方もいるでしょう。 慰謝...

交通事故でケガを負った場合に保険会社から支払ってもらえる治療費の内容

交通事故で負ったケガを治療する際、その費用は加害者が加入する保険会社から支払ってもらうことが一般的です。 * どの範囲までが治療費として認められる...

交通事故でケガをした場合に請求できる慰謝料の計算方法

交通事故の被害にあってケガをした場合、治療費だけではなく、入院や通院を余儀なくされて精神的なダメージを受けたことに対する傷害慰謝料を加害者に支払っ...

【職業別】交通事故の被害にあったときに補償される休業損害の計算方法

交通事故でケガをしたために仕事を休まなければならなかった…。このような場合に、仕事ができれば得られたはずの収入を「休業損害」として賠償してもらうこと...

【交通事故】物損について保険会社に請求できる賠償金の費目と手続きの流れ

交通事故の被害は、ケガや死亡など「人」に生じる被害(人損)と、車が破損するなど「物」に生じる被害(物損)との大きく2つに分けられます。 この記事で...

【交通事故】過失割合の基礎知識と納得できない場合の対処法

交通事故の被害にあったとき、「自分には全く非がない」と考えていたのに、加害者の加入する保険会社から「過失割合は8対2」と告げられたーー。 過失割合...

交通事故で保険会社との示談交渉がまとまらない場合の3つの対処法

「示談金額に納得がいかない」「担当者が取り合ってくれない」ーー。保険会社との示談交渉がまとまらない場合には、自分自身で交渉を続ける他にも、主に3つの...

解決までの流れ

解決までの全記事

解決までにすべきことを確認する

弁護士に見積り依頼をする

複数の弁護士にまとめて見積り依頼
費用対処方針比べて選ぶことができます。

  • 弁護士費用がいくらかかるか知りたい
  • 弁護士の選び方がわからない
  • 弁護士が何をしてくれるか知りたい
一括見積りをはじめる無料

依頼前に知っておきたい弁護士知識

死亡事故を扱う弁護士を探す

死亡事故に関する法律相談

  • 交通事故 保険金 病院の対応

    先日祖父が交通事故を起こしてしまい亡くなってしまいました。状況は事故当時の少し前に血液の異常が見つかり再検査で来院、その時点で高熱があり検査をしたらインフルエンザと診断、その帰...

    1弁護士回答
  • 交通事故での死亡事故の賠償について

    母親が2年前の8月に交通事故で亡くなりました。加害者の全面的に悪く、交通刑務所に服役しています。 さて、これからが本題となります。加害者側は任意保険に加入していました。2年経っても...

    1弁護士回答
  • 交通事故死亡事故に伴う訴訟のやり方について

    交通事故で母が亡くなりました。相続人は私と兄の二人ですが、兄とは離れて暮らしており、また、仲が悪いため、加害者側保険会社とどのような話になっているのか教えてもらえません。 また、...

    2弁護士回答
  • 老人ホームでの死亡事故

    さる1月下旬にある老人ホームにいた父が「具合が悪くなった」ということで病院に搬送され5日後に死亡しました。病院の医師の診断で死因に疑いがあり警察も介入し司法解剖の結果「死因は転...

    1弁護士回答
  • 交通死亡事故の裁判について

    はじめまして。 去年の12月下旬に兄が交通事故でなくなりました。 原因は乗用車の信号無視。 兄は信号待ち。 今現在弁護士の先生の選定中で1人の弁護士の先生にこういう場合は民事と刑事があ...

    3弁護士回答

法律相談を検索する

死亡事故の法律ガイド

関連カテゴリから解決方法を探す

弁護士に相談しようと思ったら…

弁護士に見積り依頼をする

複数の弁護士にまとめて見積り依頼

  • 最短3分で依頼完了
  • 依頼内容は非公開
  • 分野に詳しい弁護士から見積り依頼が届く
一括見積りをはじめる無料

依頼前に知っておきたい弁護士知識

交通事故のニュース

  1. 「いじめの時効」はいつか…中学時代の同級生...
  2. 国内最悪「時速235キロ」で高速道路暴走した...
  3. 高速道路の落下物「年30万件」以上…タイヤ原...
  4. 高齢ドライバー対策、自動ブレーキ車など「限...
  5. 東名夫婦死亡事故、進路妨害した容疑者の「危...
  6. ひき逃げ事件「人をひいた認識はない」男性に...
  7. うちの車に便乗したがる図々しい「ママ友」、...