放火罪はどのような罪か|罪が成立する要件と刑罰の内容

建物などに火をつけると「放火罪」にあたる可能性があります。

  • 放火罪とは
  • 罪が成立する要件
  • 刑罰の重さ

この記事では、これらのポイントについて、詳しく解説しています。

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目次

  1. 放火罪とは
  2. 「現住建造物等放火罪」とは
    1. 現住建造物等放火罪が成立する要件
    2. 「実際に人が住居に使用している、または、実際に人がいる建物」とは
    3. 「放火」とは
    4. 「焼損」とは
    5. 現住建造物等放火罪の刑罰
  3. 「非現住建造物等放火罪」とは
    1. 「非現住建造物等放火罪」が成立する要件
    2. 「実際に人が住居に使用していない、または、実際に人がいない建物」とは
    3. 非現住建造物等放火罪の刑罰
  4. 「建造物等以外放火罪」とは
  5. 「建造物等以外放火罪」が成立する要件
    1. 建造物等以外放火罪の刑罰

放火罪とは

建物などに火をつける「放火罪」にあたる可能性があります。 放火罪にはいくつか種類があります。火をつけた対象が建物かどうかその建物に人が住んでいるかどうかによって、以下のように分けられ、刑罰の内容も異なります。

放火罪の種類 建物 建物ではない
居住用・人がいる 現住建造物放火罪 現住建造物等放火罪
居住用ではない・人がいない 非現住建造物放火罪 非現住建造物等放火罪
建造物等以外放火罪

それぞれの罪について順に解説します。

「現住建造物等放火罪」とは

現住建造物等放火罪とは、居住用または人がいる建物に火をつけた場合に成立する可能性があります。

現住建造物等放火罪が成立する要件

現住建造物等放火罪が成立する要件は、「実際に人が住居に使用している、または、実際に人がいる建物」「放火」して、「焼損」させることです。

建物以外でも、実際に人が住居として使用している、または実際に人がいる汽車・電車・船舶・鉱坑の場合には、現住建造物等放火罪にあたります。

「実際に人が住居に使用している、または、実際に人がいる建物」とは

「実際に人が住居に使用している建物」とは、人が生活する場所として、日常的に利用されている建物のことです。 放火する際に、建物の中に人がいなくても、日常的に利用されている建物に火をつけた場合は、現住建造物等放火罪が成立します。 「実際に人がいる」とは、犯人が放火するときに、犯人以外の人がいることです。

「放火」とは

「放火」とは、放火の対象となる建物に直接火をつける行為だけでなく、別の物に火をつけて、その火を使って建物に火をつけることも含まれます。 たとえば、新聞紙に火をつけて、その新聞紙を建物に投げ込んで建物に火をつけることなどがあります。 また、実際に自分で火をつけていなくも、建物の所有者や管理者など、消火する義務がある人が、容易に消火できるのに消火しなかった場合には「放火」にあたります。

「焼損」とは

「焼損」とは、放火の対象となる建物が、独立して燃え続ける状態になることをいいます。 たとえば、最高裁では、床板を約30cm四方・押入れの床板と上段部分を約90cm四方焼いたことを「焼損」と認定しています。 また、マンションに設置されたエレベーターに、火がついた新聞紙を投げ入れ、側壁の一部を燃焼させたことに対し、現住建造物等放火罪が成立すると認定しています。

現住建造物等放火罪の刑罰

現住建造物等放火罪の刑罰は、死刑か、無期懲役、または、5年以上の懲役です。 現住建造物等放火罪は、未遂の場合でも処罰されます。

「非現住建造物等放火罪」とは

非現住建造物等放火罪とは、居住用ではない、または人がいない建物に火をつけた場合に成立する可能性があります。

「非現住建造物等放火罪」が成立する要件

「非現住建造物等放火罪」が成立する要件は、「実際に人が住居に使用していない、または、実際に人がいない建物」に放火して、焼損させることです。

建物以外でも、実際に人が住居に使用していない、または実際に人がいない船舶、鉱坑に放火した場合には、非現住建造物等放火罪にあたります。

「実際に人が住居に使用していない、または、実際に人がいない建物」とは

ここでいう「人」は、「犯人以外の人」を意味します。 「実際に人が住居に使用していない、または、実際に人がいない建物」とは、犯人以外の人が住居に使用していない建物や、犯人以外の人がいない建物のことです。 たとえば、その建物の居住者を全員殺害した後に、その建物に火をつけた場合は、殺人罪と非現住建造物等放火罪が成立します。

所有している非現住建造物に放火した場合

放火した非現住建造物が自分の所有物だった場合、公共の危険が生じなければ、非現住建造物等放火罪は成立しません。 公共の危険とは、簡単に言えば、延焼などによって他の建物に火が燃え移って被害が拡大するなどの危険が生じたことを意味します。 古い判例では、人が住んでいる家から2間(約3.6メートル)離れているところに積んであった藁に放火した場合、当時の風向きが家とは反対で、家に延焼する可能性が少なかったといえる場合でも、危険は発生していると判断されたケースがあります。

非現住建造物等放火罪の刑罰

非現住建造物等放火罪の刑罰は、2年以上の懲役です。 非現住建造物等放火罪は、未遂の場合でも処罰されます。 自己所有非現住建造物等放火罪の刑罰は、6か月以上7年以下の懲役です。

「建造物等以外放火罪」とは

「建造物等以外放火罪」とは、現住建造物等放火罪や非現住建造物等放火罪の対象になる物以外の物に火をつけた場合に成立する可能性があります。

「建造物等以外放火罪」が成立する要件

「建造物等以外放火罪」が成立する要件は、現住建造物等放火罪や非現住建造物等放火罪の対象になる物以外の物に、放火して焼損させたことで、公共の危険を生じさせることです。 自動車や家具など、様々な物が対象になります。

所有物に放火した場合

放火した物が自分の所有物だった場合、公共の危険が生じなければ、建造物等以外放火罪は成立しません。

建造物等以外放火罪の刑罰

建造物等以外放火罪の刑罰は、1年以上10年以下の懲役です。 犯人が自分の物に放火した場合の刑罰は、1年以下の懲役か10万円以下の罰金です。

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