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逮捕・刑事弁護

弁護士監修記事 2016年05月26日

刑事事件における示談の重要性や示談金の相場、交渉方法

刑事事件の行方は、警察や検察の取り調べや裁判での弁論の中だけで決まるようにも考えがちですが、被害者のいる犯罪では、被害者感情も判断に大きく影響を与えます。また、被害の弁償がなされているかもポイントとなり、当事者間で示談が成立していることは、刑事事件においても極めて重要なのです。その理由と、示談の全貌を説明します。

目次

  1. 示談の重要性
  2. 示談成立のメリット
    1. 逮捕されなくなる可能性
    2. 釈放される可能性
    3. 前科が付かない可能性
    4. 執行猶予の可能性
    5. 減刑の可能性
  3. 示談金の相場
  4. 示談の流れ
  5. 示談を行うタイミング
  6. 示談が不成立の場合

示談の重要性

示談とは、裁判を通さずに当事者同士(またはその代理人)の話し合いによって、条件を決める一種の契約です。刑事事件における示談とは、加害者の処罰を被害者との話し合いで決める、ということではなく、被害弁償の条件を決める話し合いを指します。 被害者がいるタイプの刑事事件において、加害者は、刑罰を科される「刑事責任」だけでなく、被害者への被害弁償という「民事責任」の二つの責任を負うこととなります。 例えば、人を殴って怪我をさせた場合には、傷害罪として罪に問われるとともに、被害者に対しては、その通院にかかった治療費や交通費、精神的苦痛に対する慰謝料を損害賠償として支払わなければなりません。 この民事責任がどの程度果たされているかは、刑事責任を問う過程においても重要視されるため、刑事事件において示談が成立しているのかどうかは非常に大きな意味を持ちます。 被害者のいるタイプの事件では、被害が弁償されているかどうか、被害者の処罰感情が和らいでいるかどうか、といったポイントが、捜査機関の処分や裁判所の量刑判断に与える影響が大きいからです。 捜査機関は、被害が弁償されるなど、当事者間で事件を解決できているのであれば、「改めて裁判を行う必要はない」と考えますし、起訴後であれば、裁判所は、「被害者の処罰感情は和らいでいるだろうから、わざわざ重い罰を与える理由がない」と考えます。 具体的な手続きとしては、示談が成立する際に、被害者に、親告罪であれば告訴の取り下げをしてもらい、親告罪でなければ、被害者が刑罰を望んでいない旨の書面(例えば嘆願書、被害届取下書)にサインをしてもらうことになります。

示談成立のメリット

示談成立のメリットとして、五つ挙げることができます。

逮捕されなくなる可能性

捜査機関によって逮捕される前に、被害者に謝罪し、示談を成立させることができた場合、逮捕される可能性は低くなります。

釈放される可能性

逮捕・勾留されたとしても、示談が成立することによって釈放されやすくなります。捜査機関が、被害者との間で事件が解決している以上、釈放しても、逃亡や証拠隠滅のおそれは少ないだろう、と判断する可能性が高いからです。

前科が付かない可能性

逮捕・勾留され、取り調べを受けたとしても、示談が成立し、被害の弁償がなされている場合には、検察が、裁判にする必要はないと判断し、起訴猶予による不起訴となる可能性が高いでしょう。不起訴となった場合には、裁判によって有罪判決が下される可能性がなくなるわけで、前科は付きません。

執行猶予の可能性

起訴され、有罪判決が下されるとしても、示談が成立していれば、執行猶予が付く可能性があります。執行猶予期間が満了すれば、刑を執行されずに済みますし、犯罪人名簿に記載された前科は抹消されます。

減刑の可能性

執行猶予が付かなかったとしても、刑罰が軽くなる可能性があります。裁判所は、量刑を判断する際、「被害が弁償され、被害者の処罰感情も和らいでいるのであれば、重い罰を与える必要がない」と考えるのが通常だからです。

示談金の相場

上で述べたように、示談では、加害者が被害者に対して負っている民事上の損害賠償債務を履行すること、すなわち、金銭による被害の弁償が主要なポイントとなります。 気になるのは、その金額です。たしかに、示談金の相場というものはありますが、示談とは、被害の弁償と同時に、被害者の処罰感情を和らげる役割を果たすものです。したがって、相場がいくらであろうと、被害者が納得する金額でなければ示談は成立しない、示談とはそういう性質のものなのだ、ということにご注意ください。 そのうえで、代表的な罪状について、一応の相場を紹介します。

罪名 示談金相場
暴行罪 数万円から20万円程度
傷害罪 治療期間に応じる
脅迫罪 10万円から30万円程度
器物損壊罪 被害額+数万円から30万円程度
痴漢(迷惑行為防止条例違反) 10万円から40万弱
盗撮 20万円から30万円程度
強姦罪 100万円から600万円程度
強制わいせつ罪 30万円から100万円程度
窃盗罪 被害額+0円から30万円程度
恐喝罪 被害額+数万円から30万円程度
強盗罪 被害額+数万円から50万円程度
横領罪 被害額+遅延損害金+10万から30万円程度(横領額が30万円から50万円を想定)

示談の流れ

示談交渉を始めるには、まず被害者の連絡先を知る必要があります。 しかし、訴えた仕返しをされるのではないかという恐怖や、「事件を思い出したくない」といった理由から、加害者に連絡先を知られたくないと考えている被害者は多いものです。 また、民事不介入の原則により、警察・検察は基本的に、加害者の意向を被害者に取り次いではくれません。したがって、警察・検察を通して示談交渉に入る可能性はほとんどありません。 元々の知り合いであるといった事情から加害者が被害者の連絡先を知っていたとしても、加害者本人が直接示談を持ちかけた場合には、感情を逆撫でし、交渉が決裂する危険性があります。 そのため、刑事事件における示談交渉は、多くの場合で弁護士が代理人となって行っています。弁護士であれば「他人」であり、また法律に精通した専門家であるという信頼感から、被害者から連絡先を教えてもらえる可能性が高いのです。 さらに、上で述べたように、被害者が納得する金額でなければ示談は成立しないわけですが、交渉が進み、被害者が高額な示談金を要求してきたような局面において、被害者が本当にその金額でないと納得できないのか、あるいは、謝罪のあり方など他の点が問題なのか、といった判断は、示談交渉に精通した弁護士でないとなかなか難しいものです。 専門家としての豊富な経験から、適切に示談を進めてくれる弁護士に交渉を任せると安心でしょう。

示談を行うタイミング

犯行後、すぐに示談を持ちかけても受け入れてもらえないのではないか、と考える人も多いでしょう。たしかに、事件直後に加害者本人が直接持ちかけたとしたら、被害者の心情として受け入れられない場合が多いものです。 しかし、弁護士が代理人として交渉を行うことを前提に述べるならば、示談を行うタイミングは早ければ早いほどよいと言えます。なぜならば、加害者が被疑者として逮捕される前であれば、示談を行うことによって逮捕されない可能性が高まりますし、起訴される前であれば、示談を行うことによって不起訴処分になる可能性が高まるからです。 また、起訴されて裁判がはじまった後であっても、示談を進めることは重要です。示談の成立によって、有罪判決に執行猶予がつく可能性が高まり、科される刑罰が軽くなる可能性も高まるのです。

示談が不成立の場合

弁護士が入って交渉しても、被害者の怒りやショックがあまりに強いため、示談成立に至らない場合もあります。また、被害者が公共機関であった場合には、示談にしたくても、そもそもできません。 そうした場合であっても、弁護士を通して弁護士会に贖罪寄付をすることで、加害者の真摯な反省と謝罪の意を示し、検察の起訴判断や裁判官の量刑判断に働きかけることもできます。自身の犯してしまった罪を悔い、被害弁償を考えたのならば、まずは刑事事件に精通する弁護士に相談することをおすすめします。

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