勾留とは?家族や知人が勾留された人のためにできる支援も解説

逮捕された人は、「勾留」という手続きにより、引き続き身体を拘束される可能性があります。

  • 勾留される条件
  • 勾留される人の割合
  • 家族・知人にできる支援

この記事では、これらのポイントについて詳しく解説します。

目次

  1. 勾留とは
    1. 勾留中の被疑者は拘置所か留置場で過ごす
  2. 勾留される条件
    1. 逮捕された人の約9割が勾留される
  3. 家族や知人にできる支援
    1. 支援してくれる弁護士を探す
    2. 面会や差入れをする
    3. 勾留から解放された場合に迎えに行く
  4. 起訴された場合は引き続き勾留される

勾留とは

勾留とは、犯罪の疑いがある人(被疑者)を、逮捕された後も引き続き拘束するための手続きです。 逮捕されると、まず警察が捜査をして、逮捕された時から48時間以内に被疑者の身体(「身柄」といいます)を検察官に送致します。 検察官は、被疑者の身柄を受け取ってから24時間以内(かつ、逮捕された時から72時間以内)に、被疑者を起訴して刑事裁判にかけるか、捜査を続けるために勾留の手続きをするかを決めます 起訴も勾留もしない場合、検察はすぐに被疑者を釈放しなければなりません。 検察は、勾留が必要だと考えた場合、裁判官に勾留を請求します。 勾留の請求を受けた裁判官は、検察官が提出した書類を検討し、勾留の条件を満たしているかを検討します。 さらに、被疑者に対して罪の内容などを質問したり、被疑者の言い分を聞いたりする手続きを行ないます。「勾留質問」といいます。 裁判官は、勾留の条件が満たされていると判断した場合、被疑者の勾留を認めます。 勾留される期間は原則として10日間です。この間に、検察官は起訴するかどうかを判断します。 やむをえない事情がある場合には、勾留が延長される可能性があります。延長期間は10日を超えない範囲です。 つまり、勾留される可能性がある期間は、最長で20日間です(逮捕と合わせると23日間

内乱罪や外患罪、国交に関する罪、騒乱罪に該当する罪を犯した場合、勾留期間がさらに5日を超えない範囲で延長される場合があります。

勾留中の被疑者は拘置所か留置場で過ごす

勾留されると、被疑者は「拘置所」という施設で過ごします。 拘置所の所在地は、法務省のホームページで調べることができます。この記事の下にある参考リンクから、拘置所の所在地を確認することもできます。 拘置所ではなく、警察署にある留置所で過ごすケースもあります。

勾留される条件

勾留が認められる条件は、被疑者が罪を犯したと疑うことができる十分な理由があり、かつ、以下の条件のどれかに当てはまることです。

  • 被疑者に特定の住所がない
  • 被疑者が証拠を隠滅する可能性がある
  • 被疑者が逃亡する可能性がある

逮捕の要件と似ていますが、勾留の要件をみたしているかどうかは、逮捕よりも厳しく判断されると一般的に考えられています。

逮捕された人の約9割が勾留される

法務省のデータによると、2017年に刑法上の罪で逮捕された人は8万125人で、このうち勾留された人は7万609人(約88.1%)でした。 犯罪の内容ごとに勾留された人の割合を見ると、次のグラフのようになっています。 傷害(84.7%)、その他(79.3%)を除いたすべての罪で9割以上が勾留されています。 特に、殺人(99.6%)と強盗(99.0%)、放火(99.0%)では、勾留される割合が高い傾向にあるようです。

家族や知人にできる支援

勾留された被疑者の家族や知人は、以下のような支援ができます。

  • 支援してくれる弁護士を探す
  • 面会や差入れをする
  • 勾留から解放された場合に迎えに行く

支援してくれる弁護士を探す

勾留された被疑者のために、弁護士を探すことができます。 弁護士は、以下のような支援をしてくれます。

  • 勾留された被疑者に面会に行き、アドバイスや励ましをしてくれる
  • 勾留から解放されるための活動をしてくれる
  • 起訴を避けるための活動をしてくれる
  • 起訴されて刑事裁判が始まった後も弁護してくれる

ただし、被疑者がすでに弁護士に支援を依頼している可能性があります。 被疑者が逮捕されてから勾留されるまでの間に、「当番弁護士」が一度だけ無料で被疑者に面会し、アドバイスをしてくれる制度があります(当番弁護士制度)。 被疑者は、当番弁護士として来てくれた弁護士に、引き続き支援を依頼することができます。 当番弁護士に継続的な支援を依頼しない場合でも、勾留された後には「被疑者国選弁護制度」を利用できます。 被疑者国選弁護制度とは、裁判官が選任した弁護士(国選弁護人)が、無料または安い金額で、勾留された被疑者の支援をしてくれる制度です。 通常は勾留が決まったときに、被疑者が裁判所に呼ばれ、国選弁護人に依頼するかどうかを尋ねられます。依頼したい意思を伝えることで支援を受けられます。 このように、当番弁護士や国選弁護人として来てくれた弁護士に、被疑者がすでに支援を依頼している可能性があります。 ただし、当番弁護士や国選弁護人は、被疑者が指名することはできません。そのため、被疑者が弁護士に依頼していない可能性もあります。 まずは、被疑者が弁護士に支援を依頼しているかどうかを確認しましょう。 もし、支援してくれる弁護士がいない場合には、国選弁護人に依頼するよう被疑者に勧めるか、自分たちで弁護士を選んで支援を依頼しましょう。

国選弁護人ではない弁護士に支援を依頼する場合には、被疑者国選弁護制度を利用しないので、通常の費用がかかります。費用については依頼する弁護士に相談しましょう。

面会や差入れをする

勾留された被疑者に、家族や知人が面会したり、差入れしたりすることができる可能性があります。

面会できる時間や差し入れできる物には制限があります。拘束されている施設によって扱いが異なる場合があるので、事前に問い合わせましょう。

勾留から解放された場合に迎えに行く

次のような場合、被疑者が勾留から解放されることがあります。

  • 勾留が取り消される
  • 不起訴になる

勾留期間の途中に勾留する理由がなくなった場合や、勾留が決まった時に不服申立てを行ない、申立てが認められた場合、勾留が取り消され、被疑者が解放されます。 検察の捜査の結果、不起訴となって刑事裁判が行われない場合も、勾留から解放されます。

勾留された人が入院して治療したり、親族の葬儀に出席したりするなどの事情がある場合にも、一時的に勾留が停止され、解放される可能性があります。

勾留から解放されるとき、「身元引受人」として、勾留されていた人を迎えに行くことが求められる場合があります。

勾留の不服申立てをしたい場合や、不起訴を目指したい場合は、専門的な知識が求められるので、国選弁護人の支援を受けるか、家族・知人が弁護士の支援を依頼するようにしましょう。

起訴された場合は引き続き勾留される

勾留されている間に起訴された場合には、そのまま勾留され続けます(起訴後勾留)。 起訴されると、勾留期間が、起訴された日から2か月となります。

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