逮捕・刑事弁護

弁護士監修記事 2019年09月13日

逮捕されるのはどのような場合か? 逮捕された後の流れも解説

犯罪にあたる行為をしたと考えられる場合でも、必ずしも逮捕されるわけではありません。 警察官などの捜査機関が逮捕するためには、逮捕状を用意するなど、様々な条件があります。

  • 逮捕の種類
  • 逮捕の条件
  • 逮捕された後の流れ

これらのポイントについて詳しく解説します。

目次

  1. 必ずしも逮捕されるわけではない
    1. 逮捕されるのは被疑者の3人に1人
  2. 逮捕の条件
    1. 通常逮捕
    2. 緊急逮捕
    3. 現行犯逮捕
  3. 逮捕された後の一般的な流れ
    1. 警察官・検察官に最長23日間は拘束される可能性がある
  4. 逮捕されずに捜査が進んだ場合
  5. 逮捕されるか不安な場合は弁護士に相談する

必ずしも逮捕されるわけではない

何らかの罪を犯した場合や、そのような疑いを警察官などの捜査機関からかけられた場合でも、必ずしも逮捕されるとは限りません。 逮捕されない場合、自宅で普段通り生活しながら、警察官などの捜査に協力します。学校や会社などにも通えます。取調べなどで警察署などに呼び出されることがあります。

逮捕されるのは被疑者の3人に1人

法務省のデータによると、2017年に刑法上の罪を犯したと疑いをかけられた人(被疑者)は21万8170人で、このうち警察官や検察官に逮捕された人は8万125人(約36.7%、およそ3人に1人の割合)でした。 犯罪の内容ごとに逮捕された人の割合を見ると、次のグラフのようになっています。 恐喝(77.6%)や強盗(68.5%)などは逮捕される割合が高い傾向にあるようです。

逮捕の条件

逮捕には以下の3種類があります。

  • 通常逮捕
  • 緊急逮捕
  • 現行犯逮捕

逮捕は、被疑者の身体を強制的に拘束する手続きなので、警察官などの捜査機関がむやみに逮捕することがないように、様々な条件があります。

通常逮捕

通常逮捕とは、裁判官が発行した「逮捕状」にもとづいて逮捕する方法です。 通常逮捕をするためには、裁判官が発行した「逮捕状」が必要です。 裁判官に逮捕状を発行してもらうためには、被疑者がその罪を犯したと疑うことができる相当な理由が必要です。 ただし、明らかに逮捕する必要性がないケースでは、逮捕状の発行が認められないことがあります。 たとえば、身元がはっきりしていて、被疑者が逃亡するおそれがまったくなかったり、証拠を隠したりする危険性がほとんどないような場合です。 また、軽微な罪の場合は逮捕できる条件が厳しくなります。 具体的には、罪に対する刑の内容が以下のときは、被疑者に住所がないか、捜査機関が取調べなどで出頭を求めているのに正当な理由なく応じない場合でなければ逮捕できません。

  • 30万円以下の罰金(ただし、刑法、暴力行為等処罰に関する法律および経済関係罰則の整備に関する法律の罪以外の罪については、当分の間、2万円)
  • 拘留
  • 科料

警察官などの捜査機関が逮捕できると考えた場合は、裁判官に「逮捕状」の発行を請求します。 裁判官は、通常逮捕ができる条件が満たされているかどうかを、被疑者の年齢や境遇・犯罪の内容などを考慮して判断します。 条件が満たされていると判断した場合には逮捕状を発行します。 警察官などの捜査機関は、被疑者に対して逮捕状を示して、通常逮捕を行ないます。 逮捕状には次のような内容が記載されています。

  • 被疑者の氏名・住所
  • 罪名や罪の内容
  • 逮捕後に連行する警察署などの名前
  • 逮捕状の有効期間
  • 有効期間が過ぎた逮捕状では逮捕できず、裁判所に返還しなければならないこと

交通違反や交通事故の場合には、逃亡のおそれなど特別の事情がなければ、逮捕してはならないと、警察官の捜査についてのルール(犯罪捜査規範)に定められています。

緊急逮捕

緊急逮捕は、通常逮捕と異なり、被疑者を逮捕した後に捜査機関が逮捕状を裁判所に請求します。 緊急逮捕をするためには、次の条件を満たす必要があります。

  • 死刑、無期、3年以上の懲役もしくは禁錮の刑にあたる罪を犯したと疑う充分な理由がある
  • 被疑者が逃亡したり、証拠を隠したりする恐れあるため、逮捕状を用意する時間がない
  • 逮捕する理由を被疑者に告げる

緊急逮捕が行われるのは、たとえば、警察官が指名手配中の被疑者を偶然に発見したようなケースです。 緊急逮捕したとき、警察官などは逮捕後にすぐに逮捕状を請求します。 裁判所が請求を認めなかった場合には、被疑者はすぐに釈放されます。

現行犯逮捕

現行犯逮捕は、通常逮捕や緊急逮捕と異なり、逮捕状を用意せずに被疑者を逮捕する方法です。 現行犯逮捕をするためには、逮捕される人が「現行犯」にあたる必要があります。 現行犯とは、まさに犯罪行為をしている最中や、その直後の人のことをいいます。 また、まさに犯罪行為をしている最中やその直後といえなくても、以下のような場面に当てはまるときも、現行犯とされます。

  • 犯人として警察官などに追いかけられている
  • 盗んだ物や犯行に使った凶器などを所持している
  • 身体や衣服に罪を犯したと考えられる明らかな証拠がある
  • 職務質問などで呼び止められたときに逃走しようとしている

なお、軽微な罪の場合は現行犯逮捕できる条件が厳しくなります。 具体的には、罪に対する刑の内容が以下のときは、犯人の住所か氏名が不明な場合か、犯人が逃亡する恐れがある場合でなければ逮捕できません。

  • 30万円以下の罰金(ただし、刑法、暴力行為等処罰に関する法律および経済関係罰則の整備に関する法律の罪以外の罪については、当分の間、2万円)
  • 拘留
  • 科料

現行犯逮捕は、警察官などの捜査機関に限らず、誰でもできます。

逮捕された後の一般的な流れ

警察官に逮捕された場合、警察署にある留置場という施設で過ごすことが多いです。 また、検察官に逮捕された場合や、検察官に勾留された場合は、「拘置所」という施設で過ごします。 拘置所の所在地は、法務省のホームページで調べることができます。この記事の下にある参考リンクから、拘置所の所在地を確認することもできます。

勾留される場合でも、拘置所ではなく、留置所で過ごすケースもあります。

警察官・検察官に最長23日間は拘束される可能性がある

警察官に逮捕された場合、警察官はまず、取調べなどを行い、次のどの手続きを行うかを決めます。 警察官の取調べは、逮捕された時点からカウントして、最長で48時間です。

  • 逮捕された人を検察官に引き渡す(送致する)
  • 逮捕された人を釈放して捜査する(在宅捜査する)
  • 微罪処分として逮捕された人を釈放する

「微罪処分」とは、次のような事情がある場合に、警察官の判断で検察官に送致しないことです。

  • 被害者のケガが軽い、被害額が少ないなど、罪の内容が軽微
  • 犯行が計画的ではなく、再犯の恐れがない
  • 被害者が許しており、処罰を望んでいない

微罪処分となった場合、被疑者は釈放されます。検察官に起訴されたり刑事裁判が行われたりすることはありません。

微罪処分が行われない場合もあります。通常逮捕・緊急逮捕によって逮捕された場合や、告訴・告発された場合、自首した場合、裁判しなければならないことが法令で決まっている事件の場合です。

警察官が逮捕された人を釈放せず、検察官に送致した場合、起訴して裁判するか、不起訴にして裁判しないかを判断するため、引続き取調べなどの捜査を行います。 検察官はまず、次のどの手続きを行うか、24時間以内(逮捕された時点からカウントして72時間以内)に決めます。

  • 逮捕された人をさらに拘束(勾留)するために勾留請求する
  • 勾留せずに釈放して捜査(在宅捜査)する
  • 勾留も在宅捜査もせずに起訴する(裁判する)

逮捕された人を検察官が勾留する場合、勾留期間は10日間です。やむを得ない事情がある場合には、10日を超えない範囲で勾留期間が延長される可能性があります。 つまり、逮捕されてから、起訴されて裁判が行われるかが決まるまで、最長23日間は警察官と検察官に拘束される可能性があるのです。

逮捕された場合には、原則として、家族や知人とは面会できません。面会が可能となるのは、勾留されてからです。つまり、警察官や検察官の取調べを受けている3日間(48時間 + 24時間)は面会できません。

逮捕されずに捜査が進んだ場合

逮捕の条件を満たしていないと警察官や検察官から判断されたときは、逮捕されません。 逮捕されない場合、自宅で普段通り生活しながら、警察官や検察官の捜査に協力します。 学校や会社などにも通えます。取調べなどで警察署や検察庁に呼び出されることがあります。

逮捕されるか不安な場合は弁護士に相談する

逮捕されるかどうか不安がある場合は、弁護士に相談することを検討してもよいでしょう。 弁護士に相談した場合、次のようなメリットがあります。

  • 逮捕される可能性があるかどうか教えてくれる
  • 逮捕を避けるためにできることがあれば教えてくれる
  • 逮捕されそうになった場合にすぐに弁護士に連絡をしてアドバイスをもらえる
  • 逮捕された場合には、面会に来てアドバイスしてくれる

このように、弁護士に相談することで、逮捕されてしまった場合も含め、様々なサポートを受けることができます。

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