私文書偽造罪や偽造私文書行使罪が成立する要件と刑罰の内容

契約書などの文書を偽造すると「私文書偽造罪」にあたります。偽造された文書を使用すると「偽造私文書行使罪」にあたります。

  • 私文書偽造罪・偽造私文書行使罪とは
  • 犯罪が成立する要件
  • 刑罰の重さ

この記事では、これらのポイントについて、詳しく解説します。

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目次

  1. 「私文書偽造罪」とは
  2. 私文書偽造罪が成立する要件
    1. 「行使の目的」とは
    2. 「権利や義務、事実証明に関する文書」とは
    3. 「偽造」とは
  3. 私文書偽造罪の刑罰
  4. 「偽造私文書行使罪」とは
  5. 偽造私文書行使罪が成立する要件
  6. 偽造私文書行使罪の刑罰

「私文書偽造罪」とは

契約書などの私文書を偽造すると、「私文書偽造罪」にあたります。

私文書偽造罪が成立する要件

私文書偽造罪が成立する要件は、「行使の目的」で、「権利や義務、事実証明に関する文書」などを「偽造」することです。

「行使の目的」とは

「行使の目的」とは、偽造した文書を、本物の文書だと人に信じ込ませようとする目的のことです。

「権利や義務、事実証明に関する文書」とは

私文書偽造罪の対象となる私文書は、大きく「権利や義務に関する文書」と「事実証明に関する文書」に分けられます。

「権利や義務に関する文書」とは

「権利や義務に関する文書」とは、権利・義務の発生・変更・消滅の効果を生じさせる文書のことです。 たとえば、売買契約書や、預金の払戻請求書などがあります。

「事実証明に関する文書」とは

「事実証明に関する文書」とは、上記で説明した「権利や義務に関する文書」以外の文書で、社会生活の中で一定の機能を持つ文書です。 過去の判例では、履歴書と雇用契約書が「事実証明に関する文書」にあたるとされたケースがあります。 また、実際の受験生ではない人が答案を作成・提出した、いわゆる「替え玉受験」が行われた事例で、答案が「事実証明に関する文書」にあたると判断された判例があります。

「偽造」とは

「偽造」とは、文書を作成する権限のない人が、他人の名義を無断で使用して、文書を作成することです。 他人の名義を使用せず、名義以外の部分を変更する場合は、偽造ではなく「変造」といいます。 変造の場合には「私文書変造罪」という犯罪が法律で定められており、私文書偽造罪と同じ刑罰を科せられます。

私文書偽造罪の刑罰

私文書偽造罪の刑罰は、偽造した文書に他人の署名・押印があるかどうかで異なります。 他人の押印・署名がある文書を偽造した場合を「有印私文書偽造罪」といい、3か月以上5年以下の懲役が科せられます。 押印・署名がない文書を偽造した場合を「無印私文書偽造罪」といい、1年以下の懲役又は10万円以下の罰金が科せられます。

公務所(官公庁など)で作成される文書や、公務員が作成する文書を偽造したり、偽造した文書を使ったりした場合は、「公文書偽造罪・偽造公文書使用罪」の罪にあたります。

「偽造私文書行使罪」とは

偽造された私文書を使用すると「偽造私文書行使罪」にあたります。

偽造私文書行使罪が成立する要件

偽造私文書行使罪が成立する要件は、偽造された文書を「使用すること」です。

偽造私文書行使罪の刑罰

偽造私文書行使罪の刑罰は、有印私文書偽造罪・無印私文書偽造罪と同じです。 偽造有印私文書行使罪の刑罰は、3か月以上5年以下の懲役です。 偽造無印私文書行使罪の刑罰は、1年以下の懲役又は10万円以下の罰金です。 偽造私文書行使罪は未遂の場合でも処罰されます。

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