相続税

弁護士監修記事 2019年03月19日

相続税対策を考えている人におすすめの相続対策

もし自分が亡くなった場合に相続税がかかると知ったら、節税に興味をもつ人もいるでしょう。

  • 生命保険
  • 生前贈与
  • 養子縁組

この記事では、おすすめの相続対策について詳しく解説します。

目次

  1. 相続税対策には2種類ある
    1. 相続税の金額を抑えたい(節税)
    2. 相続税を支払うためのお金を用意したい
  2. おすすめの相続税対策
  3. 生命保険に加入する
    1. 相続税を支払うためのお金を用意できる
    2. 相続税の金額を抑えられる(節税)
    3. 生命保険に加入する場合の注意点
  4. 生前贈与をする
    1. 相続税の金額を抑えられる(節税)
    2. 生前贈与をする場合の注意点
  5. 養子縁組をする
    1. 相続税を節税できる場合がある
    2. 養子縁組をする場合の注意点
  6. 相続対策の選び方
  7. 相続対策の具体的なやり方

相続税対策には2種類ある

alt 相続対策は、次の2種類の目的があります。

  • 相続税の金額を抑えたい(節税)
  • 相続税を支払うためのお金を用意したい

相続税の金額を抑えたい(節税)

もし、あなたが亡くなった場合、あなたの財産を家族が受け継ぐことによって、相続税が発生します。 家族の負担をなるべく減らすために、相続税の金額を抑えるための相続税対策(節税対策)があります。

相続税を支払うためのお金を用意したい

相続税は、あなたが亡くなってから「10か月以内」に「現金」で「一括」して支払わなければなりません。 もし、相続税対策を何もしない場合、家族は相続税を支払うためのまとまったお金を用意しなければなりません。 まとまったお金なら預金口座にあるから大丈夫だと思っている人もいるでしょう。 しかし、預金口座は、預金者が亡くなったことを銀行が知ると、凍結されて預金が引き出せなくなってしまいます。 凍結された口座から預金を引き出すためには、戸籍などの書類を集めたり、家族全員の同意を得たりしなければならず、時間がかかります。その間に相続税の支払い期限がきてしまう場合もあります。 このような事態を避けるために、相続税を支払うためのまとまったお金を、預金以外の方法で用意しておく必要があります。

おすすめの相続税対策

alt 相続税対策におすすめな対策は、次の3つです。

  • 生命保険
  • 生前贈与
  • 養子縁組

このうち生命保険は、「相続税の金額を抑えたい」という目的と、「相続税を支払うためのお金を用意したい」というどちらの目的にも合わせることができます。

  相続税の金額を抑えたい(節税) 相続税を支払うためのお金を用意したい
生命保険
生前贈与
養子縁組

生命保険に加入する

alt 生命保険に加入することで、次のようなことができます。

  • 相続税を支払うためのお金を用意できる。
  • 相続税の金額を抑えられる(節税)

具体的に見ていきましょう。

相続税を支払うためのお金を用意できる

alt 先ほど説明したとおり、もしあなたが亡くなった場合、銀行に連絡をすると口座が凍結され、預金を引き出すことができなくなります。 凍結された口座からお金を引き出すためには、相続人に戸籍を取り寄せたり、相続人全員の同意を得たりしなければなりません。これらの手続きには時間がかかります。 相続税は、あなたが亡くなってから「10か月以内」に、「現金」で「一括」して支払わなければなりません。凍結された口座からお金を引き出す手続きをしている間に、支払い期限がきてしまう場合があります。 生命保険に加入していれば、保険会社に保険金の請求をしてから5営業日程度で、生命保険金を受け取ることができます。 受け取った保険金を、相続税の支払いに充てることができます。

相続税の金額を抑えられる(節税)

alt 相続税は、亡くなったときの財産の額を元に計算されます。 ただし、生命保険金には非課税枠があり、非課税枠には相続税がかかりません。 財産を現金として置いておくのではなく、生命保険に形を変えることで、相続税を抑えることができます。

生命保険に加入する場合の注意点

生命保険に加入する場合には、次の点に気をつけましょう。

  • まずは既に加入している保険を整理する。
  • 保険を解約すると損をする可能性がある。
  • 相続税の金額を確認する。
  • 保険金を受け取るときに税金がかかる場合がある。
  • 全員に平等になるように加入する。

まずは既に加入している保険を整理する

新しい保険に入らなくても、多くの人は何らかの保険に加入しています。 既に加入している保険だと、誰がいくら受け取るのか、節税効果はあるのかを、まずは確認しましょう。 不要な保険に加入している場合には、解約も検討しましょう。

保険を解約すると損をする可能性がある

保険を解約すると、「解約返戻金」が受け取れます。 ただし、解約の時期によっては、それまでに支払った保険料よりも解約返戻金が少なく、損をする場合があります。 保険を解約する場合には、解約返戻金の金額を確認しましょう。

相続税の金額を確認する

生命保険を節税目的で利用する際には、今の財産に相続税がかかった場合にいくらになるかを先に計算しておきましょう。 そもそも相続税がかからなければ節税対策をしても意味がありません。 また、既に加入している保険だけで、節税ができている場合もあります。

保険金を受け取るときに税金がかかる場合がある

生命保険の契約者や受取人を誰にするかによって、税金がかかる場合があります。 入り方を間違えると、節税にならない場合もあるので、気をつけましょう。

全員に平等になるように加入する

生命保険に加入すると、保険金受取人という決まった人に確実に保険金を渡せる反面、保険金受取人になっていない人は財産を受け取れません。 保険金を受け取れない人が不平等だと感じた場合、生命保険にせっかく入っても、逆に相続争いの原因になることがあります。 なるべく平等になるように、財産全体のバランスを考えて保険に加入しましょう。

生前贈与をする

alt 生前贈与とは、亡くなる前に財産を無償で譲ることです。 生前贈与をすることで、相続税を節税できます。

相続税の金額を抑えられる(節税)

alt 生前贈与は相続税の節税のために利用されることが多いです。 一定の財産がある場合、もし相続対策を何もせずにあなたが亡くなると、財産は法定相続人が受け継ぎます。その際、財産の全額が相続税の対象となります。 同じ金額を、あなたが亡くなる前に一括で譲った場合、贈与税がかかります。ただし、贈与税には1年間に110万円という税金がかからない部分(基礎控除)があります。110万円を超える部分が贈与税の対象となります。 贈与税の基礎控除は、毎年リセットされます。そこで、毎年110万円ずつに分けて贈与をすると、贈与税が全くかからずに、財産を移すことができます。 贈与した現金は、譲り受けた人の物になるため、あなたが亡くなっても相続税はかかりません。 このように亡くなる前に財産を110万円の範囲内で少しずつ贈与することで、節税ができます。

生前贈与をする場合の注意点

生命保険に加入する場合には、次の点に気をつけましょう。

  • まずは相続税の金額を確認する。
  • 節税効果がない場合がある。
  • 贈与税は財産をもらう人に支払い義務がある。
  • 全員に平等になるように生前贈与する。

まずは相続税の金額を確認する

生前贈与を節税目的で行なう場合には、今の財産に相続税がかかった場合いくらになるかを先に計算しておきましょう。 そもそも相続税がかからなければ節税対策をしても意味がありません。

節税効果がない場合がある

贈与税の基礎控除である110万円以内の生前贈与を行った場合でも、生前贈与をしてから3年以内にあなたが亡くなった場合には、その生前贈与は相続税の対象となります。 つまり、亡くなる前の3年間に行なった生前贈与は、節税効果がありません。 節税目的で生前贈与を行なう場合には、なるべく早い時期に始めるように気をつけましょう。

贈与税は財産をもらう人に支払い義務がある

贈与税の基礎控除を超えて110万円より多くの生前贈与を行なう場合、贈与税の支払いは、財産をもらった人が行わなければなりません。 財産をもらう人の理解を得てから生前贈与を行なうようにしましょう。

全員に平等になるように生前贈与する

生前贈与をすると、生前贈与の相手という決まった人に確実に財産を渡せる反面、生前贈与の相手にならなかった人は財産を受け取れません。 生前贈与をしてもらえない人が不平等だと感じた場合、せっかく生前贈与をして節税できたとしても、逆に相続争いの原因になることがあります。 なるべく平等になるように、財産全体のバランスを考えて生前贈与を行ないましょう。

養子縁組をする

alt 養子縁組とは、今まで親子ではなかった人を法的に親子にするための手続きのことです。 養子縁組をすることで、相続税を節税できる場合があります。

相続税を節税できる場合がある

alt 養子縁組をすると、相続税を節税できる場合があります。 相続税は、亡くなった時の財産を元に計算します。このとき、財産の金額が基礎控除の範囲内であれば、相続税がかかりません。 基礎控除の金額は「3000万円 + 600万円 × 法定相続人の数」です。法定相続人の数が増えると、基礎控除の金額が増えます。 法定相続人には、養子も含まれます。 養子縁組して法定相続人が増えると、基礎控除の金額が増えて、相続税が節税できる場合があります。

基礎控除のほかに、生命保険金や死亡退職金の非課税枠も、法定相続人の数に応じて増えます。生命保険なども合わせて活用することで、節税効果を期待することができます。

養子縁組によって「相続税の負担を不当に減少させる結果となる」と認められる場合には、税務署によって、養子の数を相続人に含めないで計算される場合があります。このような場合には、養子縁組による節税効果はありません。

養子縁組をする場合の注意点

養子縁組をする場合には、次の点に気をつけましょう。

  • まずは相続税の金額を確認する
  • 節税効果がない場合がある。
  • 節税には上限がある。
  • 養子の存在を家族に説明しておく。

まずは相続税の金額を確認する

養子縁組で節税効果を期待する場合には、今の財産に相続税がかかった場合いくらになるかを先に計算しておきましょう。 そもそも相続税がかからなければ節税対策をしても意味がありません。

節税効果がない場合がある

養子縁組で節税効果があるのは、養子縁組によって法定相続人の数が増える場合に限られます。 しかし、養子縁組をすることによって法定相続人の数が減ってしまうケースもあります。 節税効果を期待して養子縁組をする場合には、法定相続人の数が増えるかどうかを確認しましょう。

節税には上限がある

相続税の計算をする上で、法定相続人の数にカウントできる養子の数には限りがあります。 あなたに実の子どもがいる場合には、法定相続人にカウントできる養子は1人までです。 実の子どもがいない場合には、養子は2人までカウントできます。

養子の存在を家族に説明する

養子縁組をする場合には、養子の存在を家族に説明して、家族の理解を得るようにしましょう。 家族から見れば、養子が増えると、自分たちの相続分が減ってしまう関係にあります。 亡くなった後に養子の存在が判明し、家族が受け入れられずにトラブルになるというケースは多くあります。 次のようなことを家族に伝えるようにしましょう。遺言書などを利用すると効果的です。

  • 養子縁組をすること
  • なぜ養子縁組をするのか
  • 養子も含めた財産の分け方

相続対策の選び方

alt 相続対策は、目的に合った方法を選びましょう。 目的のために有効な方法が複数ある場合には、メリットとデメリットを比較してみましょう。 相続対策は、1つだけではなく、複数を組み合わせて行なうと、より良い効果がある場合があります。実際にやってみたらどうなるかをイメージしてみましょう。 今すぐに全部をやるのではなく、できるものから少しずつ行なっていくという考え方もあります。 次の図は、相続対策を気軽にできるかどうかという観点から表にしたものです。 alt 相続対策を行なうと、相続人となる予定の家族にも影響を及ぼします。事前に家族に相談しましょう。 よくわからない場合には、弁護士などの専門家にも相談してみましょう。

相続対策の具体的なやり方

alt それぞれの相続対策の具体的なやり方については、この記事の下の「次に読みたい記事」で詳しく説明しています。

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