相続人

弁護士監修記事 2018年09月30日

法定相続の仕組みl遺言がない場合に相続人や遺産の分け方を決めるルール

亡くなった家族(被相続人)が遺言を残していなかった場合、どのように相続の手続きを進めればよいのでしょうか。

  • 誰が相続するのか(相続人)
  • どのくらい相続できるのか(相続分)

こうした点について法律で一定のルールが定められています(法定相続)。この記事では、法定相続のポイントについて詳しく解説します。

目次

  1. 「法定相続人」を確認する
    1. 配偶者は常に法定相続人になる
    2. 代襲相続とは
    3. 行方不明の相続人がいる場合は「不在者財産管理人」が必要
  2. 法定相続人が相続する遺産の割合(法定相続分)
    1. 異母(父)きょうだいの取扱い
  3. 「誰が法定相続人にあたるか」を戸籍の情報から確認する

「法定相続人」を確認する

遺産の分け方を決める話合い(遺産分割協議)は法定相続人全員で合意しないと、分け方が決まってもやり直すことになる可能性が高いです。 そのため、法定相続の手続きを進めるには、まず、誰が相続人なのかを確認することが重要です。 具体的に確認していきましょう。

配偶者は常に法定相続人になる

誰が法定相続人にあたるかは、配偶者(夫・妻)や子どもがいるかなど、亡くなった方(被相続人)の家族構成によって異なります まず、どのような家族構成であっても、被相続人に配偶者がいる場合、配偶者は常に相続人になります。 その他の相続人は、大きく「子ども」「親」「きょうだい」という3つのグループに分けられます。 この3つのグループには、相続できる権利について優先順位がつけられています。一番優先順位が高いのが、子どものグループ(第1順位)、次が親のグループ(第2順位)、最後がきょうだいのグループ(第3順位)です。 「優先順位が高い」というのは、「優先順位の高いグループがいる場合、優先順位の低いグループは相続人にならない」という意味です。 たとえば、被相続人に子どもが一人でもいる場合、被相続人の親(もしくは祖父母)が健在であっても、相続人にあたりません。は、子ども(もしくは孫)がいない場合に、はじめて相続人になることができます。 同様に、きょうだいは、被相続人に子どもがおらず、親(もしくは祖父母)が一人もいない場合のみ、相続人にあたります。

被相続人の前妻(夫)との間に生まれた子や、不倫などで婚姻関係にない相手との間に生まれた子も、法定相続人にあたります。

代襲相続とは

被相続人が死亡した時点で法定相続人にあたる人がすでに亡くなっていたり、一定の理由で相続人から除かれたりした場合(相続欠格・廃除)、その法定相続人の子が相続人になることがあります。 代襲相続(だいしゅうそうぞく)というルールです。

代襲相続については、この記事の下の「次に読みたい記事」で詳しく説明しています。

行方不明の相続人がいる場合は「不在者財産管理人」が必要

相続人の中に行方不明の人がいる場合、その相続人に代わって遺産分割協議などに参加する「不在者財産管理人」を選任する必要があります。 不在者財産管理人を選任せずに遺産分割協議を行うと、遺産の分け方が決まってもやり直すことになる可能性が高いです。

不在者財産管理人を選任するための手続きについては、この記事の下の「次に読みたい記事」で詳しく説明しています。

法定相続人が相続する遺産の割合(法定相続分)

法定相続人が相続する遺産の割合も法律で定められています(法定相続分)。法定相続分は、「配偶者と子ども」「配偶者と父母」など、相続人の組み合わせによって異なってきます。 法定相続分については、下の図で確認してください。

法定相続人 相続できる割合
配偶者のみ 配偶者が100%
配偶者と子ども(第1位順位) 配偶者1/2、子ども1/2
※子ども(孫)が複数いるときは1/2を均等に分ける
配偶者と父母(第2順位) 配偶者2/3、父母1/3
※父母が双方健在のときは1/3を均等に分ける
配偶者と兄弟姉妹(第3順位) 配偶者3/4・兄弟姉妹1/4
※兄弟姉妹が複数いるときは1/4を均等に分ける
子どものみ 子どもが100%
※子どもが複数いるときは均等に分ける
父母のみ 父1/2、母1/2
兄弟姉妹のみ 兄弟姉妹で均等に分ける

異母(父)きょうだいの取扱い

きょうだいが相続人になるケースで、被相続人に異母(父)きょうだいがいる場合、異母(父)きょうだいも相続人になることに注意しましょう。 異母きょうだいの相続分は、両親がどちらも同じきょうだいの相続分の半分になる点にも、注意が必要です。 たとえば、被相続人Aさんの法定相続人が、配偶者Bさん、異母きょうだいのCさん、同じ両親から生まれたDさんの4人いたとしましょう。 この場合、Bさんの法定相続分は4分の3で、残り4分の1をCさん・Dさんで分けることになります。 異母きょうだいであるCさんの相続分はDさんの2分の1になるため、Cさん、Dさんが受け継ぐ財産の割合は次のようになります。 Cさん:1/4 × 1/3 = 1/12 Dさん:1/4 × 2/3 = 1/6

「誰が法定相続人にあたるか」を戸籍の情報から確認する

「法定相続」について理解できたら、「誰が法定相続人にあたるか」を明確にしましょう。 「遺産分割協議」は相続人全員が参加しなければなりません。相続人が一人でも加わらずに話し合われた協議の内容は、やり直すことになる可能性があります。 協議の内容を無効なものにしないために、「相続人が誰か」という点を、厳密に明らかにしなければなりません。 そのため、夫婦や親子、きょうだいなど、被相続人と相続人の関係を、公的に証明する「戸籍」という情報から確認していくことになるのです。 具体的には、「被相続人の生まれてから亡くなるまでの戸籍」の情報や、相続人全員分の戸籍の情報が必要です。 これらの情報を確認するためには、被相続人が生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本や除籍謄本、改製原戸籍謄本など、多くの書類を集めなければなりません。 書類を集める作業は自力でも可能ですが、被相続人が何度も転籍しているような場合は、何度も書類を取り寄せることになるので、膨大な時間と手間が必要になることがあります。 弁護士などの専門家に、戸籍情報の収集を依頼することを検討してもよいでしょう。

戸籍情報を集める方法については、この記事の下の「あわせて読みたい関連記事」で詳しく説明しています。

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