器物損壊罪の刑期・罰金額の相場と逮捕・勾留・起訴の流れ

器物損壊罪は、主に物を故意に壊した場合に成立します。器物損壊罪の加害者はどのような刑罰を受けるのか、逮捕後はどのような流れになるのか、またどのように対処すべきかを説明します。 ※下記に記載する数値は、平成25年度検察庁統計年報と司法統計(第一審判決)に基づき算出しています。

目次

  1. 器物損壊罪の量刑相場
  2. 器物損壊罪で逮捕された後の流れ
  3. 器物損壊罪での示談や弁護活動
    1. 冤罪やわざと物を壊したのではない場合

器物損壊罪の量刑相場

器物損壊罪の刑罰は、3年以下の懲役または30万円以下の罰金もしくは科料です。 器物損壊罪で逮捕され有罪となった場合には、懲役刑か罰金刑となる割合はおおよそ半々となっています。科料となることは稀と考えてよいでしょう。 懲役刑となった場合には、6か月から2年未満の刑期が相場となり、具体的には1年以上2年未満がおよそ50%、6か月以上1年未満がおよそ38%となっています。また、刑期が3年未満の場合には、執行猶予が付く可能性がありますが、器物損壊罪の場合には、そのおよそ62%に執行猶予が付与されています。 罰金刑の場合の相場は、10万円から30万円となっており、およそ43%が20万円代、およそ38%が10万円代となっています。

器物損壊罪で逮捕された後の流れ

では、器物損壊罪で逮捕された場合、その後の流れはどのようなものなのでしょうか。 加害者がまず警察によって逮捕されるケースが多く、警察は逮捕から48時間以内に検察に身柄を送致するかどうかを決定します。送致されたら、検察は逮捕から72時間以内に長期の身柄拘束が必要か判断し、裁判所に対して許可をとります。 長期の身柄拘束を「勾留」と言い、その判断はこのようにスピーディに決まってしまいます。器物損壊罪で逮捕された場合の勾留の許可率はおよそ81%となっています。 勾留は最大10日間ですが、延長が認められると最大で20日間の拘束となります。器物損壊罪では勾留されてうちの半数近くが10日、もう半数が20日間拘束されています。 勾留期間が終わると、検察は起訴するかどうか、どういった刑罰を求刑するのかを判断します。器物損壊罪での起訴率はおよそ30%と低くなっており、逮捕されたとしても不起訴処分を獲得し、前科を付けないことも可能なのです。

器物損壊罪での示談や弁護活動

器物損壊罪は親告罪と呼ばれる犯罪なので、被害者からの告訴という手続きがなければ起訴されません。告訴は後から取り下げて無効にできるので、被害者に謝罪と弁償をし、告訴の取り下げをお願いすることが重要です。 このような被害者とのやりとりを示談と言いますが、被害者は加害者やその関係者と会いたくないと考えることが多いため、直接被害者と示談交渉を行うことは難しいと言えます。 そのような場合でも、弁護士であれば示談に応じる被害者は多く、刑事事件における示談の大半は弁護士を通して行われています。勾留されているような場合には、起訴までも時間が限られているため、なるべく早い段階で弁護士に依頼した方が良いでしょう。

冤罪やわざと物を壊したのではない場合

器物損壊罪が成立するためには、その行為が故意に(わざと)行われている必要があります。したがって、誤って物を壊してしまった場合には、器物損壊罪は成立しません。また、現場近くにいたというだけで犯人に間違われてしまうケースもあるでしょう。 そのような場合は、検察が裁判で有罪を証明できず、無罪となるはずですが、容疑をかけられ身柄を長期に拘束されるとなると、周囲に知られ、解雇などの社会的制裁に遭ってしまう場合もあります。 この場合にも、早期の釈放を目指し、器物損壊の故意がないことや冤罪であることを主張・証明する活動が重要となるため、弁護士の力を借りることをおすすめします。 なお、故意ではなく器物損壊罪が成立しないにしろ、物を壊したことについての弁償は別途しなければいけません。

記事のタイトルとURLをコピー