ひき逃げ

弁護士監修記事 2016年05月26日

人身事故でひき逃げてしまった場合の刑罰の加算と対応

人身事故を起こしてしまったら、気が動転してしまい、その場から逃げ出してしまうケースもあるでしょう。しかし、ひき逃げは非常に悪質な行為であり、助かるはずの命を絶ってしまう場合もあるのです。ここではひき逃げによる刑罰と、ひき逃げしてしまった後にどのような対応ができるのかを説明します。

目次

  1. ひき逃げの刑罰
  2. ひき逃げの検挙率と逮捕後の流れ
  3. ひき逃げの弁護活動
    1. 示談と不起訴処分
    2. 再犯防止と執行猶予
    3. 被害者に非がある場合

ひき逃げの刑罰

ひき逃げとは、車やバイクで人を轢いて死傷させた際に、すぐに被害者の救護や道路の安全を確保しなかったことを指します。これは道路交通法で定める救護義務違反や危険防止措置義務違反となり、10年以下の懲役または100万円以下の罰金が科されます。 事故で人を傷つけたことに対しては、過失運転致死傷罪が成立し、7年以下の懲役または100万円以下の罰金が科されます。ひき逃げでは、基本的にはこの二つが同時に起こる併合罪となり、15年以下の懲役が科されることとなります。 また、事故が起きた原因が、飲酒運転や過剰なスピード違反などの危険走行によるものであった場合には、危険運転致死傷罪が成立しより重い刑罰となります。 これらをまとめると次のようになります。

道路交通法違反との併合罪 刑罰
過失運転致死傷罪 15年以下の懲役
危険運転致傷罪(負傷) 準酩酊等運転と病気運転 18年以下の懲役
危険運転致傷罪(負傷) 上記以外 22年6か月以下の懲役
危険運転致死罪(死亡) 準酩酊等運転と病気運転 22年6か月以下の懲役
危険運転致死罪(死亡) 上記以外 30年以下の懲役

なお、無免許運転の場合にはさらに刑が重くなる場合があります。

ひき逃げの検挙率と逮捕後の流れ

一度逃げてしまった事件では、そのまま逃げ切ることは可能なのでしょうか。 ひき逃げの検挙率はおよそ50%となっており、交通犯罪が社会的な問題となっている昨今では上昇傾向を続けています。また、死亡事故の場合の検挙率は、およそ93%となっており、逃げ切ることはほぼ不可能でしょう。 ひき逃げをしてしまったのであれば、日々逮捕に怯えるよりも自首した方が更生への近道となるでしょう。弁護士とともに出頭することで、その場での逮捕を避けられたり、不利な取り調べを受けないように対策してもらうことも可能です。ひき逃げを後悔したのであれば、すぐに弁護士に相談しましょう。 一方で、逮捕された場合には、検察にて勾留という延長期間を含めた、最大23日間(逮捕後72時間+勾留20日間)の身柄拘束を受けることがほとんどです。勾留は逃亡や証拠隠滅のおそれがある場合にとる措置ですが、一度逃げている以上、逃亡のおそれを抱かれるのは当然のことでしょう。 勾留中には検察官からの取り調べを受け、勾留期間の終了とともに起訴するかどうかが決まります。ひき逃げは悪質な犯罪であり、原則として公判請求(公開された法廷で刑罰を決める刑事裁判)がなされ、懲役が求刑されます。

ひき逃げの弁護活動

ひき逃げの場合には、公判にて懲役刑が科されることが一般的ですが、逮捕されずに不起訴処分となる可能性や、起訴されても執行猶予(猶予期間中に罪を犯さなければ刑の執行を免除される)を獲得できる可能性があります。

示談と不起訴処分

まず、被害者の怪我が軽い場合は、被害者との示談を起訴前に成立させ、被害者から許しを得ることができれば、不起訴処分となる可能性があります。その際には、先に挙げた自首も被害者の感情を和らげることと期待できるでしょう。 また、ひき逃げされた被害者に対しては、政府保障事業という制度があり、加害者に代わって国が損害賠償金の一部を支払っている可能性もあります。その場合には、被害者に支払われた金額と同額を国に納めることになります。

再犯防止と執行猶予

不起訴処分とはならなくとも、示談や自首は情状面で評価が格段に良くなります。また、二度と運転しないことを誓い、車を売却するなどの再犯防止策を講じることや、寄付をして反省を示すことも執行猶予の獲得につながるでしょう。 ひき逃げでは、被害者が激しい怒りを抱いている場合も多くあります。身柄を拘束される場合はもちろんのこと、被害者との直接の示談は困難な場合も多いため、早期に弁護士に相談して適切な処置を仰ぐことをおすすめします。

被害者に非がある場合

一方で、被害者の飛び出しなど、加害者が注意深く運転していても避けられない事故もありるでしょう。その場合には、ひき逃げであっても5年以下の懲役または50万円以下の罰金となります。 事故現場に立ち会い、見通しの悪さや路面の状態の調査、事故当時の状況の再現、目撃情報の収集などを通して、事故が避けられなかったことを証明する必要があります。 いずれにしても個人の力では困難な作業であるため、弁護士に依頼することとなるでしょう。

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