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離婚・男女問題

2018年11月30日

未婚のパートナーと別れた後に養育費の支払いを求める方法

籍を入れていないパートナーであっても、別れた後、パートナーとの間にできた子どもをあなたが育てる場合は、パートナーに、子どもを育てるためのお金(養育費)を支払ってもらうことができます。 別れる時に養育費について決めなかった場合でも、別れた後に、金額や支払い方法を決め、元パートナーに請求することができます。 この記事では、元パートナーへの養育費請求について、話合いで決める場合の流れや、話合いでは合意できない場合の対処法などを、詳しく解説します。

目次

  1. 別れたパートナーから養育費を支払ってもらうことができる
  2. 養育費に関して決めること
    1. 金額をいくらにするか
    2. いつまで支払うか
    3. 支払い方法をどうするか
  3. 養育費を支払ってもらうためには「認知」が必要
  4. 元パートナーが子どもを認知することに同意している場合(任意認知)
    1. 届出人
    2. 届出先
    3. 届出に必要なもの
  5. 認知を拒否されたら
    1. 認知調停を申し立てるには
    2. 認知調停の流れ
  6. 認知をしてもらったが養育費の支払いについて合意できない場合

別れたパートナーから養育費を支払ってもらうことができる

子どもを養い育てるためには、衣食住の費用はもちろん、教育費や医療費、娯楽費や交通費など、様々な費用がかかります。 このような、子どもが自ら働いて収入を得て、社会人として自立するまでに必要な費用のことを「養育費」といいます。 具体的には、以下のような費用が養育費にあたります。

  • 子どもの生活費(食費、衣服費、住居光熱費など)
  • 教育費(授業料、塾代、教材費など)
  • 医療費
  • 小遣い
  • 交通費

養育費は、子どもと離れて生活するようになった親にも、子どもの健やかな成長をサポートする義務があるという理由から支払われるお金です。この義務を扶養義務といいます。 この義務は、結婚していないカップルから子が生まれた場合でも生じます。そのため、あなたは、子どもに代わって、別れたパートナー(子どもの父親)に対して養育費を支払うよう求めることができます。 ただし、法律上の扶養義務は認知によって発生します。養育費を支払うよう求めるためには、まず、別れたパートナーに子どもを認知してもらう必要があります。 認知については、この後で詳しく解説します。 別れる時に養育費について決めなかった場合でも、別れた後に、元パートナーに養育費を求めることができます。

養育費は、パートナーとの関係がどのようなものであっても請求することができます。極端な話、「その場限りの関係」を結んだようなケースであっても、子どもの父親である相手方に養育費を求めることができます。

養育費に関して決めること

元パートナーと養育費について話し合うときには、主に次のようなことを決めます。

  • 金額をいくらにするか
  • いつまで支払うか
  • 支払い方法をどうするか

金額をいくらにするか

養育費は、一般的には、家庭裁判所が参考にしている養育費算定表を目安に金額を決めることになります。

父親と合意できれば、算定表の相場とは異なる額を定めることもできます。

alt 養育費算定表は、子どもの人数・子どもの年齢に応じて、参考にすべき表が分かれています。まずは自分のケースに当てはまる表を見つけましょう。 表では、縦軸が「養育費を支払う側の年収」、横軸が「支払いを受ける側の年収」となっていて、それぞれが交わるゾーンの金額が養育費の目安(月額)となります。 給与所得者の場合、源泉徴収票の支払金額(控除されていない金額)が年収にあたります。一方、自営業者の場合は、課税される所得金額が年収にあたります。 たとえば、給与所得者で、子どもが1人(0歳〜14歳)いるケースでは、1か月間の養育費の目安は次のようになります。

養育費の目安・養育費を支払う側の年収が800万円で、受け取る側の年収が0円の場合…1か月の養育費の目安は8万円〜10万円

・養育費を支払う側の年収が600万円で、受け取る側の年収が400万円の場合…養育費の目安は2万円〜4万円

いつまで支払うか

養育費の支払い期間は、元パートナーとの話合いで自由に決められますが、原則としては、子どもが成人するまで、つまり20歳になるまでです。 お互いに合意すれば、子どもが将来大学に進学することを想定して「22歳まで」「大学卒業まで」などと決めることもできます。

支払い方法をどうするか

養育費は子どもの成長に合わせて必要となる費用なので、定期的に支払われるべきと考えられています。 そのため、通常は、毎月一定の金額を銀行口座などに振り込む形で支払われます(合意すれば、一括で支払ってもらうこともできます)。

養育費を支払ってもらうためには「認知」が必要

結婚していた夫婦から生まれた子の場合、離婚後に引き続き子を監護する母親は、父親に対して、当然に養育費を請求することができます。 一方、未婚のカップルの場合、元パートナーに養育費を請求するためには、父親が子を「認知」している必要があります。 なぜなら、あなたと元パートナーが入籍をしていなかった場合、そのままでは、子どもと元パートナー(父親)との間には法律上の親子関係がなく、扶養義務がないからです。 そのため、法律上の親子関係を生じさせる手続きとして、認知することが必要になるのです。 alt

養育費の支払いだけではなく、相続においても、元パートナー(父親)が子どもを認知しているかどうかは重要です。父親が子どもを認知していない場合、法律上の親子関係がないため、父親の死後、子どもはその財産を相続することができません。一方、認知している場合は、相続をすることができます。

元パートナーが子どもを認知することに同意している場合(任意認知)

元パートナーが、子どもを認知することに同意している場合は、「認知届」という書類を役所に提出してもらえば、認知の手続きが完了します。 認知届を提出すると、子どもの戸籍に元パートナーの名前が記載されます。また、認知した元パートナーの戸籍にも、いつ誰を認知したかが記載されます。 子どもがまだ生まれていない(胎児)段階でも認知することができます。 alt

届出人

子どもを認知する父親

届出先

次のいずれかの市区町村窓口に提出します。

  • 父親の本籍地・住所地
  • 子どもの本籍地 

※胎児認知をする場合は、あなたの本籍地

届出に必要なもの

  • 認知届 ※父親の署名・押印が必要
  • 父親の印鑑
  • 父親または子どもの戸籍謄本(全部事項証明書)※本籍地以外で届出をする場合に必要
  • 父親の本人確認書類

  • 認知をすることに対するあなたの承諾書 ※胎児認知をする場合に必要。認知届に承諾した旨を記載すれば、承諾書は不要

認知を拒否されたら

このように、元パートナーが認知することを同意している場合は、書類を提出するのみで手続きは完了します。 一方、元パートナーが、子どもを認知することを拒否している場合は、裁判所の手続きによって認知をさせることができます(強制認知)。 ただし、いきなり裁判を起こすことはできません。まずは、家庭裁判所の認知調停という手続きを利用して認知を求めることになります。 認知調停では、調停委員(弁護士や医師など)という第三者をまじえて、なぜ認知をしないのか、どうしたら認知をしてくれるのか、といったことを話し合います。 調停で元パートナーが認知に合意しないような場合は、最終的には裁判で認知を求めていくことになります。 alt

認知調停を申し立てるには

申立人

  • 子ども(あなたが子どもの代理人となって申し立てることになります)

申立先

次のいずれかの裁判所に申し立てます。

  • 父親の住所地を管轄する家庭裁判所
  • 当事者が合意で定める家庭裁判所 

どの裁判所に申し立てればよいのかは、こちらから確認することができます。

申立てに必要なもの

  • 申立書とそのコピー ※裁判所のホームページからダウンロードできます。記載例も見られます。
  • 連絡先等の届出書1通(裁判所のホームページからダウンロード可能)
  • 進行に関する照会回答書1通(裁判所のホームページからダウンロード可能)
  • 子どもの戸籍謄本(全部事項証明書)
  • 父親の戸籍謄本(全部事項証明書)
  • 収入印紙1200円分
  • 連絡用の郵便切手 ※申立てをする裁判所によって金額が異なります

申立ての前に入手できない戸籍がある場合は、申立ての後に追加で提出することもできます。上記の他、追加の書類が必要な場合もあります。

元パートナーに連絡先などを知られたくない場合

提出書類には、申立書や連絡先等の届出書など、あなたの現在の住所や連絡先が書かれた書類があります。 申立書は元パートナーに送付される運用になっています。連絡先等の届出書は、元パートナーが申請することによって、閲覧やコピーされるおそれがあります。 そのため、元パートナーに別れた後の連絡先や住所を知られたくない場合には、「非開示の希望に関する申出書」(裁判所のホームページからダウンロード可能)に非開示を希望する理由などの必要事項を記入して、開示されたくない書類の上にホチキスで止めて提出する必要があります。 申立書と連絡先等の届出書以外の書類で、元パートナーに知られたくない住所などが書かれている場合は、その部分を黒塗りしてコピーをとり、コピーの方に「非開示の希望に関する申出書」を付けて裁判所に提出します。 裁判官が「配偶者に住所を知らせるべきではない」と判断すれば、元パートナーにこれらの書類を閲覧・コピーすることはできなくなります。 非開示の希望に関する申出書を提出すれば、原則として認められることが一般的です。 一度届け出た連絡先などに変更があった場合、この「連絡先等の届出書」の変更届欄にチェックを入れたうえで、必要事項を記入し、改めて裁判所に提出する必要があります。 その際、変更した連絡先を元パートナーに知られたくない場合には、「非開示の希望に関する申出書」も一緒に提出することを忘れないようにしましょう。

「非開示の希望に関する申出書」が付けられていない書類は、非開示を希望していないものとして取り扱われます。元パートナーに住所や連絡先を知られたくない場合は、必ず申出書を付けて提出しましょう。

認知調停の流れ

調停は平日に行われ、1回にかかる時間は2時間ほどです。あなたと元パートナーはそれぞれ別の待合室で待機し、交互もしくは同時に調停室に入ります。 調停では、調停委員のアドバイスを受けながら、解決を目指して話合いを進めていきます。 多くの場合、子どもと元パートナー(父親)との間に生物学上の親子関係があるかどうかを確かめるために、DNA鑑定が実施されます。 DNA鑑定にかかる費用(個別の事案により金額は異なりますが、およそ10万円です)は、原則として申立人が負担することになります。 調停では、元パートナーが子どもを認知することに納得して、裁判所が、合意した内容が正当であると認めれば、裁判所の認知の手続きが完了します(合意に相当する審判)。 審判がされると、子どもが生まれた時点にさかのぼって、元パートナーと子どもとの間に、法律上の親子関係が生じることになります。 調停で解決できない場合、最終的には裁判を起こして認知を求めていくことになります。認知について、裁判で求めていくことになった場合は、専門家である弁護士に依頼することをおすすめします。

元パートナーに、DNA鑑定を拒否される場合もあるかもしれません。ですが、認知をしてもらうためには、必ずDNA鑑定を行わなければならないというわけではありません。場合によっては、DNA鑑定を拒否するということは身に覚えがあるからだろう、という印象を裁判所に与え、親子関係を肯定する要素として考慮されることもあります。

認知をしてもらったが養育費の支払いについて合意できない場合

元パートナーに子どもを認知してもらったけれど、養育費の金額などをめぐって、折り合いがつかないこともあるかもしれません。 話合いで合意できない場合には、家庭裁判所の「養育費請求調停」という手続きを利用して、解決を目指すことができます。 調停でも合意できなければ、調停は不成立となり、自動的に審判の手続きに移行します。審判では、裁判官が一切の事情を考慮して、養育費の金額などについて判断を下します。 養育費請求調停を利用する方法や調停の流れついて、詳しくは以下の記事で解説しています。

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