準強制わいせつ罪はどのような犯罪か|罪が成立する要件と刑罰の内容

泥酔しているなど、相手が抵抗ができないような状態を利用してわいせつな行為をした場合準強制わいせつ罪という犯罪が成立します。 この記事では、どのような行為をした場合に準強制わいせつ罪が成立するのか解説します。

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目次

  1. 準強制わいせつ罪とは
  2. 準強制わいせつ罪が成立する要件
    1. 心神喪失とは
    2. 抗拒不能とは
    3. わいせつな行為とは
    4. 未遂の場合も罰せられる
  3. 準強制わいせつ罪の刑罰

準強制わいせつ罪とは

相手が心神喪失(正常な判断能力がない状態)や、抗拒不能(心理的・物理的に抵抗できない状態)になっていることを利用して、わいせつな行為をすることです。 睡眠薬を飲ませるなど、自ら相手を心神喪失や抗拒不能の状態にさせてわいせつな行為をすることも、準強制わいせつ罪にあたります。 以前は、被害者の告訴がなければ起訴できない犯罪(親告罪)でしたが、2017年の法改正で、告訴がなくても起訴できるようになりました。

準強制わいせつ罪が成立する要件

心神喪失とは

心神喪失とは、精神の障害などにより、正常な判断力がない状態のことです。 たとえば、被害者が重度の知的発達障害のために、性的な行為の意味を理解していなかったことについて、心神喪失の状態にあったとした裁判例があります。

抗拒不能とは

抗拒不能とは、心理的・物理的に抵抗することが不可能か、きわめて難しい状態のことです。たとえば、泥酔している状態や眠っている状態です。 準強制わいせつ罪が成立した裁判例では、被害者が被告人にだまされて、わいせつな行為をされることを受け入れるしかないという心理状態に追い込まれたことが、抗拒不能の状態にあたるとしたケースがあります。 たとえば、理学療法士である被告人が、理学療法のマッサージだと装って、被害者の陰部を直接手で触るなどしたケースでは、被害者が理学療法のマッサージを受けるものと誤信していた状態が、抗拒不能の状態にあたるとされました。

わいせつな行為とは

わいせつな行為とは、次の3つの要件にあてはまる行為です。

  • 自身の性欲を興奮させたり、刺激したりする行為
  • 一般の人の性的羞恥心を害する行為
  • 一般的な性的道義観念に反する行為

準強制わいせつ罪が成立した裁判例では、たとえば次のような行為がわいせつな行為とされました。

  • 泥酔して抵抗ができない被害者の下着を脱がせて、陰部に直接触る行為
  • マッサージを受けるため下着のみ着用して施術台に横になった被害者に対して、施術に乗じて股を開かせ、陰部を動画撮影する行為
  • 催眠術により意識が朦朧とし、抵抗ができない被害者に対して、キスをする行為

被害者の心神喪失・抗拒不能を利用して性行為・口腔性交・肛門性交を行うことは、準強制わいせつ罪ではなく、準強制性交等罪が成立します。

未遂の場合も罰せられる

相手が心神喪失や抗拒不能の状態になっていたり、自らそのような状態にさせたりして、わいせつな行為をしようとしたが、実際にはわいせつな行為をするに至らなかった場合は、未遂罪が成立します。

準強制わいせつ罪の刑罰

準強制わいせつ罪の刑罰は、6か月以上10年以下の懲役です。未遂罪が成立する場合は、既遂の場合よりも刑が軽くなる可能性があります。

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