【一覧表付き】相続登記の必要書類とは?自分で法務局で入手できる書類や期限、原本が手続き後に返還されるのかも解説

相続登記の手続きをするとき、複数の書類を用意する必要があります。この記事では、相続登記で必ず用意しなければならない書類と、ケースごとに必要な書類をそれぞれ紹介します。書類に有効期限はあるのか、手続き後に原本を返してもらえるのか、といったポイントも解説しているので、参考にしてください。

目次

  1. 共通して必要な書類
  2. ケースによって必要になる書類
    1. 遺言書による相続の場合
    2. 遺産分割協議による相続の場合
  3. 登記の手続きの流れ
  4. 書類に期限はある?
  5. 書類の原本は返してもらえる?
  6. まとめ
  7. 次はこの記事をチェックしましょう

共通して必要な書類

亡くなった人の土地や建物を受け継ぐことになった場合、登記という手続きを行います。登記とは、土地や建物を所有していることなどを証明するための公的な制度です。 登記の手続きは法務局で行います。その際、決められた書類を提出する必要があります。必要な書類の内容は、どのようなプロセスで土地や建物を相続したかによって異なりますが、すべての相続登記において必要な書類は以下のとおりです。

必要書類 入手できる場所
登記申請書 法務局の窓口またはホームページからダウンロードできます
被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本(除籍謄本・改正原戸籍謄本) 市町村役場
相続人全員の戸籍謄本 市町村役場
相続人全員の住民票 市町村役場
固定資産税評価証明書 市町村役場(東京23区内の場合は都税事務所)

登記申請書のダウンロードはこちらからできます。記載例も見ることができます。 固定資産税評価証明書は、不動産が東京都23区内にあれば都税事務所、それ以外にあれば市町村役場の市民税課などで取得することができます。取得のために必要な書類については、都税事務所や各市町村役場に問い合わせましょう。 登記手続きには手数料(登録免許税)がかかります。登録免許税は、固定資産税評価額の0.4%です。

ケースによって必要になる書類

上記で紹介した書類とは別に、土地や建物を受け継いだプロセスごとの必要書類について解説します。

遺言書による相続の場合

被相続人が遺言を残しており、その内容に従って相続した土地や建物の登記をおこなう場合、上記の書類とともに、遺言書の原本も提出します。自筆証書遺言が残されている場合、検認済みのものを提出しましょう。

相続の登記や預貯金の手続きに伴う必要書類について教えてください

相談者の疑問 遺言があり、遺言執行人がいる場合で、相続人の1人が土地と預貯金を相続するケースについて質問です。土地登記の必要書類は、被相続人の出生から死亡までの戸籍や固定資産税評価証明書、相続する人の住民票ですか?

山村 邦夫の写真 弁護士の回答山村 邦夫弁護士 ・相続人が遺言者にとって相続人であることの証明(戸籍謄本等、遺贈であれば不要)
・遺言書原本(自筆証書遺言であれば、検認済みのもの)

がさらに必要です。

遺産分割協議による相続の場合

遺言書がなく、遺産分割協議によって、土地や建物を相続する人を決めた場合は、登記の手続きの際に、遺産分割協議書も提出します。遺産分割協議をおこなった相続人全員分の印鑑証明も必要です。

登記の手続きの流れ

必要書類が用意できたら、法務局に提出します。 必要書類は郵送で提出することもできます。郵送する場合には、必要書類を入れた封筒の表面に「不動産登記申請書在中」と記載し、書留郵便で送ります。登録免許税は、収入印紙を購入して、申請書に貼り付けます。 手続きは、申請から1〜2週間かかります。手続きが完了したら、「登記識別情報通知」が送られてきます。 「登記識別情報」は、12桁の英数字からなるパスワードのようなもので、不動産の権利者であることを判断するためのものです。なくさないように保管しましょう。 登記の手続きについて、より詳しく知りたい方は、記事末尾のリンクを参考にしてみてください。

書類に期限はある?

相続の手続きの中には、必要な書類について「発行後●か月以内のものを提出すること」などと、有効期限が定められている場合があります。 登記の手続きに必要な書類にも、有効期限はあるのでしょうか。

相続登記変更 戸籍抄本

相談者の疑問 実父名義の山林を母名義に登記変更するにあたり、必要書類として、戸籍抄本などを用意しています。

戸籍を郵送で取寄せする時は、父は亡くなっているので除籍謄本を取寄せるのか、戸籍抄本を取り寄せるのかわかりません。

齋藤 健博の写真 弁護士の回答齋藤 健博弁護士 まず、除籍謄本(亡くなられた際の除籍)から開始して、コンピュータ化される前の改製原戸籍を取り寄せます。

その後については、結婚前の除籍謄本(お父様が生まれた際の除籍)が必要なのは確実ですが、それ以外に何が必要かについては、個々のケースで異なります。

「戸籍を遡って取得したい」と役所に伝えれば、スムーズに取り寄せできると思います。
なお、戸籍関係は、有効期限はありませんので、昔取り寄せたものでも使えます。

その他、遺産分割協議書、印鑑証明書(これも有効期限はありません)、被相続人の住民票の除票も必要になります。

固定資産税の評価証明書も必要です。

登記の手続きに必要な戸籍謄本や印鑑証明などには有効期限がないようです。ただし、被相続人が死亡した日以降の証明日のものが必要です。

書類の原本は返してもらえる?

登記の手続きの際に提出する書類は、原本であることが必要とされています。ただし、一部の書類については、登記の手続きをする際に、「書類の原本と相違ありません」と記載した謄本(原本のコピー)を提出することで、原本を返してもらうことができます。「原本還付」といいます。 なお、登記申請のためだけに作成した書類(代理人に登記申請をしてもらうために作成した委任状など)や印鑑証明については、原本を返してもらうことはできません。

原本還付は、登記の手続きと同時におこなう必要があります。登記が完了した後に、原本還付の請求をしても応じてもらえないので、注意が必要です。

まとめ

相続登記の手続きは自分でもおこなえますが、用意する書類が多いため収集の手間がかかります。登記申請書などの書き方がよくわからず、不安に思う人もいるでしょう。 手続きや必要書類などについて分からない点がある場合は、法務局に問い合わせるか、弁護士などの専門家に相談・依頼することをおすすめします。 専門家のサポートを受けることで、自分でおこなうよりも手間なくスムーズに登記の手続きを完了できるでしょう。

次はこの記事をチェックしましょう

弁護士に相談・依頼することを考え中の方

弁護士を探す
記事のタイトルとURLをコピー

お悩みの解決策を探す