弁護士歴28年の豊富な経験を活かし、町の弁護士として身近な法律問題に幅広く対応
司法試験を目指す友人たちから刺激を受け、弁護士を志す
ーー弁護士を目指したきっかけや理由を教えてください。
子どもの頃、テレビドラマの『事件』や『白い巨塔』などを観て、弁護士の格好よさに憧れました。しかし、それはあくまでドラマの中の話であり、自分が実際に弁護士になろうとまでは考えていませんでした。
弁護士を目指すことを考え始めたのは、大学生になってからです。国家公務員試験を目指す学生が集まるサークルに参加したことがきっかけでした。私は政治経済学部の学生でしたが、そのサークルには法学部の学生も多く参加していて、彼らの話を聞いたり、親しく付き合うようになる中で、自分も司法試験を受けることを選択肢として考えるようになりました。
もともと、法律的な解釈や判断に興味がありましたし、法律の論理的な考え方が自分の性に合っていると感じたんです。大学3年生の頃に、司法試験を受けようと決めて、本格的に勉強を始めました。
町の弁護士として身近な法律問題を数多く解決
ーー注力分野を教えてください。
借金・債務整理、不動産問題、離婚・男女問題、遺産相続、刑事事件の5つに注力しています。どの分野も、町の弁護士として多くの相談や依頼を受けてきた分野であり、これまでの経験から自信を持って対応できる分野です。
まず、借金・債務整理については、過払い金請求、商工ローン問題、個人の破産・再生という三本柱で取り組んでいます。
過払い金請求と商工ローン問題については、現在は法改正により問題が減少していますが、私が弁護士になった1995年から法改正が行われた2010年頃までは、社会問題にもなった大きな問題であり、積極的に取り組んでいました。
過払い金請求に関しては、利息制限法の制限を超える利息(いわゆるグレーゾーン金利)で貸付をした消費者金融業者に対して、利息制限法に基づく利息の引き直しを求めて交渉しました。
私が弁護士になった頃は、グレーゾーン金利の上限が40.004%という、今では考えられないほどの高金利でした。また、利息制限法の罰則がないのをいいことに、「グレーゾーン金利の何が悪いんだ」と開き直る業者が多くいたため、交渉には苦労しました。
商工ローン問題にも取り組んできました。商工ローンは、消費者金融業者が中小企業向けに行う融資のことで、過剰融資や違法な取り立てが社会問題になりました。有名な例としては商工ファンドという会社があり、やはりグレーゾーン金利の上限である40.004%という高金利で貸し付けていました。利息制限法に基づく利息の引き直しを求め、交渉や裁判をしていました。
現在は「借金を返済できない」「自宅のローンの支払いが厳しいが、自宅を残す方法はないか」といった、個人の破産や個人再生などの債務整理手続きを多く扱っています。
ーー不動産問題はどのような相談が多いですか。
不動産問題は、不動産の権利に関する問題と、登記に関する問題があります。
不動産の権利関係については、例えば「土地を他人に売却したが、代金が支払われない」、「テナントを受け入れたが、家賃が滞納される」などの場合に、権利関係を調査し、契約解除や立退要求など適切な手続きを踏む必要があります。
不動産登記に関しては、「自分の土地が他人の名義になっていた」「自宅の登記簿を見たら、知らない抵当権が設定されていた」などの相談があります。登記手続きは一般的に司法書士の業務ですが、相手方が協力しない場合や紛争がある場合には、裁判所の手続きが必要になることがあり、弁護士の出番です。
さらに、相続に関する相談もあります。「遺産に不動産が含まれるので、どのように遺産分割を行ったらよいか」などの相談を受けることもあります。
ーー離婚・男女問題に注力する理由を教えてください。
離婚・男女問題は、町の弁護士として幅広い相談を受ける中で、多くの相談が寄せられる分野です。そのため、知識や経験も自然と蓄積されていきます。昔から数多くの相談や依頼が寄せられているので、コンスタントに取り組んでいます。
離婚・男女問題は依頼者の第二の人生に大きく影響します。新たな人生への一歩を踏み出すための手助けや橋渡しができることに、やりがいを感じます。
ーー相続問題はどのような相談が寄せられますか。
相続問題は誰もが直面する可能性のある身近な問題です。本人が元気な間に、遺言書の作成を相談されることもあります。争いを未然に防ぐためには、遺言書の作成が有効です。
遺言書がない場合には、遺産をどのように分けるのかを相続人同士で決める必要があります。しかし、法律では遺産の分け方が細かく定められていないため、意見が対立することが少なくありません。「骨肉の争い」と言われるような激しい感情の対立まで発展してしまうと、弁護士が間に入らないと相続人同士ではなかなか解決が難しいかもしれません。
ーー最後に刑事事件はいかがですか。
刑事事件は、弁護士になったばかりの頃から、国選事件を数多く受けてきました。
被疑者が罪を認めている場合でも、その背景にはさまざまな事情があることが少なくありません。自分が悪いと認める気持ちもあれば、「この状況に至った背景を他の人に理解してほしい」という思いもあるでしょう。
裁判所や検察に対して、被疑者が自分の思いを伝える機会を確保し、本人の事情をできるだけ理解してもらえるように活動することを大切にしています。
諦めることができる場合でも、チャレンジする価値があることを知ってほしい
ーー仕事をする上で心がけていることを教えてください。
依頼を安易にお断りすることは避けています。結論が見えないからといって、早々に諦めることはしません。依頼者がよりよい選択をできるよう、さまざまな選択肢を検討し、提案することが弁護士の役割だと考えています。
もちろん、最終的にどうするかを決断するのは依頼者自身であり、諦めることも1つの選択です。しかし、たとえ困難な道ではあっても、チャレンジする価値があることも知ってほしいと思います。依頼者がチャレンジすることを決断したならば、その思いを尊重し、解決に向けて全力でサポートします。
ーー弁護士のやりがいはどのような点に感じられますか。
依頼者が希望することをやり遂げたときにやりがいを感じます。よい結果が出ればもちろん嬉しいですが、たとえ悪い結果であっても「諦めずにやってみてよかった」と依頼者に言ってもらえると、やってよかったと思います。結果はもちろん重要ですが、同じくらい、その結果に至るまでの過程も重要だと考えています。
依頼者が自身の選択に納得し、自分の人生の答えの1つを見つけられたと感じるときが、何より嬉しいです。
ーー先生の事務所の強みを教えてください。
町の弁護士として、相談の門戸を広く開き、離婚や相続、不動産問題、刑事事件など、身近な法律問題について幅広い知識と経験を持っている点です。
法律事務所の中には特定の分野に特化した事務所もあり、高度な専門性を提供していますが、ともすると、その分野に限られた視点になりやすいという落とし穴があると思っています。医療に例えると、脳神経外科の先生は脳神経に関する知識は豊富ですが、内科的な知識については医師免許を取って以来、アップデートされていないことも少なくありません。
弁護士業務においても、1つの分野に特化した事務所が増えている一方で、オールラウンドに対応できる弁護士が減少している印象があります。
私は、依頼された問題に対して、得意分野だけでなく、「刑事事件としてはこうなる」「民事的にはこのような視点がある」「行政的にはこういった問題がある」というふうに、広い視野と多角的な知見をもとにアドバイスができます。様々な法的観点から問題を捉え、多面的な解決策を提供できることが当事務所の強みです。
町医者と同じように、法律トラブルを抱えたときにまず相談できる、「総合窓口」として活動しています。何かお悩みを抱えたときには、気軽に相談に来てほしいと思います。
依頼者が納得できる決断を下せるよう、さまざまな選択肢を提案
ーー弁護士として活動してきた中で、印象に残っている案件はありますか。
30年近いキャリアの中で、具体的な統計は取っていませんが、刑事事件だけでも200件以上、民事事件や細かい案件を含めると2000件を超える案件を扱ってきました。
その時々で真剣に取り組んできたので、それぞれが大切な経験となっています。
ーープライベートについても伺います。休日はどのようにお過ごしですか。
休みの日は自宅でクラシックを聴いたり、映画を見たり、ゲームをしたりしています。
映画は動画配信で好きなときに見ることが多いです。仕事の時間が固定されていないので、空いた時間に自由に見られる動画配信を利用して楽しんでいます。
ゲームは、アクションゲームやロールプレイングゲームが好きです。『ドラゴンクエスト』や『ファイナルファンタジー』などをよくプレイしますが、没頭しすぎて仕事に影響が出ないように気をつけています。
ーー今後の展望を教えてください。
1人で事務所を運営しているので、あまり規模を広げずに、今のペースで続けていけたらと思います。来年還暦を迎えることもあり、新しいことにチャレンジするよりも、これまでの経験を活かして、1つひとつの案件に丁寧に対応していきたいです。
ーー法律トラブルを抱えて悩んでいる方へメッセージをお願いします。
「案ずるより産むが易し」というように、1人で悩まずにぜひ相談に来てください。
時には、「もう駄目だから諦めなさい」と言う弁護士もいます。確かに、早めに見切りをつけて、引導を渡すことも弁護士の重要な仕事の1つです。
しかし、そこで諦めるのではなく、ぜひ、他の弁護士にセカンドオピニオンやサードオピニオンを求めることを検討してほしいです。複数の意見を聞き、その中で自分が納得できる方法を提示してくれる弁護士を探して、最終的にどうするかを考えることが大切だと思います。
ある弁護士の意見が法的には正しいとしても、それがご自身にとってベストな回答だとは限りません。最も納得のいく決断ができるよう、私からもさまざまな選択肢を提案できればと思いますので、ぜひ一度ご相談ください。