依頼者をよく見て理解し、解決への道筋を設計。本気の対話を重ねながら二人三脚でゴールへ向かう
獣医志望から弁護士へ、大きな進路変更
ーー弁護士を目指したきっかけや理由を教えてください。
紆余曲折あり、大学の途中から弁護士になることを考え始めたのですが、それまでは自分が弁護士になるなんて全く想像していませんでした。
もともと僕には獣医になる夢があり、高校時代に頑張って勉強して、北海道にある大学の獣医学部に進学しました。そこまでは順調だったのですが、実習中に自分が猫アレルギーであることがわかったんです。2週間くらいの泊まりがけでおこなう農業実習で、お世話になったお宅に猫がいたのですが、猫と同じ空間にいるだけでくしゃみと咳が止まらなくなってしまって。夜も全く眠れないくらいアレルギー症状がひどく、実習を途中でリタイアすることになりました。
犬や猫の臨床医を目指していた僕にとって、猫アレルギーは高すぎる障壁でした。獣医学部を卒業した後の進路としては、製薬会社や農林水産省などの組織に入って研究をしたり、牛や馬などの獣医になるという道もあります。ただ、どうしてもしっくりこなくて、いっそのこと全く違う分野に方向転換してみようかと考えるようになりました。そして、色々考えた結果行き着いたのが弁護士を目指すことだったんです。
父が公認会計士、母が税理士という家庭で育ったので、士業には馴染みがありました。せっかくなら難しい資格に挑戦したいと思い、司法試験の勉強をしてみたところ、意外と頭に入ってきて自分に向いているかもしれないと手応えを感じました。大学5年生の頃から勉強を始めて、卒業後はロースクールに進学し、司法試験を受けて今に至るという流れです。
依頼者への理解を深めてこそ、最適な解決への道筋を設計できる
ーー現在注力している分野を教えてください。
依頼件数が一番多いのは離婚です。
離婚で悩んでいる方の中には、同性の弁護士の方が話しやすいという方もいます。当事務所には僕の他に生井みな絵弁護士という女性弁護士が在籍しているので、そのような方のニーズにもお応えできます。生井弁護士は子育て経験もあり、依頼者からは「同じ母親の目線でアドバイスをしてくれてありがたかった」と喜んでいただいています。
離婚の他には、不動産に関する依頼もよく受けています。基本的にはオーナー側、つまり不動産を貸している方からの相談に対応しています。
ーー仕事をする上で心がけていることを教えてください。
初回相談の前から、依頼者がどういう方なのか何となくイメージすることです。当事務所では事前に相談の概要をメールや電話でヒアリングするのですが、その内容はもちろん、文章の書き方や事務スタッフとの電話のやりとりなどの細かいところもよく見るようにしています。どんな方で、どこで悩んでるのか、悩む理由が何なのか…そういうポイントをある程度シミュレーションして面談に臨みます。
なぜそこまで細かく見るかというと、依頼者の性質を理解した上で相談に臨むことで、より満足してもらえるリーガルサービスを提供できるからです。
その方の性格や考え方によって、適切な解決方法は大きく変わります。シンプルな話でいうと、相手方からお金をもらえれば満足する人もいれば、誠意を持って謝罪してくれたらお金はいらないという方もいます。「お金はいらない」と口では言っていても、行動を見る限り一番の優先順位はお金だろうなと推測できる方もいます。
色々なパターンがあるので、ちょっと話を聞いただけでは、依頼者の真意がなかなかわかりません。事前のシミュレーションで何となくのイメージをつくり、実際に対話する中で、話す内容や、表情、身体の動きなどをよく見て、依頼者への理解を深めます。その上で、依頼者の真意を汲み取り、希望を実現するための法的な手段を提案します。
弁護士の役割は依頼者が満足する結果を出すことです。そこに向かう道筋を設計するためには、依頼者を理解することが不可欠だと考えています。
ーー依頼者とのコミュニケーションで大切にしていることはありますか。
多くの方にとって、弁護士に相談することは人生で一度あるかどうかの一大事です。依頼者はきっと覚悟を決めて事務所に来てくれたんだろうな、と思って相談に臨むようにしています。緊張している方が多いので、話しやすい雰囲気づくりを心がけています。実際に、依頼者からは「話しやすい先生でよかった」と言ってもらえることが多いです。
頼ってもらえた、という実感を得られることが嬉しい
ーー弁護士として活動してきた中で、印象に残っているエピソードを教えてください。
依頼者とのやり取りの中で嬉しいなと思うことが多々あり、そういう出来事は記憶に残ります。
最近だと、「友達が悩んでいて、先生を紹介したいんです」と言ってもらえたときは嬉しかったですね。人に紹介したいと思えるくらい信頼してもらえたんだな、と。
あとは、僕が獣医学部出身ということで動物病院や獣医さん個人の顧問を依頼されることが多く、全国各地から問い合わせをもらっています。北海道や静岡など遠方で仕事をしている先生が、わざわざ僕を選んで連絡をしてきてくれたという事実がすごく嬉しいです。
ーー弁護士の仕事をしていて、やりがいを感じるのはどういうときですか。
頼ってもらえたときです。誰にも言えなかった悩みを打ち明けたり、本音をぶつけたりするのは、「この人なら信頼できる」と思う相手にしかできないですよね。
対話を重ねる中で依頼者がどんどん本音をぶつけてくれるようになり、それに対して僕も本気で返します。耳障りのいいことばかり伝えるのではなく、リスクがあればしっかり指摘しますし、依頼者が筋の通らない主張をしている場合は正すこともあります。
本音のコミュニケーションを重ねる中でより強固な信頼関係を築き、解決に向かって二人三脚で進んでいく実感を得られたときに、この仕事をしていてよかったと感じます。
一番いい解決方法を一緒に考えましょう
ーー今後の展望を教えてください。
ありがたいことに多くの依頼をいただいています。1つひとつの案件に全力で取り組み、依頼者に満足してもらえる結果を出すこと、それが全てだと思っています。
事務所の方向性としては、これまで通り個人の方からの様々な依頼に応えていくことに加えて、動物病院と学校関係者からの依頼にも対応できることを強みとして打ち出したいと考えています。
一緒に仕事をしている生井弁護士は公立の小学校で教員をしていた経験があり、教育現場の事情に精通しています。いじめ問題の調査や保護者対応など、幅広くサポートすることが可能なので、ぜひ積極的に取り組みたいです。
ーートラブルを抱えて悩んでいる方へ、先生からメッセージをお願いします。
このインタビューを読んで僕に興味を持ってくださった方には、ぜひ、弁護士ドットコムのページの「感謝の声」欄を見ていただきたいです。そこに書かれた依頼者のメッセージを見てもらえれば、僕がどんな人間なのかがわかって安心してもらえると思います。
遠方の方からの相談も大歓迎です。当事務所は東京にありますが、面談はオンラインでできますし、裁判所もテレビ会議を導入しているので、遠隔のやりとりで完結できるケースが多いです。依頼していただいた後はLINEやチャットで僕と直接やりとりができる体制にしています。ふとした疑問や不安が生じたときはそのままにせず、いつでも連絡してください。
弁護士に相談することは全く恥ずかしいことではありません。「どうすればいいのかわからない」「誰に相談すればいいのかわからない」ーー。そういう状況に置かれてしまった方の話を聞き、進むべき道筋を示すのが僕たちの仕事です。一番いい解決方法を一緒に考えるので、ぜひご連絡いただければと思います。