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「社長のセクハラ調査で解雇は不当」龍角散訴訟で初弁論、会社側は争う姿勢
東京地裁(弁護士ドットコム撮影)

「社長のセクハラ調査で解雇は不当」龍角散訴訟で初弁論、会社側は争う姿勢

のど薬で有名な「龍角散」(東京都千代田区)の元法務担当部長の50代女性が、社長によるセクハラ行為の調査をしたところ解雇されたのは不当として、解雇の無効を求めた訴訟の第1回口頭弁論が7月25日、東京地裁(伊藤由紀子裁判長)であり、龍角散側は請求の棄却を求めて争う姿勢を示した。

●女性が訴えている内容は?

訴状などによると、女性は2012年4月、法務担当の管理職として中途採用された。翌年には法務担当部長に昇格。2013年度以降、期末人事評価では一番評価の高いS評価を受けており、社長も女性の貢献を認めていた。

女性は2018年12月7日、社長が6日に開かれた忘年会で、当時業務委託契約を結んでいた女性に対し、「君が大好きなんだよ」「首筋がゾクゾクするよ」などと言い、手や背中をさすったり、一方的に抱きついたりするセクハラ行為をしていたと出席者から報告を受けた。

12日に社長室に呼び出された際に、社長のセクハラ行為に触れた上で「第三者相談窓口が必要」と話したが、社長は「セクハラなんかしていない」と否定したという。

14日には、人事課長と共にセクハラを受けた女性と忘年会の参加者にヒアリングをおこなった。その際、被害女性の側からも「第三者相談窓口が必要」といった話が出たという。

女性は17日、突然社長室に呼び出され、社長から「セクハラなんてなかったのに、セクハラをねつ造してけしからん。(被害を受けたとされる)女性はセクハラなんか無かったと言っているじゃないか」などと言われた。その場でパソコンや社員証などを取り上げられ、口頭で自宅待機を命じられたという。

2019年1月、会社が依頼した弁護士によるヒアリングが行われたが、その後何も連絡はなく、引き続き自宅待機をしていた3月26日、文書で解雇通知(3月28日付)が届いた。

会社側は解雇理由として「(被害を受けたとされる)女性の認識や意向とは異なる申告をさせた」、「適切なヒアリング手段をとらなかった」ことが、就業規則の懲戒事由に該当すると主張している。

●龍角散側「セクハラの事実は認められなかった」

龍角散は2019年6月6日、女性の提訴を受け同社のHPでコメントを発表。「当社といたしましては、当社と利害関係を有しない法律事務所に依頼して調査を行いましたが、セクハラの事実は認められなかったとの報告を受けております」としている。

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