コンビニのトイレを利用して買い物をせずに店を出ようとした客に対して、氏名や住所を紙に書くよう迫ったとして、栃木県宇都宮市の店舗を経営する夫婦が7月19日、強要未遂の疑いで県警に逮捕された。
報道によると、店のトイレには「利用の方は商品の購入もお願いします」という趣旨の張り紙があったという。
セブン‐イレブン・ジャパン本部は7月22日、弁護士ドットコムニュースの取材に対し、加盟店経営者の逮捕について謝罪。
そのうえで、コンビニのトイレ利用については「サービスの一環」であり、「買い物せずにお客様が使用することで直ちに問題となるものとは考えておりません」と回答した。
●「コンビニをばかにするなよ」個人情報を書くよう要求か
報道によると、逮捕されたのは、宇都宮市内のコンビニを経営する40代の夫婦。逮捕容疑は7月13日未明、店のトイレを利用した客の男女に対し、氏名や住所、電話番号を紙に書くよう強要しようとした疑い。
2人はトイレを利用した後、別の従業員から商品を買うよう求められ、菓子1個を購入。しかし、店にいた経営者夫婦が態度を問題視し、「損害賠償を請求する」「逮捕してもらう」「コンビニをばかにするなよ」などと告げたうえで、氏名などを書くよう求めたとされる。
2人は要求に応じず店を出て被害届を提出。夫婦はいずれも「強要はしていない」などと容疑を否認しているという。
●本部「深くお詫び申し上げます」
セブン‐イレブン・ジャパンは、弁護士ドットコムニュースの取材に対し、加盟店経営者が逮捕されたことについて、次のように謝罪した。
「このたび弊社加盟店の経営者が逮捕されるという事態となり、お客様及び関係者の皆様には、多大なるご迷惑とご心配をおかけしますことを、深くお詫び申し上げます」
一方で、事案の詳細については捜査に関わるとして説明を控えた。
そのうえで、この店舗をめぐっては以前から利用客への対応について「指摘」が寄せられていたことも明らかにした。
「当該経営者によるお客様への対応等に対しては、これまでも多くのお客様からのご指摘が継続的に発生しており、本部としても繰り返しの注意・指導・様々な改善に向けたご提案を行ってまいりました」
経営者の処遇については「事実関係および捜査の進展を継続的に確認し、本件を厳正に受け止めて適切に対処してまいります」としている。
●トイレは「サービスの一環」購入は必須ではない
今回の件を受けて、改めて注目されたのが、コンビニのトイレ利用と商品購入の関係だ。
コンビニのトイレは、外出中の利用者を支える設備として広く利用されている一方、清掃コストや維持管理の負担は店舗側が負っている。そのため、利用者の間では「借りたら何か買うべきではないか」という声も少なくない。
こうした点について、本部は、購入を必須とはしないという見解を示した。
「店舗に設置されているトイレの使用に関しては、地域で商売する事業特性上、本部としてもサービスの一環と捉えております。したがいまして、買い物せずにお客様が使用することで直ちに問題となるものとは考えておりません」
ただし、すべての店舗で自由に使えるわけではないという。
「防犯や衛生管理等の観点から、店舗によっては従業員にお声がけいただくようお願いをしている場合や、特定の時間帯のみのご利用とさせていただいている場合等がございます」
つまり、本部としては、商品購入を利用条件とするのではなく、防犯や衛生管理のために声がけや時間帯の制限など、各店舗の実情に応じた運用を認めているということだ。
今回報じられた「利用の方は商品の購入もお願いします」という張り紙は、本部が示した考え方とは、必ずしも一致しない運用だったことになる。