コンビニ大手のセブン-イレブン・ジャパンが、加盟店の一部で発売前の人気キャラクターに関する商品について、買い占めや転売がおこなわれたとして、全国の加盟店に警告していたと7月23日に報じられました。
報道によると、セブンイレブンの一部で、店員やオーナーが、人気アニメのキャラクター商品などを不正に転売しているとして、本部が7月13日付で全国の加盟店に警告文書を出したとのことです。
警告文書には、告知前の販売、店舗関係者による買い占めや転売、一部の客への優先販売が散見されるという記載があるとのことです。加盟店契約の中途解約に至ったケースもあるといいます。
SNSでは「まさに闇」などと声が上がっています。こうした買い占めや転売は、法的にはどのような問題があるのでしょうか。簡単に整理してみます。
●買い取った商品の転売であれば、犯罪には当たらないと考えられる
まず、店員やオーナーによる買い占めや転売は法的に問題はあるのでしょうか。
結論としては、いずれの場合にも何らかの犯罪を構成すると考えるのは難しいと思われます。
まず、店員や店長の買い占めについてです。店の商品を売値と同じ金額で買い取った場合、自分が購入した物を転売するということに対して何らかの犯罪が成立すると考えるのは難しいと思われます。
次に、加盟店のオーナーが商品を転売しても、犯罪が成立しない可能性が高いと考えられます。
そもそも店内の商品の所有権は、仕入れの段階でオーナーに移転するのが通常と考えられるからです。コンビニのフランチャイズでは、店内商品の所有権は加盟店側に帰属する建て付けが一般的です。
オーナーが自分の物である商品を持ち出しても、犯罪が成立するとは考えにくいでしょう。
なお、セブン-イレブン・ジャパンの意向に反すると思われるこうした行為は、背任罪(刑法247条)になるのでは、と思う方もいるかもしれません。
しかし、背任罪の要件である「他人の事務を処理する者」にあたるのかも問題となりますし、また、店員らが商品を買い取っている場合には、財産上の損害を認定することが非常に難しいと思われます。
また、オーナーの場合には、すでに仕入れの段階で商品を買い取っている以上、やはり財産上の損害の認定が難しく、背任罪は成立しないと考えられます。
●責任を問うなら契約の解除
だからといって、オーナーが何の責任も負わないわけではありません。
オーナーの責任は、契約の問題として残ります。今回のケースでも、セブン-イレブン・ジャパンが一部の契約を解約していると報じられています。
代金を払ったうえで買い占める場合も、同じく契約違反の可能性はあります。
セブン-イレブン・ジャパンとの契約に違反した場合には、解除条項の内容や、違反がどの程度重大なものだったかにもよりますが、契約解除のリスクはあるでしょう。
もっとも、契約違反といっても、セブン-イレブン・ジャパンが損害賠償を求めるとなると簡単ではありません。商品自体はオーナーが買い取っており、セブン-イレブン・ジャパンには損害がないとも考えられるからです。
セブン-イレブン・ジャパンに損害が発生したと主張するのであれば、たとえばチェーンの信用が傷ついたことによる損害などが考えられます。実際の裁判になれば、このような主張が認められるかどうかが争点になるでしょう。
●「お客様からの信頼低下につながりかねない」
セブン‐イレブン・ジャパンは7月23日、弁護士ドットコムニュースの取材に対して、こうした不適切な事例がSNSや客からの指摘により確認されていると明らかにした上で、次のようにコメントしました。
「一部店舗の不適切な行為が、お客様からの信頼低下、チェーン全体のブランド毀損、版権元・メーカー各社様からの信用低下等につながり、商品の企画やセブン‐イレブン店舗における取扱いの継続、セブン‐イレブン店舗の経営の継続にまで影響しかねない重大な問題と捉えており、加盟店一店一店のご協力が不可欠であると考えております。
今後も、より多くのお客様に公平に商品をお買い求めいただけるよう、店舗への注意喚起を引き続き徹底してまいります」
監修:小倉匡洋(弁護士ドットコムニュース編集部記者・弁護士)