【弁護士監修】離婚する前にやっておく事とは?準備・手続きの全手順

「離婚したいけど、何から始めればいい?」——そう悩んでいる方へ。準備不足のまま離婚を進めると、財産分与や親権で後悔するケースが少なくありません。

この記事では、水面下の準備から納得できる条件の交渉、役所での手続き、離婚後のやることリストまで、『今日から何をすべきか』を弁護士がステップ順に解説します。

目次

  1. 離婚の3つの方法(協議・調停・裁判)の違いと進め方
  2. 離婚までの4ステップと「やること」チェックリスト
  3. 【ステップ1】離婚を切り出す前の「水面下の準備」
  4. 【ステップ2】離婚時に必ず決めるべきこと「条件交渉」
  5. 【ステップ3】役所での離婚手続きと届け出のやり方
  6. 【ステップ4】離婚後の手続き:新しい生活をスタートさせるために
  7. 「限界」と感じたら、一度弁護士へ相談を
  8. よくある質問(FAQ)

離婚の3つの方法(協議・調停・裁判)の違いと進め方

離婚の3つの方法についての図 離婚の方法は、主に3つありますが、約9割の夫婦は、当事者間の話し合いで解決する「協議離婚」で離婚しています(※厚生労働省「人口動態統計」より)。ただし、相手が離婚に応じない場合や親権、養育費などの条件でもめた場合は「調停」「裁判」へと進みます。 まずは、3つの手続きの特徴を比較表で確認しましょう。

種類 特徴
協議離婚 ・当事者(またはその弁護士)による話し合いで離婚する
・裁判所は利用しない
調停離婚 ・裁判所を利用する
・中立公平な立場の調停委員を介した話し合いで離婚する
・離婚までに一定の時間がかかる
離婚裁判 ・裁判官が離婚を判断する
・主に調停が不成立となった場合の離婚方法
・離婚までに時間がかかる

①協議離婚の進め方

夫婦の話し合い(またはそれぞれの依頼した弁護士)のみで、離婚そのものや離婚条件などに合意し、離婚届を役所に提出して成立させる方法です。

  • 特徴:当事者の話し合いで合意し、役所に離婚届を出して成立
  • 実費費用の目安:無料 (公正証書を作成する場合は「公証人手数料(数万円)」が必要)
  • 弁護士費用の目安:着手金:20万〜40万円程度、報酬金:同額程度(※)
  • 期間:最短1日〜数か月程度

※あくまで弁護士費用の目安です。別途 慰謝料や財産分与などの経済的な利益がある場合はその金額に応じて加算される場合があります。ご依頼の際、必ず弁護士にご確認ください。

②離婚調停の進め方

相手が離婚に応じない、条件面で折り合いがつかない、話し合い自体を拒否するといった場合は、協議離婚では進められません。この場合は「調停離婚」に進みます。また、相手の性格やこれまでの経過などを踏まえて、当初から調停を選択すべき事案もあります。 調停離婚は、家庭裁判所で調停委員を介して話し合う手続きですが、相手と直接顔を合わせる必要はなく、待合室も別々に用意されます。

  • 特徴:家庭裁判所で調停委員を介して話し合う
  • 実費費用の目安:申立手数料(印紙代)など数千円程度
  • 弁護士費用の目安:着手金:30万〜50万円程度、報酬金:同額程度(※)
  • 期間:半年〜1年程度

※あくまで弁護士費用の目安です。別途 慰謝料や財産分与などの経済的な利益がある場合はその金額に応じて加算される場合があります。ご依頼の際、必ず弁護士にご確認ください。

③離婚裁判の進め方

調停でも合意に至らない場合は、最終手段として、裁判所が離婚を判断する「離婚裁判」へと進みます。 なお、日本の法律では、相手が行方不明などの例外を除き、原則として「必ず裁判の前に調停をしなければならない(調停前置主義)」というルールがあるため、いきなり離婚裁判を起こすことは原則としてできません。

  • 特徴:話し合いではなく裁判官が離婚を判断する
  • 実費費用の目安:約1万〜2万円程度(訴状用の印紙・切手代など)
  • 弁護士費用の目安:着手金:30万〜60万円程度、報酬金:同額程度(※)
  • 期間:半年〜1年程度

※あくまで弁護士費用の目安です。別途 慰謝料や財産分与などの経済的な利益がある場合はその金額に応じて加算される場合があります。ご依頼の際、必ず弁護士にご確認ください。 離婚裁判で「離婚」を認めてもらうには、法律で定められた「離婚できる理由(法定離婚事由)」のいずれかが必要です。

裁判で認められる4つの「法的な離婚事由」一覧

離婚事由 具体例
不貞行為 不倫(浮気)をした
※原則として肉体関係があること
悪意の遺棄 正当な理由なく家を出て生活費も渡さない等
3年以上の生死不明 3年以上、行方不明である
婚姻を継続し難い重大な事由 長期間の別居
DV・モラハラ
セックスレス等

令和8年4月の民法改正|法定離婚事由から「強度の精神病」が削除

以前は法定離婚事由として、上記の4つに加えて、強度の精神病(配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき)という項目がありました。 しかし、差別や偏見を助長する懸念などから、令和8年(2026年)4月施行の民法改正により、この項目は正式に削除されました。 「そうすると、相手の重い精神疾患を理由に離婚はできないの?」と不安に思うかもしれませんが、現在は、独立した条件ではなく、4つ目の「婚姻を継続し難い重大な事由」の事情の一つとして考慮されるようになっています。 ただし、単に相手が精神的な疾患を有しているというだけではなく、療養や生活に関する今後の見通しがたっているかどうかなどの事情も考慮されることには留意が必要です。

【参考】調停での話し合いが決裂した場合の裁判手続きと流れ

離婚裁判の流れの図

和解勧試(わかいかんし)とは?

和解勧試とは、裁判の途中で裁判官が「判決ではなく、話し合いによる解決を目指しませんか?」と当事者に提案することです。 離婚裁判では、裁判官が双方の主張や事情を踏まえたうえで、離婚するかどうかや、離婚条件(慰謝料、財産分与、親権、養育費)などについて、一定の解決案を示しながら和解を勧めることがあります。 和解が成立すれば、その内容をもとに離婚が成立します。一方、合意できなければ、最終的には裁判所が判決を下します。 みんなの法律相談には、「離婚裁判における和解」に関する相談が寄せられています。

和解の意向、和解条件とは

相談者の疑問 離婚をしたく離婚裁判中ですが、裁判所から和解意向及び和解の意向がある場合の和解条件について検討して欲しいと言われました。これは離婚が出来なくなったという事なのでしょうか。
>> 質問の続きを見る

鈴木 晶の写真 弁護士の回答鈴木 晶弁護士 そうとは限りません。
離婚をする場合、財産分与や慰謝料額、生活費や親権、さまざまな問題が生じます。>> 回答の続きを見る

離婚までの4ステップと「やること」チェックリスト

離婚は、いきなり役所に離婚届をもらいに行くのではなく、まずは新生活までの流れを把握して、焦らず準備を進めることが後悔を防ぐポイントです。 全体の流れをつかんだら、「やることチェックリスト」を使って、ご自身の状況と次にすべきことを整理してみてください。 離婚に向けた手続きを4ステップで表した図

【保存版】離婚に向けてやること・決めることチェックリスト

ステップ1|離婚を切り出す前の準備(水面下の準備)

  • 不倫やDVの証拠を集める
  • 夫婦の財産(預貯金・不動産など)の関係書類を集め整理しておく
  • 離婚後の生活費・住まいをシミュレーションする
  • (別居する場合は)「婚姻費用」の請求を検討する
  • 弁護士相談のタイミングを検討する

ステップ2|離婚時に決めること(条件交渉)

  • 子どもの条件(親権・養育費・面会交流)を決める
  • お金の条件(財産分与・慰謝料・年金分割)を決める
  • 決まった条件を「離婚協議書(または公正証書)」に残す
  • (必要に応じて)「離婚届不受理申出」をする

ステップ3|役所での離婚手続き

  • 離婚届を役所へ提出する
  • 離婚後の「氏(名字)」と「戸籍」の手続きをする(※子どもを自分の戸籍に入れる手続きも含む)

ステップ4|離婚後の手続き

  • 名義・住所変更をする(※氏名や住所が変わった方)
  • 児童扶養手当など、ひとり親家庭の支援・手当を申請する(※対象の方)

離婚届不受理申出とは?

相手との関係が悪化している場合、過去に書いたり、偽造したりした離婚届を「勝手に出されてしまう」というリスクがあります。それを防ぐ自衛策が「離婚届不受理申出(ふじゅりもうしで)」です。

項目 内容
制度の内容 勝手な離婚届提出をブロックできる制度
手続き場所 本籍地の役所
必要なもの 本人確認書類
有効期間 申出した本人が取り下げるまで

急ぐ場合は「本籍地の役所」に提出

不受理申出は、全国どの役所でも提出できますが、最終的な手続きは本籍地の役所で行われます。 非本籍地の役所に提出すると、書類の送付などに時間がかかってしまい、その間に離婚届を出されるリスクがあります。そのため、急ぐ場合は、本籍地の役所で手続きするのが安心です(※遠方の場合は郵送での申出も可能)。

【ステップ1】離婚を切り出す前の「水面下の準備」

離婚を切り出す前に準備すべきことの図
離婚を切り出した瞬間、相手は警戒して証拠を隠したり、財産を動かしたりする可能性があります。
相手に気づかれる前に、「証拠の確保」「財産の把握」、ご自身の収入に不安がある方は「離婚後の収入源の見通し」「住まいや生活のシミュレーション」を水面下で進めるようにしましょう。

「客観的」な証拠をできるだけ確保

離婚の原因が、相手の不貞行為やDV、モラハラである場合、慰謝料を請求したり、裁判で離婚を認めてもらったりするためには「客観的な証拠」が不可欠です。

【不倫(不貞行為)の証拠となりうるもの】

  • ホテルや相手の自宅に出入りする写真・動画(探偵に依頼するケースも多い)
  • スマホのLINEやメールのやり取り
  • クレジットカードや銀行の明細(ラブホテルや旅行、高額な飲食の決済)
  • レシート(ホテルや飲食店で「2名分」の記載があるもの)
  • 位置情報の記録(残業と言っていた日にホテルにいたなど)
  • 交通系ICカードの乗車履歴(不自然な駅での頻繁な乗り降り)

※LINEやメールは、スマホ画面を動画撮影したものも証拠として認められるケースがあります。

【DVやモラハラの証拠となりうるもの】

  • 暴言や暴力の場面を録音・録画したもの
  • 怪我をした部分の写真(日付入りで撮影)
  • 病院・心療内科の診断書や通院履歴
  • 相手とのLINEやメールのやり取り
  • 日記(日時・内容・状況を詳しく記録)

これらの証拠は、いずれも「相手を問い詰める前に集める」ことが重要です。 証拠がなければ、その後の話し合いや裁判で不利になることもあります。感情的になり、問い詰めたくなる気持ちはわかりますが、まずは冷静に証拠を集めることを優先しましょう。

夫婦の「財産」を正確に把握・リストアップする

結婚後に夫婦で築いた財産は、原則として半分ずつ分ける「財産分与」の対象です。専業主婦(夫)であっても権利は原則として平等ですので、財産を隠されたりしないように、財産は事前に正確に把握しておきましょう。

【保存版】離婚に向けてやること・決めることチェックリスト

【預貯金の確認】

  • 通帳は全ページをコピー
  • ネットバンキングは画面をスクリーンショットで保存
  • 通帳は、可能な限り、ご結婚前の残高がわかるページからコピーを取る。通帳がなければ、取引履歴を銀行に問い合わせて取得しておく

【その他の財産の確認】

  • 不動産:登記簿謄本、不動産売買契約書、住宅ローン関連の書類
  • 車:車検証
  • 生命保険:保険証券、解約返戻金の有無や金額がわかる書類
  • 株式・投資信託:取引残高報告書、証券会社から送付されてきた書類

通帳やネットバンキングの履歴は、不審な出金がないかの確認にも役立ちます。 不倫相手への送金・贈り物、ギャンブルや浪費など、婚姻を破綻に導くような使途が発覚した場合、離婚理由として認められたり、財産分与や慰謝料の算定で考慮されるケースがあります。

離婚後の住まいと生活費(婚姻費用)のシミュレーション

離婚後の生活で最も不安なのは、「お金」と「住まい」です。離婚を切り出す前に、離婚後の生活をシミュレーションし、生活費が足りない場合は、どう補うのかを考えておくようにしましょう。

【生活費のシミュレーション】

  • 支出と収入の計算:離婚後の生活費(家賃、食費、光熱費、教育費など)と、見込まれる収入(自分の給与、児童手当などの公的支援、養育費)の算出

もしマイナスになる場合は、 パートの時間を増やす、一時的に実家に戻る、家賃の安い公営住宅に応募するなどの対策を検討します。 ▶︎あわせて読みたい:養育費とは?相場の決め方から支払いまでの全知識を弁護士が解説

離婚前の別居期間中は「生活費(婚姻費用)」を請求できる

また、離婚が成立する前に別居する場合は、相手に「婚姻費用」を請求できます。

婚姻費用とは?

離婚前であれば別居中であっても、相手に生活費を支払ってもらう正当な権利があります。これを「婚姻費用」と呼びます。
婚姻費用について説明する図
もし相手が任意で婚姻費用を支払わない場合は、家庭裁判所に「婚姻費用分担請求調停」を申し立てます。裁判所が適正な金額を決定し、それでも払わない相手には「給料の差し押さえ」などの強制執行を行うことも可能です。

【ステップ2】離婚時に必ず決めるべきこと「条件交渉」

「お金」と「子ども」に関する条件は、必ず離婚届に署名する前に決めておかなければなりません。 特に養育費などの長期的な約束は、口約束で済ませず、条件を書面に残すようにしましょう。

離婚後の生活を左右する「財産分与・慰謝料・年金分割」

離婚時に決めるべきお金の条件は、大きく分けて3つあります。

① 財産分与(夫婦の財産を分ける)

結婚後に夫婦で築いた財産(預貯金・不動産・退職金など)を、原則「半分(2分の1)ずつ」に分け合うルールです。専業主婦(夫)であっても同等の権利があります。 ▶︎あわせて読みたい:離婚の財産分与とは?割合の相場といつもらえるか徹底ガイド

② 慰謝料(精神的苦痛に対する賠償金)

相手の不倫やDV、モラハラなどが原因で離婚する場合に請求できるお金です。法的に請求を認めてもらうには証拠が必要で、金額は行為の悪質性や期間によって変動します。

③ 年金分割(将来の年金を分ける)

婚姻期間中に夫婦が納めた「厚生年金」の記録を分け合う制度です(国民年金は対象外)。離婚後2年以内に手続きをしないと権利が消滅してしまうため注意が必要です。

子どもの将来を守る「親権・養育費・面会交流」

2026年の法改正で「共同親権」が選択可能になり、親権のあり方は大きく変わりました。
この変化を踏まえ、子どものために決めるべき条件を慎重に確認しましょう。

① 親権(どちらが子どもを育てるか)

未成年の子どもがいる場合、子どもの監護や教育に関わる「親権」も必ず決めなければいけません。 法改正により、2026年からはこれまでの「単独親権(父母のどちらか一方が親権を持つ)」に加えて、「共同親権(離婚後も両親が共同で親権を持つ)」を選べるようになりました。 ▶︎あわせて読みたい:親権とは?離婚時に子供の親権を決める基準と獲得するまでの全知識

② 面会交流(離れて暮らす親と会うルール)

子どもと離れて暮らす親が、子どもと会う権利です。後々のトラブルを防ぐため、離婚前に頻度や時間、場所などを具体的に決めておきます。

③ 養育費(子どものための生活・教育費)

子どもを育てる側が請求できるお金です。裁判所が公表している「養育費算定表」をベースに、双方の収入や子どもの人数、年齢等の事情に応じて金額を決めます。

「言った言わない」を防ぐ離婚協議書と公正証書

離婚時に決めた条件は、口約束ではなく、必ず書面に残しておくようにしましょう。 「離婚協議書」でも合意内容の証拠にはなりますが、養育費や慰謝料が未払いになった場合は、原則として別途裁判などの手続きが必要です。 一方、公正証書は、「強制執行認諾条項」を付けておけば、金銭の支払いに関する約束が守られなかった場合に、裁判をしなくても、相手の給料や預貯金を差し押さえられる可能性があります。 そのため、養育費や慰謝料の分割払いなど、長期的な金銭の取り決めがある場合は、公正証書として残しておくと安心です。 なお、婚姻費用分担調停や離婚調停において合意が成立した場合の調停調書にも、強制執行認諾条項付きの公正証書と同様の法的効力があり、未払い時に再度裁判手続きを経ずとも、給与差押えなどの強制執行の手続きをとることができます。手数料としては、公正証書よりも調停の方が安く済むことも多く、調停の利点のひとつでもあります。 協議離婚がよいか、調停離婚がよいかなども、事前に弁護士に相談しておけば安心です。

離婚協議書と公正証書の違いを比較

離婚協議書 公正証書
作成者 夫婦 公証人
作成の費用 無料 数万円程度〜
作成方法 紙と印鑑があれば作れる 公証役場で作成
証拠力 ⚪︎
未払い時 原則裁判を起こす必要がある 裁判なしで給料の差し押さえが可能※

※公正証書に「強制執行認諾条項」をつけた場合

【ステップ3】役所での離婚手続きと届け出のやり方

夫婦間で離婚の条件が整ったら、次は役所での手続きです。 離婚の手続き方法によって、「離婚が成立する日」と提出のルールが異なります。 協議離婚の場合、役所で離婚届が受理された日が、成立日です。一方、調停離婚・裁判離婚では、調停成立日(または判決確定日)に離婚が成立し、離婚届は成立した日から10日以内に提出する必要があります。 役所での離婚手続きと届け出のやり方を説明する図

離婚届の書き方と提出に必要なもの・記載事項

離婚届は、居住地や本籍地に関係なく、全国どこの市区町村役場(市民課・戸籍課など)でも提出できます。 また、2024年3月の法改正により、本籍地以外の役所に出す場合でも「戸籍謄本」は不要。さらに、「印鑑(押印)」も現在は原則不要となりました。 そのため、以下のものだけ準備すれば、すぐに提出できます。

  • 離婚届(1通):
    • 夫婦それぞれの署名: 夫婦それぞれの直筆署名(押印は原則不要)。
    • 親権者(未成年の子どもがいる場合): どちらが親権者か(単独か共同か)を記載する。
    • 証人2名の署名(協議離婚の場合): 18歳以上の証人2名の署名。
  • 本人確認書類(窓口に行く人のみ): 運転免許証やマイナンバーカードなど。

離婚届を書き間違えたらどうするの?

窓口で訂正が必要になった場合も「訂正印」は不要です。間違えた箇所に二重線を引き、余白に正しい内容を記入すれば問題ありません。このとき、訂正した文字を塗りつぶしたりしないようにしましょう。 ▶︎あわせて読みたい:離婚届の書き方と必要書類・証人の頼み方【全国共通様式・ダウンロード付】

離婚後の「氏(名字)」と戸籍の選択

離婚すると、結婚時に相手の氏に変えた側は、原則として旧姓に戻ります。ただし、離婚後も結婚時の氏を名乗り続けたい場合は、離婚届と同時に「離婚の際に称していた氏を称する届(婚氏続称届)」を提出することで、婚氏続称ができます。

離婚後の戸籍の選択

戸籍については、離婚後、旧姓に戻る側は、結婚前の戸籍に戻るか、新しい戸籍を作るかを選べます。 子どもを自分の戸籍に入れたい場合は、新しい戸籍を作る必要があります。子どもの氏を変更する場合は、家庭裁判所に「子の氏の変更許可審判」を申し立て、許可を得た上で、役所に「入籍届」を提出します。

【ステップ4】離婚後の手続き:新しい生活をスタートさせるために

法律上の離婚が成立したら、各種名義変更や、ひとり親家庭への公的支援申請などの手続きに移ります。

名義変更(免許証・銀行・年金・健康保険)リスト

離婚後に名義変更が必要なものをリストアップした図 離婚後、氏や住所が変わる場合は、さまざまな名義変更が必要です。 どの手続きの対象になるかは、「旧姓に戻るか」「引っ越すか」「扶養に入っていたか」などの状況によって異なります。ご自身のケースに当てはまる「優先度の高いもの」から進めていきましょう。

ひとり親家庭への支援・手当の申請(児童扶養手当など)

離婚後、ひとり親家庭になると、さまざまな公的支援を受けられる可能性があります。 児童扶養手当 ひとり親家庭の生活の安定と自立を支援するための手当で、子どもが18歳になった年度末まで支給されます。所得制限がありますが、子ども1人の場合、全額支給で約48,000円です(2026年5月時点)。市区町村役場で申請します。

※出典:こども家庭庁「児童扶養手当について」

その他の支援

  • 児童手当(離婚前から受給していた場合、受給者の変更手続きが必要)
  • ひとり親家庭等医療費助成制度(医療費の自己負担分を助成)
  • 保育料の減免
  • 公営住宅の優先入居

これらの支援は、申請しなければ受けられません。離婚後の生活を安定させるためにも、受けられる支援は積極的に活用しましょう。居住する役所の福祉課や子育て支援課に相談すると、詳しく教えてもらえます。

「限界」と感じたら、一度弁護士へ相談を

「もう限界かも」と感じたら、迷わず、弁護士に相談してください。法的な見通しを得られるだけでなく、心理的・精神的な負担も軽減され、気持ちも楽になることが多いと思います。特に次の3つに当てはまる場合は、早めの相談をおすすめします。

相手が話し合いを拒否・無視する

離婚を切り出しても無視される、離婚を拒否され続けるといったケースは少なくありません。 本人の話し合いは拒否していても、弁護士が間に入ることで相手が態度を改めるケースも少なくありません。弁護士からの連絡・交渉にも応じない場合は、離婚調停を申し立てることで、裁判所という第三者を介して話し合いを進めることができます。 みんなの法律相談には、「離婚に応じてくれない夫」に関する相談が寄せられています。

自殺未遂を起こした主人が離婚に応じてくれず、困っています。

相談者の疑問 主人が離婚を受け入れてくれず、困っています。結婚5年目、3歳の子どもがひとりおります。
>> 質問の続きを見る

斉藤 圭の写真 弁護士の回答斉藤 圭弁護士 自殺未遂をしたというだけで婚姻を継続し難い重大な事由となるかは、微妙なところであるように解されます。>> 回答の続きを見る

モラハラ・DVで相手と顔を合わせるのが怖い

DVやモラハラを受けている場合、相手と顔を合わせること自体がつらいはずです。弁護士に依頼すれば、交渉はすべて任せられるので、相手と直接やり取りする必要はありません。 みんなの法律相談には、「物に当たる夫への慰謝料請求」に関する相談が寄せられています。

キレると、物や人に当たる旦那と離婚するとしたら。

相談者の疑問 旦那と2歳の子供と3人暮らしです。
旦那は普段は温厚ですが、キレると物に当たったりします。
>> 質問の続きを見る

吉田 英樹の写真 弁護士の回答吉田 英樹弁護士 暴力が婚姻関係破綻の理由であれば、慰謝料請求することは考えられるのかもしれません。>> 回答の続きを見る

財産や離婚条件で「損をしたくない」

財産分与や、慰謝料など、離婚条件については、判例や法律の理解など正しい法律の理解がなければ、損をしてしまうことも多々あります。 調停では、調停委員が関与してくれるから大丈夫と思っても、調停委員はあくまで中立公正な第三者の立場として関与するものであるため、あなたが希望した条件が、法的には損をしているとしてもそのことを教えてくれるとは限りません。 親権や養育費などお子さんにかかわる権利についても同様です。離婚を考えた際、少しでも迷ったり悩んだりすることがあれば、一度弁護士に相談してみましょう。 弁護士費用は高い、と思われるかもしれませんが、適正な財産分与や慰謝料などを確保することができれば、弁護士費用以上のリターンが得られることも決して少なくありません。 親権や養育費、親子交流に関しては、お子さんの人生にもかかわるものです。

よくある質問(FAQ)

Q:離婚の準備には最低いくらくらいのお金が必要ですか?

離婚届の提出自体はお金がかかりませんが、新居に引っ越す予定であれば、初期費用や当面の生活費として50万〜100万円程度あると安心です。

また、弁護士費用も依頼内容(協議のみか、調停・裁判まで進むか等)によって数十万〜100万円以上と幅があります。まずはご相談などで目安を確認してみるのがおすすめです。

Q:相手が離婚届にサインしてくれません。どうすればいいですか?

当事者間の話し合いが難しい場合は、家庭裁判所に「離婚調停」を申し立てます。調停でも合意できなければ「離婚裁判」へと進みますが、法律で定められた正当な理由があれば、相手が拒否しても離婚が認められる可能性があります。

Q:名字や住所、扶養の変更がなくても、会社に離婚の報告は必要ですか?

法律上、離婚を会社に報告する義務はありません。

ただし、就業規則において「婚姻・離婚等の身上異動」について届出義務が定められている場合は報告しなければなりません。そのほか、事務的な手続き上、必要な場合もあります。

この記事の監修者
山本 大地弁護士のプロフィール画像
湘南合同法律事務所
山本 大地 弁護士
(神奈川県弁護士会)
監修者のプロフィールを見る

この記事は、公開日時点(2026年07月15日)の情報や法律に基づいています。

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