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寿司屋の「あがり」1杯1000円、不明朗会計がツイッターで話題…支払わないとダメ?
寿司に「あがり」はつきものだが…(kinpachi / PIXTA)

寿司屋の「あがり」1杯1000円、不明朗会計がツイッターで話題…支払わないとダメ?

寿司屋で「あがり」(お茶)と言えば、当たり前のように無料で提供される時代は変わっていくのだろうか。このあがりについて、とある寿司屋で「1杯1000円だった」というツイッターでの投稿が11月、明細の画像付きで話題となった。

投稿された明細の画像では、あがりが1杯1000円で計上されており、2つ注文したものとして計2000円と表示されている。その下には商品合計(税抜)で36370円と表示されており、その合計額に消費税がかかっているので、あがり1杯は税込価格だと「1100円」となっているようだ。

投稿者は自身のブログで、付箋1枚に書かれた「40000円」という飲食代に「思いのほか高い」と不信感を抱き、明細の提出を店側に求めたことであがり代のことが判明したと説明。「鮨屋で『り』の付くモノ(ガリ・シャリ・アガリ)は請求しないという鉄則とは何だったのか」という投稿者が、店側に「本気でアガリに1杯千円を請求するつもりか?」と問いかけたところ、最終的にあがり代の2200円は返金されたという。

この寿司屋のオーナー(大将)は、弁護士ドットコムニュースの取材に対し、ネットで話題になっていることもすでに認識しているとしたうえで、「寿司屋でお茶がタダというのは変えたいと思っている」と話し、あがり代の請求は店としての方針だという。

返金したことについては、「お客様がご納得いただかなかったので、謝罪したうえでお返しさせていただきました」とした。

今回のような料金の請求は法的に問題ないのだろうか。上田孝治弁護士に聞いた。

●「あがり」代の設定は店の自由

——「あがり」に価格設定をすること自体は問題ないでしょうか。

どのような物をいくらで売り買いするかは、契約の当事者が自由に決めることができます。

たとえば、寿司店における飲食の提供に関連して、「●●に△△円の対価を支払う」旨の合意が仮に成立しているとすれば、それが飲食そのものではなかったとしても、また、今回の「あがり」のように一般的には対価の支払いがされないものであったとしても、契約に基づいて代金を支払わなければなりません。

逆に言えば、契約した当事者(今回のケースでは客)にとってまったく想定外と言えるようなものの対価については、そもそも、どのような物をいくらで売り買いするかという点に関する合意自体が成立していなかったと考えられます。

合意自体が成立していないのであれば、当然その部分に関する代金を支払う必要はありません。

——飲食店で発生する料金では、「お通し代」や「サービス料」などがしばしば話題になります。

お通し代やサービス料などに関しては、これらの金額を含む大まかな内容について、事前に店員から客へ説明があったり、メニューなどに分かりやすく表示されたりしていれば、客がそれを踏まえつつ飲食サービスを受けたことをもって、これらの代金についても支払う合意が成立していたと考えられます。

特に、日本の飲食店においては、お店に応じた相当額のお通し代やサービス料などが発生することはある程度一般的になっていますので、お通し代やサービス料については、比較的合意の成立が認められやすくなります。

しかしながら、日本の飲食店において一般的ではないその他の名目の代金や、名目を問わず金額が高すぎる設定になっている場合などは、客にとって想定外となり不意打ち性が大きくなるため、合意の成立が認められにくくなります。

●事前説明やメニュー表示等なければ、支払う必要なし

——「あがり」の場合はどうでしょうか。

高級店として扱われている寿司店では、一つひとつのネタごとにあらかじめ細かく代金を示されないまま提供されることもあります。この場合でも通常、客としてはそれなりの対価が発生することをわかって注文していますので、厳密に「●●のネタが△△円」ということまではっきりしていなくても、代金を支払う旨の合意が成立していると認められます。

しかしながら、今回のような「あがり」について代金の請求がされることは、寿司店において一般的なものではありませんから、通常の客にとって代金が発生することはまったくの想定外となります。

したがって、店側が「あがり」に代金が発生することを事前に説明していたり、メニューなどへわかりやすく表示していたなどといった特段の事情がないのであれば、「あがり」の代金を支払うという合意は成立していないと考えられますので、「あがり」の代金を支払う必要はありません。

プロフィール

上田 孝治
上田 孝治(うえだ こうじ)弁護士 神戸さきがけ法律事務所
消費者問題、金融商品取引被害、インターネット関連法務、事業主の立場に立った労働紛争の予防・解決、遺言・相続問題、不動産・マンション管理法務に特に力を入れており、全国で、消費者問題、中小企業法務などの講演、セミナー等を多数行っている。

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