弁護士ドットコム ニュース
  1. 弁護士ドットコム
  2. 労働
  3. タイミー直前キャンセル訴訟、運営会社の主張明らかに「マッチング後も企業側は解約できる」ワーカー反発

Googleトップニュースでフォロー

フォローの仕方はこちら
Add as a preferred source on Google
弁護士保険ミカタ
タイミー直前キャンセル訴訟、運営会社の主張明らかに「マッチング後も企業側は解約できる」ワーカー反発
タイミー側の主張について反論するワーカーと代理人の牧野裕貴弁護士(2026年10月29日/東京・霞が関の司法記者クラブ/弁護士ドットコム)

タイミー直前キャンセル訴訟、運営会社の主張明らかに「マッチング後も企業側は解約できる」ワーカー反発

スポットワーク「タイミー」で決まっていた仕事を直前にキャンセルされ、賃金も支払われなかったとして、ワーカー9人が運営会社タイミー(東京都港区)に未払い賃金相当額などを求めている集団訴訟で、タイミー側の主張が明らかになった。

タイミー側は、サービスの運営方針変更前となる2025年8月31日以前にマッチングした仕事について、勤務当日にワーカーがQRコードを読み取るまでは労働契約が成立していないと主張している。

つまり、仕事が決まっていても、勤務前にキャンセルされた場合、賃金の支払い義務は生じないという考え方だ。

一方、運営方針の変更後となる同年9月1日以降は、マッチングした時点で労働契約が成立する仕組みに変更したものの、企業側には一定の条件で契約を解約する権利があるとしている。

10月29日、東京地裁で非公開の弁論準備手続があった。原告のワーカー側が同日、東京・霞が関の司法記者クラブで会見を開き、タイミー側の準備書面の内容を明らかにした。

●労働契約の成立は「QRコードを読み取った時点」

裁判の主な争点は、(1)マッチングした時点で労働契約が成立していたか、(2)タイミーが企業の賃金支払いを肩代わりする「併存的債務引受」の対象に、キャンセルによる未払い賃金も含まれるか、(3)タイミーにプラットフォーマーとしての注意義務があるか──だ。

タイミー側は準備書面で、2025年8月31日以前にマッチングした仕事について、労働契約が成立するのは、勤務当日にワーカーがQRコードを読み取った時点だと主張している。

ワーカーが仕事に応募する行為は契約の「申込み」にあたり、企業が勤務当日にQRコードを提示し、読み取らせる行為が「承諾の意思表示」にあたるとしている。

つまり、マッチングしただけでは労働契約は成立しておらず、その後に仕事がキャンセルされても賃金の支払い義務は生じないという考え方だ。

一方、厚生労働省のリーフレットでは、面接などを経ず、先着順で就労が決まる求人について、一般的には応募時点で労働契約が成立すると考えられるとしている。

タイミー側は、リーフレットには「別途特段の合意がなければ」という留保があると指摘。QRコードの読み取りによって契約が成立するという合意が、この「特段の合意」にあたると反論している。

●マッチング時点で契約成立も「解約権を留保」

また、2025年9月1日以降については、ワーカーが応募してマッチングした時点で、「解約権留保付労働契約」が成立する仕組みに変更したと説明。

ただし、企業には契約を解約する権利が留保されているため、キャンセルはその権利の行使として有効だと主張している。

さらに、2025年8月31日以前についても、仮にマッチング時点で労働契約が成立していたとしても、同様に解約権が留保されていたとの考えを示した。

●タイミー「未払い賃金は肩代わりの対象外」

タイミー側によると、肩代わりする賃金は「本件サービスのシステム上で被告所定の方法により金額が確定したもの」に限られ、原告らが求める未払い賃金は対象外だという。

また、不正利用や犯罪的な利用を防止する観点からも、確定したものに限定していると説明した。

●「社会的責任は否定しない」法的な注意義務は争う

タイミーが仕事を仲介するプラットフォーマーとして、どこまで責任を負うのかも争われている。

タイミー側は「社会的責任を負っていることは否定しない」とする一方、原告らが主張する注意義務については「原告ら独自の見解」だと否定した。

また、仮に企業によるキャンセルが違法だったとしても、ワーカーは企業に対して賃金を請求できるため、損害は生じていないとも主張している。

●ワーカー「企業が自由にキャンセルできてしまう」

こうしたタイミー側の主張に対し、原告のワーカー側は会見で反論した。

マッチング後も企業が自由にキャンセルできるという考え方は「企業に有利」だと指摘。「ワーカーの立場が不安定になる」と批判した。

(弁護士ドットコムニュース編集部・塚田賢慎)

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

この記事をシェアする

Googleトップニュースでフォロー

フォローの仕方はこちら
Add as a preferred source on Google

オススメ記事

編集部からのお知らせ

現在、編集部では協力ライターと情報提供を募集しています。詳しくは下記リンクをご確認ください。

協力ライター募集詳細 情報提供はこちら