ウーバーイーツ配達員は労働組合法の「労働者」なのか 都労委で尋問
尋問後の報告集会で語るウーバーイーツユニオンの土屋俊明執行委員長

ウーバーイーツ配達員は労働組合法の「労働者」なのか 都労委で尋問

ウーバーイーツの配達員たちでつくる「ウーバーイーツユニオン」が、ウーバーイーツの運営会社が団体交渉に応じないのは不当な団交拒否にあたるとして、東京都労働委員会に救済申し立てをしている問題で11月22日、証人尋問があった。ユニオン側の証人たちが、配達業務の実態や仕組みの問題点などを語った。

ウーバーイーツの配達員は労基法の適用されない自営業者として扱われているが、労働組合法上の労働者性は自営業者にも認められることがあり、都労委の判断が注目されている

その後、中央労働委員会の再審査や裁判に発展する可能性もあるが、最終的に申し立てが認められれば、ウーバーイーツの運営会社は、ユニオンとの団体交渉に応じる義務が生じることになる。

●配達員が「干されてしまう」問題

この日の尋問では、ユニオン側の証人として、組合員3人が、配達員の実情を語った。

3人に共通して出た話題の一つが、配達リクエストに応じないと、配達員が「干されてしまう」という現象だ。ウーバーイーツの配達業務は、アプリを通じて、配達リクエストが配達員に届き、応じるかどうかを配達員が判断する仕組みになっている。ただ、何度も拒否をしていると、しばらくリクエストが来なくなってしまうという。

証人の土屋俊明・ウーバーイーツユニオン執行委員長は「2件続けて拒否をしたら、注文が入らなくなったことがある。注文が殺到する場所で、時間的にもお昼時だったので、入らないのはおかしい。拒否したことに対する懲罰的なものを感じた」と語った。別の証人の兼業配達員Aさんも、「2、3件拒否すると、急にピークタイムでリクエストがなくなるし、条件が悪いリクエストが入ることもある」強調した。

また、一定期間の間に、目標件数を達成したら、インセンティブが加算される「日跨ぎインセンティブ」の話も出て、証人の専業配達員Bさんは「やらないと収入が3、4割も減って、生活が困窮してしまう」と語った。Aさんも「1週間をウーバーに支配される感じが強まった」と話した。

●客や店舗とのトラブルに運営会社はどう対処しているか

さらに、配達員をトラブルからどう守るかについても、話が及んだ。最近、ウーバーイーツの配達員が客に私的な手紙を渡すトラブルが起きて、配達員に対して運営会社から注意喚起の通知が送られたことが話題になったが、Aさんは、逆に、客から配達員への嫌がらせに対して、運営会社が動こうとしないと問題視した。

「配達員の顔写真が(アプリ上)でみれるので、女性配達員にチップを送って、電話番号を聞き出そうとする客もいる。配達員がこわがって運営に泣きついても、運営は『報告しておきます』で終わってしまう。手紙の件と対応が全然違う」

さらに、配達員への対応が酷い店舗とのトラブルについても、動こうとしない運営会社の対応に問題があると指摘した。

●ユニオン側「安全に働けるようにするための一歩だ」

尋問後に開かれたユニオンの報告集会で、顧問の川上資人弁護士は「報酬が1件300円に下がっても、なぜウーバー側から何の理由も説明されないのか。どんな人でも保護されて、安全に働けるようにしないといけない。今回はその一歩だ」と語った。

リクエストを拒否する配達員が「干される」問題について、土屋執行委員長は「配達員は自分たちを『AIの奴隷』と呼んでいるが、この問題で最初にそれを体感することになる」と話し、川上弁護士は、「労働組合法の労働者性がどういう人に認められるかというと、事業組織への組み込みがあるかどうかだ。配達員はリクエストに応じないと嫌われてしまうと思って、まさに組織に組み込まれている」と説明した。

尋問はこの日を含め、年内に計4回開かれる予定。次回は12月6日。

(11月23日修正) 本文中で、「ウーバーイーツの配達員は、運営会社との関係で使用従属性がないとして、労働基準法の労働者性が認められず、自営業者として扱われているが、これとは別に、労働組合法上の労働者性については、労基法よりも広く判断される可能性があり、都労委の判断が注目されている」としていましたが、不正確な記述があったため、修正しました。

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