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「国旗への敬意を、心の内面まで強制」東京弁護士会が「国旗損壊罪」に反対声明 日弁連に続き
東京弁護士会が入る弁護士会館ビル(MARODG / PIXTA)

「国旗への敬意を、心の内面まで強制」東京弁護士会が「国旗損壊罪」に反対声明 日弁連に続き

東京弁護士会(石原修会長)は6月30日、日本の国旗を傷つける行為を処罰する「国旗の損壊等の処罰に関する法律案」(国旗損壊罪)に反対する声明を発表した。

国旗損壊罪をめぐっては、国民の「内心の自由」や「表現の自由」を侵害するおそれがあると批判する声明を出している。

●衆院本会議で可決、審議は参院へ

法案は6月16日に自由民主党や日本維新の会などにより衆議院に共同提出され、同26日に内閣委員会で可決。6月30日に衆議院本会議で可決し、これから参議院で審議されることになる。

国旗として用いられている有体物を、人に著しく不快や嫌悪の情を催させる方法で損壊、除去、または汚損した者に対し、自己所有物であっても「2年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金」を科す内容になっている。

●「国旗への敬意を心の内面まで事実上強制」と批判

東京弁護士会は声明で、国旗に対する敬意や愛着について「国家が刑罰によって作り出すものではない」と指摘。

刑罰によって国旗を大切にするよう迫ることは、「国旗及びそれが象徴するものへの敬意を、心の内面にまで事実上強制するもの」だと批判している。

●「国旗を大切に思う感情」の保護、「少数派の表現を抑え込みかねない」

さらに、国旗を尊重する自由があるのと同様に、国旗に複雑な思いを抱き批判的な表現をする自由も保障されるべきだと言及。

自己所有の国旗を用いた批判的な表現行為を狙い撃ちにする法案は、「表現の内容・観点に着目した規制そのもの」で、民主主義の土台を傷つけると警鐘を鳴らした。

提出者側が法案の目的とする「国旗を大切に思う国民感情」の保護については、国家が特定の感情を選別してこれに反する表現を刑罰で排除すれば、「多数派の感情を理由に少数派の表現を抑え込むことになりかねない」と強い懸念を示している。

●曖昧な基準による「表現の萎縮」を懸念

処罰の要件である「人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法」という基準に対しても、東京弁護士会は「人によって受け止め方が異なる曖昧なもの」と疑問視。

判断基準が多数派の感覚に引き寄せられる危険性があり、結果として芸術表現や抗議行動、市民の政治的発言などの萎縮を招くおそれが大きいとして、明確性の原則や適正手続の保障を定める憲法第31条に反すると指摘した。

●「立法事実が存在しない」

また、法案推進派が理由に挙げる「外国国章損壊罪のみ存在する矛盾の解消」に関しては、外交作用の円滑・安全を目的とする「外国国章損壊罪」とは保護法益が異なり、「何ら矛盾は存しない」と反論。

現在、国旗を損壊する行為が社会に蔓延し、治安が危機に瀕しているような状況もないため、「立法事実は存在せず、制定の必要性は存しない」と結論づけている。

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

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