俳優の亀梨和也さん(40)と女優の田中みな実さん(39)が6月29日、亀梨さんの公式サイトで連名の直筆文書を公表し、結婚と田中さんの妊娠を発表した。
文書では「私たち亀梨和也と田中みな実は結婚する運びとなりました」「新しい命を授かっております」とつづっている。ビッグカップルの門出に祝福の声が広がっている。
一方で、7月から始まる亀梨さんのソロコンサートツアーをめぐっては、一部のファンから「結婚しているなら買わなかった」「なぜ発表前にチケットを買わせたのか」と複雑な心境をつづる投稿も相次いでいる。
●ファンの声「発表するならソロコンとアルバムに…」
すでにチケットを譲ろうとする動きも見受けられる。
「ずっとずっとファンで亀梨くんには感謝してるけどすきだからこそ受け止められない しかも、妊娠とか言われても悲しすぎて受け止めきれない」
「買うだけ買わせて結婚しまーす!嫁妊娠してまーすはキツイ」
「発表するならソロコンとアルバムに金出させる前にしろよほんとに最低だよ」
「婚約しましたくらいあったら、申込んでないし」
ファンにとっては「想定外」の出来事だが、こうした事情を理由にチケット購入を取り消したり、払い戻しを求めることはできるのか。西口竜司弁護士に聞いた。
●「錯誤」はどんな場合に認められる?
──今回のように、「結婚や妊娠を知っていたらチケットを買わなかった」というファンの心情は、契約を取り消せる民法上の「錯誤」にあたりますか。
おめでたいニュースですが、一方で、長年応援してきたファンの方々が複雑な思いを抱く気持ちも理解できます。
民法上の「錯誤」とは、簡単にいえば「契約を結ぶ際の重大な勘違い」です。
契約を結ぶ際の勘違いが、その契約にとって重要な内容である場合には、契約を取り消せることがあります。
今回問題となるのは、「亀梨さんが独身である、あるいは結婚や妊娠の発表はないと思ってチケットを購入した」という動機です。
もっとも、このような動機の錯誤で契約を取り消すためには、その動機が契約の前提になっていることを相手方にも示していたことなどの要件を満たす必要があります。
●結婚・妊娠の発表だけでは購入取り消しは難しい
──つまり、購入の取り消しは難しいのでしょうか。
はい。今回のケースでは、取り消しが認められる可能性は低いでしょう。
アイドルや俳優の結婚や妊娠などのプライベートな事情は、通常、コンサートという興行契約の内容には含まれません。契約の内容は、歌やパフォーマンスなどの公演を提供することにあります。
そのため、「独身だと思っていた」というファンの気持ちは理解できるものの、それだけで契約を取り消せる民法の「錯誤」にあたるとは考えにくいです。
一般的なチケットの利用規約でも、このような事情を理由とする払い戻しは定められていません。そのため、チケット購入を取り消したり、払い戻しを求めたりすることは難しいでしょう。
●苦しい思いを抱えるファンの方々へ
──複雑な思いを抱えるファンは、どう受け止めればいいのでしょうか。
法律は、どうしても客観的な基準に基づいて結論を導きます。
しかし、みなさんが費やしてきた時間やお金、エネルギー、そして心から応援してきた気持ちまでは否定されるものでは決してありません。
「発表のタイミング」に割り切れない思いを抱くのも、それだけ真剣に応援してきたからこその感情でしょう。
今は無理に受け止める必要はありません。まずは、ご自身の心の平穏を取り戻すことを最優先になさってください。