2024年の東京都知事選での「選挙ポスター掲示板ジャック」をめぐり、みんなでつくる党の大津綾香代表は7月2日、東京・霞が関の司法記者クラブで会見を開き、政治団体「NHKから国民を守る党」(NHK党)の党首・立花孝志氏ら3人が書類送検されたと明らかにした。
大津氏は、自身の顔写真を使い、性的な虚偽情報などを記載したポスターを選挙掲示板に大量に掲示されたとして、立花氏らを刑事告訴していた。
●掲示板を「悪用」、虚偽情報につながるQRコードも
NHK党は2024年の都知事選で多数の候補者を擁立。選挙ポスター掲示板に大津氏の顔写真を掲載したポスターを大量に掲示し、大津氏に関する虚偽情報を流す動画へ誘導するQRコードも記載していた。
これについて、大津氏は2024年9月、立花氏とユーチューバーの男性を名誉毀損の疑いで刑事告訴していた。
大津氏によると、今年6月29日、警視庁麹町署の捜査員から連絡があり、立花氏ら2人に加えて、元参院議員の浜田聡氏を含む計3人を名誉毀損の疑いで東京地検に書類送検したとの報告を受けたという。
その際、ユーチューバーの男性には厳重処分、立花氏と浜田氏には相当処分の意見を付けたと説明を受けたとしている。
●大津氏「NHK党は誹謗中傷を票や金に変えてきた」
大津氏は会見で、立花氏らの書類送検について、次のように述べた。
「この事件は、ネットの書き込みのような単なる罰金刑で終わってしまうような性質のものではありません。選挙という民主主義の制度を悪用して、莫大な公費をかけて設置されたポスター掲示板の枠を販売し、虚偽の性的情報を拡散した、極めて悪質な事件です」
大津氏は、刑事告訴から約2年の間に、みんなでつくる党のボランティアスタッフがNHK党の党員らから嫌がらせを受けて、自死する事態も起きたことに触れ、こううったえた。
「注目を集められる選挙の場を利用し、誹謗中傷で自らの都合のいいように世論を歪めて、その注目を票やお金に変えてきた政治団体です。その結果として、今まで複数の命が失われてきました。 司法に対する国民の信頼が大きく失われている中、この事件で検察がどのような判断を下すかは、日本の民主主義のあり方、法の支配そのものが問われる問題だと考えています。 私は、自分一人のためにやっているわけではありません。失われた命があり、今後の被害を防ぐためにやっています。検察にもその意識を持って厳正に公正に対処してほしいです」
●警察庁の「横やり」で相当処分意見に 「記者も毒されている」
大津氏の代理人をつとめる石森雄一郎弁護士は会見で、警視庁の捜査員から当初は立花氏についても厳重処分の意見を付けて書類送検すると説明を受けたものの、直前になって「警察庁から横やりが入り、相当処分の意見になった」という趣旨の説明を受けたと主張した。
また、この日の記者会見で空席が目立つことについて質問されると、石森弁護士は次のように危機感を示した。
「私は、特に立花孝志氏が国政に入るようになってから、N国党の影響を受けたと思われるような、民主主義の根幹を揺るがすようなことを選挙活動を通じておこなう人間がたくさん出てきたと思います。 記者の方たちも、これの何が問題なのかということすらわからなくなっている人がかなり増えてるんじゃないかという気がします。 立花孝志がやってきたこの民主主義の根幹を破壊するような活動に、マスメディアの人たちもいつの間にか毒されて、問題意識を持たなくなってきているのかもしれないと思っています。 そういう意味では、この件がどういうふうに処分されるのかは、今後の大きな分水嶺になってもおかしくないと思っています」