夫が亡くなって1カ月後、葬儀を終えてスマートフォンを確認したら、4年間の不倫の証拠が残っていた——。
こんな投稿がSNS「Threads」に寄せられ、反響を呼んでいる。
投稿主の女性は夫の死後、夫の知人との不倫の事実を知ったという。「私の誕生日に女と旅行していた」「嘘をつかれていたのが悲しい」とつづり、怒りのあまり泣くことすらできなくなったそうだ。
スマートフォンに証拠は残っているが「死んでしまって慰謝料は取れるのか」と悩んでいる。
行き場のない複雑な思いをうけ、「謝罪の言葉も本人から聞けないなんて、つらすぎですよね」など、投稿者に寄り添う共感の声が多く寄せられた。
配偶者の死後に不倫が発覚した場合、不倫相手に慰謝料を請求することはできるのか。男女問題にくわしい光安理絵弁護士に聞いた。
●慰謝料請求できる
──配偶者が亡くなった後に不倫が発覚した場合、不倫相手に慰謝料を請求できますか。
慰謝料を請求することは可能です。
今回の投稿によると、証拠は夫のスマホに全部あるといいます。
法的に、慰謝料請求が可能な不倫(不貞行為)とは、肉体関係を伴うものと考えるのが一般的です。夫と不倫相手との肉体関係をうかがわせる証拠があれば、請求できます。
●「不倫の証拠」になるもの…3年の時効に注意
証拠の具体的な例としては、複数回の宿泊を伴う旅行の証拠や、肉体関係についての感想を記載したLINEやメールのやり取りなどです。
不倫は民法上の不法行為に該当し、消滅時効にかかります。不倫されていた事実、その相手を知ってから3年間が時効期間です。
時間は限られています。ショックでなかなか動けないかもしれませんが「落ち着いてから請求しよう」と迷っていると、スマホを見てから3年間が経過してしまい、相手女性に裁判を起こせなくなります。
●死後発覚のリスク…女性から「妄想」扱いされても反論が困難
──ほかに注意すべきことを教えてください。
恋愛関係をうかがわせるやりとりがあっても、肉体関係があったかどうかはわからない場合、亡くなっている以上、夫を問いただすことができません。
また、夫を裁判の証人にすることもできません。
そのため、残された証拠の内容によっては、相手女性から、「それは私とのやり取りではない」とか「夫が妄想を書いていただけで、私は関係ない」などと不貞関係を否定された場合、夫が存命中の場合よりも証明が難しくなります。
スマホのデータが十分な証拠になるかどうか、専門家である弁護士に相談するのがよいでしょう。
●同じような経験をしたとの声も
今回の投稿には、同じく配偶者が亡くなった後で同じ経験をしたとする人たちからの反応が相次いだ。
「夫の死亡日の夜に16年間の不倫を知った」という人も現れ、「不倫を知ってから3年以内なら請求できる」などアドバイスを寄せた。