知らないことで損をする?交通事故の被害者が失敗しないために知っておきたい4つのこと

交通事故にあってしまった際に、治療に専念し、納得のいく解決を得るために、まず最初に知っておきたいことが4つあります。

  • 解決までの流れ
  • ケガと事故の種類の関係
  • 示談のタイミング
  • 賠償金の決まり方

これらの4つを知っておけば、大きな落とし穴にはまり、取り返しがつかなくなるのを避けられます。裏を返せば、被害者であるのに損をしてしまう可能性もあるのです。この記事を参考にスムーズな解決を目指しましょう。

目次

  1. 解決までの流れを知ろう
  2. ケガや痛みがなくとも医師の診断は受けよう
  3. 示談のタイミングを知ろう
    1. 生活費に困ったら?
  4. 賠償金の決まり方を知ろう
    1. 3種類の算定基準とは?
    2. 適切な保険金を受け取るためには?

解決までの流れを知ろう

人身事故の解決までの流れ 上図のように、交通事故の被害者にとって法的な解決とは、加害者から賠償金を受け取ることです。 事故にあったらまずは病院で治療を受けましょう。ケガが完治するのが望ましいですが、大きな事故の場合は後遺症が残ってしまう可能性もあります。 その場合には、後遺症の重さを14等級に振り分ける認定手続きを受けましょう。等級認定された後遺症は「後遺障害」と呼ばれ、等級は賠償金の金額に大きく影響します。 ケガが完治するか、後遺障害認定が終わったら、加害者の加入している保険会社と賠償金の話合い(示談交渉)を行います。 加害者が保険に加入していれば、自然と十分な補償が受けられると思いきや、そうではないケースも少なくありません。 後述するように、賠償金の金額は決まり方があり、被害に見合う金額を受け取るには、交渉したり、ADR(第三者機関が仲介する話合い)や裁判を起こしたりする必要があるのです。 加害者が保険に加入していなかった場合は、交渉相手が保険会社ではなく、加害者本人になります。

ケガや痛みがなくとも医師の診断は受けよう

もしまだ病院に行っていないなら、すぐに病院で診察を受けることをおすすめします。事故直後に目立ったケガや痛みがなくとも、自覚症状がないだけで、あとから痛みが出てくるケースも多くあります。 事故から受診までに期間が空いてしまうと、交通事故によるケガとして扱ってもらえず、治療費や通院のための交通費などを加害者に請求できなくなる危険性があるのです。 交通事故は、人がケガを負った「人身事故」と、ケガはなく車両や身につけている物だけが破損した「物損事故」の2種類に分類されますが、治療費などを請求するには、人身事故として扱ってもらう必要があります。 事故の種類は現場に立ち会った警察官が決定しますが、被害者に目立ったケガや自覚症状がなく、病院に搬送されていないケースでは、物損事故として処理されている可能性が高いでしょう。そのため、診断書を持参して、警察に人身事故に切り替えてもらう手続きが必要です。 保険会社によっては、警察が物損事故として処理していたとしても、診断書があれば人身事故として扱ってくれる会社もあります。しかし、確実ではないため、まずは警察で切り替えてもらえるよう働きかけましょう。

示談のタイミングを知ろう

保険会社との示談交渉は、必ず治療や後遺障害認定が終わってから行いましょう。適切な賠償金額は、治療が終わり、後遺障害認定の結果が出てはじめて決まります。 一度示談が成立すると、原則として示談をやり直すことは困難になります。 治療中に示談をしてしまい、その後に予想外の治療費がかかったり、後遺症が残ってしまったりしたとしても、その分の補償を受けられなくなるおそれがあります。 もし治療中に保険会社から示談の申し入れがあったとしても、「治療が終わるまで示談できない」と断りましょう。それによって保険金がもらえなくなったり、金額が低くなったりすることはありません。

生活費に困ったら?

ケガの程度や受傷した部位によっては、仕事ができずに生活費に不安が出る場合もあるでしょう。そのような場合でも、保険会社と示談をするのではなく、他の手段を使いましょう。詳しくは以下をご覧ください。

賠償金の決まり方を知ろう

先述のとおり、加害者が保険に加入していても、自然と十分な補償が受けられるとは限りません。では、賠償金はどのように決まるのでしょうか。 人身事故にあうと様々な損害が発生します。以下はその一例です。

  • 治療費や通院のための交通費
  • ケガを負った精神的苦痛に対する慰謝料
  • 仕事を休まざるを得なかったことに対する補償
  • 後遺症により職業が制限されたことに対する補償

交通事故によって発生した損害は、原則としてすべて加害者に請求できます。しかし、治療費など、実際に支払った金額がはっきりとしている支出は計算できますが、慰謝料などは計算するのが困難です。 そこで、治療期間や後遺障害の等級を基にして金額を計算するのですが、その基準は3種類あり、どの基準を使うかによって金額が大きく変わります。

3種類の算定基準とは?

3つの基準のイメージ 慰謝料などを計算する基準は「算定基準」と呼ばれ、次の3種類があります。

  • 自賠責基準
  • 任意保険基準
  • 裁判基準

自賠責基準とは、ドライバー全員が加入する義務のある自賠責保険が定めている基準です。自賠責保険は最低限の補償を目的としているため、金額としては3つの基準の中では最も低額となります。また、上限額が決まっています。 任意保険基準とは、ドライバーが任意で加入している民間の保険会社(「任意保険」と呼びます)が各社で定めている基準です。賠償金が自賠責保険の上限額を超えた場合に使われるため、自賠責基準よりは高額になります。 裁判基準とは、過去の裁判例から統計化された基準です。裁判では被害の実態をしっかりと認定し、それに見合う金額を計算するため、3つの基準の中で最も高額な基準になります。 ケースバイケースではありますが、任意保険基準の数倍になるケースもあり、被害者としては裁判基準を使うように働きかける必要があります。

適切な保険金を受け取るためには?

保険会社との話合いの中で、「裁判基準で計算してください」と言っても聞き入れてもらえないでしょう。では、どうすれば裁判基準で保険金を計算してもらえるのでしょうか。 裁判基準を使うためには、以下の3つの方法があります。

  • 裁判を起こす
  • 弁護士に依頼する
  • ADRを利用する

裁判を起こす

1つ目は当然ですが、裁判を起こすことです。裁判基準は統計値ですが、実際の裁判はその事故のケースに照らし合わせて事細かに計算するため、被害を証明さえできれば、最も納得のいく結果が得られる可能性があるでしょう。 一方で、手続きや法廷での立証は素人には難しく、専門家である弁護士に依頼して争うことになるケースが多いでしょう。

弁護士に依頼する

示談交渉から弁護士に依頼して交渉してもらうことが可能です。保険会社としても、裁判に発展すると時間も費用もかかることから、弁護士が交渉相手になると、示談で早めに決着をつけたいと考えることも多いです。 結果として、弁護士に依頼するだけで、裁判基準に近い金額で示談できる可能性があります。裁判基準は弁護士基準とも呼ばれることがありますが、それにはこうした背景があるのです。 弁護士に依頼するデメリットとして、当然ながら費用がかかります。弁護士費用は高い、というイメージを持たれることが多いですが、人身事故では裁判基準を適用できた増額分で、弁護士費用を十分にまかなえる可能性が高いでしょう。 また、あなたや家族の加入している保険に「弁護士費用特約」が付帯されていれば、多くのケースで弁護士費用を負担せずに弁護士に依頼することができます。

ADRを利用する

ADRとは、保険会社との話合いを第三者機関に仲介してもらい、和解を目指す手続きです。仲介役として弁護士が間に立ち、裁判基準で金額を計算するよう促してくれます。 ADRは無料で利用できるのが大きなメリットです。一方で、事実関係に争いがある場合、例えば事故状況についてそれぞれの言い分が異なるような場合では、必ずしも、どちらの言い分が正しいかを判断してもらえるとは限りません。警察の記録などに従って機械的に金額を計算するため、言い争いがなく、金額だけが問題なケースでは納得のいく結果が期待できるでしょう。

ADRも弁護士に代行してもらうことが可能です。弁護士に依頼すれば、煩雑な手続きや保険会社との交渉を任せられ、治療やリハビリに専念できるメリットもあります。困ったら早めに弁護士に相談することをおすすめします。

記事のタイトルとURLをコピー

慰謝料や損害賠償金額を計算する

お悩みの解決策を探す